はじめに
今回は、2022年3月、神奈川県の教員採用試験(高等学校 英語科)に学校推薦で合格された方に、教員採用試験の対策方法やアドバイスについてお話を伺いました。(2022年6月12日取材)
この記事は、実体験を踏まえた志望理由書、面接、論文、模擬授業について書いたものです。なお学校推薦のため、教職教養、専門教養は免除となっています。そのため、8月から始まる二次試験を中心とした内容です。
志望理由書
神奈川県の試験では、自分の強みを二点あげて、それらと教員を志望した理由を絡めて書く問題があります。そのため、大学4年間でのサークル活動やボランティアなどで、教育に関してどういったことを書けるかを考えておくとよいと思います。私は、演劇のサークルと地域の子どもに勉強を教えるボランティア活動をしていたため、それらの活動と教員を志す理由を絡めて書きました。
また、塾など教育業界の就活もしましたが、そこでも自分の強みを聞かれることが多かったです。教採以外の就活であっても教採対策につながるため、時間があれば受けてみることをお勧めします。また就活をしている同級生から話を聞いたり、大学が行っている講座に参加したり、志望理由書を添削に出してみたりするとよいと思います。面接は志望理由書をベースに進んでいくので、完成させておくと面接の練習も進めることができます。早いうちにこれまでの経験を振り返り、どんなことを書けるかを考えておくとよいと思います。
面接
—対策にあたって意識したことは何ですか?
理由をはっきりさせること、簡潔に伝わるように言葉を選ぶことです。これは1人だと練習が難しいため、誰かに話が長いところなどを指摘してもらいながら、どうしたら短く簡潔に伝えられるかを考えていました。
—本番の面接はどのようなものでしたか?
【3名の面接官】
面接カードや自己PR書に記入した演劇のことを中心に聞かれました。
「自分自身のこと」「教員となったときの軸」「教科指導について」についてしっかりと答えられるようにしておくと、困らないと思います。書類や話を通して「この人の軸はこれだな」と面接官に思わせることができると、そのことを深く聞いてもらえる傾向があります。
【1人目の面接官】
1人目の面接官の緊張しているかという質問に「少し緊張している」と答えると、深呼吸をして落ち着こうと時間を取ってくれました。
【2人目の面接官】
2人目(真ん中)の方には、自己PR書、面接カードの内容をメインに聞かれました。(イラスト参照) 演劇を始めたきっかけ、部活動内で部員をまとめるために苦労したこと、演劇から学んだことのうち、生徒に伝えたい一番大切なことなどについても聞かれました。
【3人目の面接官】
3人目(左)の方には、科目、教員としての振る舞いについて聞かれました。まずはじめに、「教員になったときのことを思って答えてください」と言われました。(質問の一部はイラスト参照) その他、「効果的な英語の勉強はどのようなものか」と聞かれ、単語や語彙を大切にすることと答えました。この回答を、深掘りされて、具体的な方法を聞かれました。
面接全体を通して印象的であったのは、「教員としてこれだけは守らなければならないということは何か」という質問です。そのあと、「先生がルールを破ったらどうするか」、「先輩教員には言いにくいと思うがどうやって注意すればいいか」とさらに詳しく聞かれました。
論文対策
一般で教員採用試験を受ける人も推薦者向けの問題を見ておくと参考になると思います。論文を書く際には、文章の構成をしっかり決めること、序論と本論(根拠になること)、結論をしっかり意識することが重要です。
模擬授業
10分間でできることをしなければなりません。私は英語学習の導入的な内容を行いました。
まず授業の初めに、この授業では何をやるのかということを目標として提示しました。使用するチョークの色を黄色と白だけにすること、写真を多用することなど工夫が必要だと思います。
架空の生徒と生徒役の教採受験生の区別をしっかりしないと、授業者が問いかけをした際、受験生が指名されたと感じて答えてしまいます。もともとA~Dさんが教採受験生なので、私は1人芝居の時はEさんをあてました。生徒役の教採受験生は緊張しながらも何とか答えようとしている感じがありました。
集団討論(なお2021年は不開催)
自分から司会を買って出ることと、人に話を平等にふっていくことが求められます。また、自分の考えを発言するばかりではなく、他の人の話に耳を傾けられるかを見られていることも意識してください。
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編集後記
教員採用試験対策においては勉強はもちろん大切ですが、まずは充実した大学生活を送ることが大切であると気づかさせられました。また自分だけにとどまらず、他者を頼ってみることも大切だと感じました。神奈川県の教員を目指す方だけでなく、他県の教員採用試験にむけて対策している方にも役立つ記事となれば幸いです。 (文責・編集 般若莉子)
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