1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
シリウスHP
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2 塩水を温めるとどうなるか
前回はホウ酸をお湯の中にとかした。今回は同じ条件で塩をとかしてみることにした。
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実験1 今日は塩を溶かしてみよう。限界まで溶かしたらアルコールランプで温めてみよう。
子どもたちは、次のようにいろいろと工夫していた。
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・試験管を鉄製スタンドで固定し、直接アルコールランプで温めた。
・試験管の中にスポイト(ピペット)を入れて、シュポシュポかき混ぜる。
・大きなビーカーにたっぷりお湯をわかし、その中で試験管をまわしていた。
・ガラス棒で、試験管の中をつついていた。
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このようにそれぞれが工夫して塩をとかそうとしていたのだが、塩はなかなかとけていかなかった。「ホウ酸の時にはあんなにとけたのにな」とつぶやいていた。
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発問1 塩とホウ酸では、とけ方に違いがありましたか。
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< 違いがある >
・温めるとホウ酸はすごく簡単にとけるけど、塩はあまりとけない。
・とけたかな?と思っても下にすぐにすぐに沈んでしまう。なかなかとけな かった。
・塩は熱を加えてもあまり意味はなかった。
・教科書のグラフを見ると、ホウ酸は温度が上がるとどんどんとけていくの に、食塩は温度が 上がっても、ほとんどとけ方は変わらない。
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説明1 そうですね。このように温度を上げるとよくとける物と温度を上げてもそれほど変 わらない物があるのですね。
今度は、少し視点を変えて試験管についている水滴を注目させた。
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発問2 いま試験管についている水滴は、食塩水から出てきたものですこの水滴をなめたと きの味は?(塩味・うすい塩味・水・そのほか)
ほとんどの子どもが < 水 > と考えた。単元の最初の頃に同じ発問をすると、 < うすい塩水 > が圧倒的に多くなる。
< 塩味 > 1人→0人
・海の味が蒸発した雨はしょっぱいから。
< うすい塩味 > 6人
・水と塩は一体化したのだから、塩の味は残っている。水の方が少し多いか ら、うすい塩味にな る。
< 水 > 28 人→30 人
・塩は水じゃないから、蒸発しないと思う。
・森くんの実験を見ていると、水だけがビーカーから出ていって、塩は糸に 残ったから。
・塩は水に残るから水の味だと思う。
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実際に試験管についている塩水をなめてみると、水の味がしていることがわかる。そこで、蒸発 について触れた。
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説明2 蒸発というのは、余分なものを全部残して水だけが外に出てくることをいうのです。 だから水の味なのですね。
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3 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
4 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。
「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
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