もののとけ方5 ~水+塩の重さは?

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
シリウスHP

2 質量保存の法則に気付かせる

塩ととかした後の食塩水の重さについて考えることで、質量保存則に気づかせる授業をおこなっ た。

発問1 水 100gに塩 20gをとかしたとき、食塩水の重さはどのくらいになるだろうか?


1.100gぴったり 2.101~119g 3.120gよりちょっと少ない 4.120gぴったり 5.120g以上

子どもたちの考えは、これに納まらない考えも出されて、全部で6通りになった。
< 1.100gぴったり > 2人→2人
・ 塩はとける前は、20gでとけると重さはなくなるから 100gだと思う。
< 2.101~119g >
< 3.120gよりちょっと少ない > 12 人→7人
・人間に例えると、食べ物を食べても体重はそんなに変わるわけではない。 体だって重くな るわけではないから、120gよりちょっと少ないと思う。
・ 塩が水にとければ、少しは軽くなるんじゃないか。
< 4.120gぴったり > 19 人→21 人
・100gの水と 20gの塩をたすんだから、100+20 = 120gになる。
・水にとけて見えなくても、塩は入っているから、重さはそのままだと思う。
・とけた塩は水の中にあるのだから、120g。みんなの考えを聞いて意見が変 わった。
・塩には 20g、水には 100gという重さがあるから 120g。
< 5.120g以上 >
・塩の中には、よくわからないけれどタンパク質とかそういう成分がある。そういう成分も 水にとけるのだから、120g以上になる。
・蒸発させてみたら、あんなにたくさんの塩が入っていたのだから、120g以 上はある。
< 6.100g以下 >
・死海の海のように、濃い食塩水になるとものが浮くくらいだから、きっと 食塩水全体は軽くなっているはず。

ここで、子どもたちが引っかかりやすいのが、< ちょっとだけ少ない > という言葉である。こ の「ちょっとだけ」という言葉にこどもはずいぶん迷い、思わず選択してしまう子が多い。

さて、実験は正確を期すために電子てんびんを使った教師実験をおこなった。結果は、ぴったり の数値を得ることができた。

100gの水 + 20g の食塩 = 120gの食塩水

3 説明1

食塩などものがとけても、そのものの重さがなくなることはありません。見えなくなっても、水溶液の中に重さはきちんと残っているのですね。ですから、水の重さと食塩の重さをたしたものが水溶液の重さになります。これを難しい言葉で、質量保存の法則といいます。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。

「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。

最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。

「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

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