1 はじめに
本記事は、2016年度の教員採用試験に見事合格した、二人の大学生の方にインタビューしたものです。
なぜ教員になろうと思ったのかということから教員採用試験の勉強を始めた時期や内容に関してまでお聞きしております。
記事は三本立てになっており、本記事では教員採用試験対策(面接対策)についてきいた部分になっております。
前後のお話も公開しておりますので、ぜひご覧ください。
①(進路選択編):『先輩に聞く!教員採用試験合格体験記!~①進路選択編~』
②(一般教養&教職教養編):『先輩に聞く!教員採用試験合格体験記!~②教員採用試験対策(一般教養&教職教養)~』
2 面接対策は何から始める?
面接対策としてどういったことから始めましたか?
Y:先輩方が聞かれた質問に、自分ならどう答えるかを考えました。自分の考えをある程度まとめてから面接練習に参加しました。
I:集団面接を何も知らないときにぶっつけ本番でやらされて、何も答えることができずに、地獄だと感じました。そこからがスタートです。そのあとにYさんと同じようなことをしました。
面接のセオリー本は使わなかったのですか?
I:私は大学の対策講座でセオリーを教えてもらえたので、基本的に使いませんでしたが、場面指導の事例は買って実際にやってみました。定番問題はやはりあって、同じ県なら使いまわしが存在するというの分かります。過去問と同じものが本番でも出ました。
Y:場面指導の問題集を買いました。
面接ではどんなことに気を付けましたか?
I:沢山ありますが、これだけはやろうというものの方が多いですね。
明るく、大きな声で、笑顔で、ゆっくり、熱意をもって。
半年かけてこれはずっと意識し続けました。
Y:同じで、体育会系的に明るくハキハキと話すことを心がけました。
3 地域ごとで異なる試験方法
Iさんは複数の自治体の採用試験を受けたとのことですが、地域差は大きいと感じましたか?また、自治体に応じた面接対策はしましたか?
I:集団面接、集団討論、模擬授業がある県ない県で差がありました。ですのでもちろん対策の仕方は違います。
集団面接は自分の志望理由や教師に向いている点など、願書に書いている事項が聞かれるということはどの県も同じなので、あまり対策はしませんでした。個人面接も自分の意思を見られるといった点では差がありませんでした。模擬授業はなかなか差があり、県別で作りました。時間が5分か10分か、事前にテーマが与えられるかどうかなど、差があります。
横浜市も模擬授業がありましたか?
Y:その場でテーマが言われ、5分間授業をするという形式でした。行書の書き方、特活、手紙の書き方など、自分の専門科目に限らないテーマを与えられ、5分で考えて5分で授業をしました。
試験の形式に関しては、事前に分かっていたのですか?
Y:去年から変わらなかったので知っていました。
I:願書を出す時期に募集要項が公表されるので、そこで大まかなものは分かります。テーマは一次の結果が出た後に発表されることが多いですね。発表方法は郵送など様々です。
自分に関係のない(出身地や大学のある県ではないところ)自治体の場合、選んだ理由はどう答えたのですか?
I:教育委員会が開催する自治体ごとの教採説明会での話を参考にして考えました。例えば、神奈川県は、他県出身の先生の割合が非常に高いと聞きました。多様な地域から集まる方と一緒に教育をできるということが魅力だと感じ、志望理由に盛り込みました。静岡の例でいくと、静岡の教育方針が良かったと答えたのですが、一つの答えでは納得してもらえないので、いくつか答えを持っておく必要があります。
面接の中で、変わった質問など一番印象に残った質問は?
Y:国語の魅力をどう教えますか?と聞かれたのですが、なぜかその後もう一度同じことを聞かれました。「さっきの回答で満足してないのかな?」と感じたので、二回目は一回目につけ足したような回答をしました。私は横浜の出身で京都の大学に進学したのですが、その例が珍しいからか、どうして京都の大学を選んだのかは聞かれました。でもそこの回答に関しては特に困らなかったです。
I:関わりのない県で志望理由を4回ぐらい聞かれました。一番しんどかったのは第1志望の愛知で、京都も受けているよね?と聞かれ、困りました。どっちを選ぶつもり?日本史学専攻なのになんで国語の教師なの?といったものもありました。
学部のことは聞かれましたか?
Y:卒論のこと、印象に残った授業は聞かれました。掘り下げるというより、普通に聞かれたという感じです。ちなみに卒論は井原西鶴で書きました。どのように後世に受け継がれたかというものです。卒論のテーマに関しては、本当は教育に絡ませたかったができなかったので、仕方なしにそのテーマでやりました(笑)
I:「卒論で研究していたことを教師になったときどう生かしますか?」と聞かれました。卒論のテーマは中世日本史のことで、国語ではないけれどどう生かしますか?と聞かれたので、中世の古典の時代背景を古文の授業に生かしますという風に答えました。
4 地元の学校を受けるのであれば母校とのつながりは大切
京都以外の情報はどうやって手に入れるのですか?
I:教採センターにあった受験報告書で会場や質問を見ていました。あと、母校とのつながりをもっていたので、私が高校時代に担任をしてもらった先生に教員採用試験の情報を聞きました。
Y:神奈川はいたけど中学校の人はいなかったので、教育実習のときに出会った初任の体育の先生に色々と聞きました。そういう面で言えば地元の方が有利です。情報は大事ですね。
模擬授業は練習しましたか?また、どのようなことを意識しましたか?
I:模擬授業も面接と同じようなことを意識しました。模擬授業と面接は密接に関係していると思います。練習すればするほどどちらもレベルが上がっていって、テーマが決まっていくと、話し方を磨くことができました。
Y:研究計画書みたいなものを書いていて、あまり練習できていませんでした。テーマが分からないので、教育系の雑誌を読んでいたら、同じようなものが試験にでました。
5 当日はどう過ごす?
空き時間はありましたか?また、どのように過ごしましたか?
Y:そんなにありませんでした。面接に向けてエントリーシート(願書)を見返したりしていました。
I:私は炎天下で3時間、外で待ちました。愛知の一次面接は毎年その場所らしいのですが、つらかったです。ひたすら音楽を聴きながら面接ノートを見返していました。暑さ対策は絶対必要です。
6 面接のときにこれを持っていけ!(必需品)
・ハンカチ(汗対策)
・面接ノート(待ち時間に)
・軽食(お腹が鳴らないように!)
・夏なので体調管理には気を付けて!
7 最後に、教員を目指す大学生に向けてのメッセージ
I:大学生のうちに、学校現場を必ず見た方が良いです!インターンでもボランティアでも良いので、良い面も悪い面も見れる機会はあった方がいいと思います。みなさん、頑張ってください!
Y:自分の中に「先生としての理想」があればそれに向かって頑張れます。頑張ったことは教採に関わらず自分の財産にはなるので、最後まで頑張ってください!
(取材・編集 EDUPEDIA編集部 宮崎、福山、黒野、中澤)
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