1 はじめに
本記事は、2019年1月27日(日)に開催された、教員試験フェスタ2019(時事通信出版局主催)の一部を取材し記事化した全3回のうちの第3回です。本イベントでは、2019年度教員試験の最新動向や残り6ヶ月の学習法など、教員志望者の気になる情報がまとめて紹介されたほか、埼玉県、さいたま市、千葉県千葉市、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市の教員採用担当者から、各自治体の求める教員像や研修制度についてのお話がありました。
第3回では、神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市についてご紹介します。
第1回:夏の教員採用試験の概要についてについての記事はこちら
第2回:埼玉県・さいたま市・千葉県千葉市・東京都についての記事はこちら
本イベントについてはこちらよりご覧ください。
2 各自治体の動向~求める教員像と研修制度~
神奈川県
求める教員像
神奈川県は、「子どもが自ら取り組む、わかりやすい授業を実践する教師」・「子どもや社会の変化による課題の把握と解決に取り組む教師」・「教職員としての人格的資質を有し、教職への情熱にあふれる教師」を求める教員像として掲げています。このような教師像の実現に向けて、教職経験年数で養成期・開発期・充実期・発展期と段階を分けて、それぞれのあり方について詳しく策定しています。
参考:神奈川県のめざすべき教職員像の実現に向けて(神奈川県教育委員会)
研修制度
神奈川県では、各教員のライフステージに即し、キャリアに応じた基本研修や授業力向上のための研修などを行い、高い指導力と意欲を持つ人材の育成を図っています。教職経験に応じた基本研修・教職としての専門性を高める研修・マネジメント能力向上のための研修の三種類に分けて研修を実施しています。
横浜市
求める教員像
横浜市では、「教育への使命感や情熱を持ち、学び続ける教師」・「『チーム学校』の一員としてともに教育を創造する教師」・「子どもによりそい、豊かな成長を支える教師」を求める教師像として掲げています。横浜教育ビジョン2030で定められていますが、「自ら学び社会とつながりともに未来を創る人」を横浜の教育が目指す人としていますので、その最先端を担っていただく熱意溢れる方を求めています。
参考:横浜市の求める教師像
研修制度
横浜市では、初任者への安心のサポート体制を準備しています。採用前には、採用前懇談会を実施し、近くに相談できる人がいない不安を解消するために、先輩教員や同期採用者とのつながりを作る機会を設けています。また、経験豊かな退職教員が、初任教員のアドバイスやサポートを行う体制を整えています。
実際の初任者研修では、校内研修だけでなく、仲間との交流を深めるために宿泊型の校外研修も実施します。各キャリアステージに応じた研修も充実しています。
川崎市
求める教員像
川崎市では、「子どもの話にきちんと耳を傾けることができる先生」・「子どもと一緒に考え行動することができる先生」・「子どもに適切なアドバイスを与えることが出来る先生」・「教材研究がきちんとできる先生」を求める教員像として掲げています。常に自らの資質能力を高めようとする謙虚さや向上心が非常に大切です。
参考:平成30年度実施川崎市立学校教員募集(川崎市教育委員会)
研修制度
川崎市は初任者研修を通して、教員の使命感を養い、豊かな人間性と実践的な指導力を身に付けていただきます。また校内研修、校外研修、宿泊型研修も充実しています。川崎市で教員となった方には、教員として必要な学習指導・児童生徒指導力をしっかりと身に付けてほしいと考えているからです。
参考:平成30年度実施川崎市立学校教員募集(川崎市教育委員会)
相模原市
求める教員像
相模原市では、「信頼される教師」・「人間性豊かな教師」・「指導力向上に努める教師」を求める教員像として掲げています。特に、信頼される教師の部分でいうと、いかに子どもの思いを汲み取るか、そしていかに保護者の願いを汲み取るかが教師の大切な役割になってくるかと思います。
参考:相模原市教員採用情報
研修制度
相模原市では、豊かな人間性を育て、自己の資質や能力の啓発を図り、そして社会の一員としての自覚を促す研修を行っています。その他にも、授業づくり、学級づくり、子ども理解、マネジメントなどの研修を行います。
3 月刊『教員養成セミナー』のご紹介
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4 編集後記
神奈川県は全体として研修制度が充実していると感じました。各教員のキャリアステージに合わせて研修を準備されていたり、宿泊型研修も行っていたりと、教員としてのキャリアを歩むうえで安心の体制が整っていると分かりました。(取材・編集:EDUPEDIA編集部 大森友暁)
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