「3年わり算」学び合う数学的活動 思考力⇔表現力 包含除

7

主体的に一人一人が思考力を育てるグループ学習!

指導要領解説で、「数学的活動とは、算数の問題を見い出し、自立的、協働的に解決する過程を遂行すること」とあります。算数は、系統性があり得手不得手の差が表れやすいため、一人一人がよさや楽しさを感じながら思考力、判断力、表現力を育てる算数となるよう、伝え合う活動として「グループ学習の学び方」の指導を実践しました。
 
☆グループ学習のよいところ
①子ども同士で学習を進めるので,教師はグループをまわり、認めたり方向付けをしたり児童の誤りをきめ細かく確認し,随時、助言や指導・修正をしていくことができます。
②子どもたちは自分たちで何とかしなければいけないので、既習事項(学習のわざ)を使い、「~にやるんだよ」「あ、そうか!」など子どもたちの言葉での教え合いが生まれ、思考力が育ちます。
③まとめの段階では、子どもたちの言葉や教師が変換した言葉でまとめていき、「グループの中で主体的に学習をして、自分たちで解決できた!」という子どもたちの満足げな笑顔が見えます。
  
深まるグループ学習が、すぐできるわけではないので、段階を踏んで進めました。
そのステップは、次の通りです。
 

学ぶわざを土台に 子どもたちに任せて フォローする 

1 グループ学習の素地を身に付ける

  
「教室は、まちがうところだ!」を学ぶ。
「誰でも、得意、不得意はあるから、まちがえたら教わればいい!」
「間違えたりわからなかったりする人には、教えればいい!」「おたがいさま!」
「そうして、みんなで伸びて行こう!」
・・・これらの気持ちを、生活の中で日々育てていくことが土台です。
 
伝え合い方を、学級の一斉学習でも全教科の授業を通して学ぶ。
初めは掲示物に沿って、繰り返すことで、学び方を身に付けます。
 
           {つなげることば 話し方}  
伝える    ☆「はじめに」「次に」「最後に」
見つけた   ☆習った ~~ の勉強を使っていると思います。
       ☆○○さんのよい所は・・・。
       ☆○○さんの,~ を直せば,もっといいと思います。
確かめる   ☆・・・どうですか?  ☆ここまで,いいですか?
つけたし   ☆ ~ に,つけたして・・・。
理由     ☆そのわけは・・からだと思います。
例を上げて  ☆たとえば・・・。
くらべて   ☆私は○○さんにさんせいで・・。○○さんとちがって・・。
       ☆~と~の同じ所は・。ちがう所は・・。☆なかまに分けると
       ☆つでも使えるきまりは・・。 ☆んたんに・・。
まとめて   ☆つまり・・・。

       {つなげることば 聞き方}  
  ◇なるほど!  ◇そうか!  ◇わかった!  ◇本当だ! ◇おしい!
  ◇どういう意味かな?  ◇わからないなあ  ◇質問しようかな?
   質問   ☆もう1回,言ってください。   ☆どういう意味ですか?  
       ☆なぜそうやったのですか? 
                            

 2 算数の学び方に沿って、グループでの学び方を学ぶ

算数の学び方として大切な場面は、子どもたちが課題と出会い分析をし→どんな方法で解決できそうか見通しをもつ段階です。それを土台として自分の問題ととらえ、解決しよう・やってみようとする意欲をもつことができるのです。その段階を、授業の初めに必ず位置付けるようにしました。 
グループ学習は、基本的に司会がカードを見ながら、グループのみんなと進めていきます。慣れてくれば、自分たちで進めていきます。
 
算数の学び方  {かいけつするために 見通しを 立てよう!} 
  ◇この問題は どんな問題か?
   ☆気づいたことは・・
   ☆前と~が同じ。~がちがう。
      ↓
     学習問題を作る
 
  ◇かいけつの やりかたは?
   ☆習った ~ の勉強を使うといい。(黒板の右上に既習や復習の板書・掲示) 
   ☆かいけつのわざを使えば→図,計算,式,言葉,数直線,表,物など
   ☆答えは,~ に なりそう。
 
        {3年 グループ学習の進め方カード!}     
◇司会進行 
①今日グループ学習することは,☆~~~~~ です。
②今日の説明する順番は,・・さん,・・さん,・・さん,・・さん,です。よろしくお願いします。
(ならんでいる順で)
③はじめに・・さん,お願いします。  「○○○○ です。どうですか?」
④しつ問ありますか?いいところを見つけましょう。直した方がいい所は?
⑤次に,・・さん お願いします。 →全員終わるまで
⑥みんなの考えで,にてるところは ありますか?
⑦みんなの考えで,ちがうところは ありますか?
⑧ ○はんの まとめをしましょう。    
⑨発表のじゅんびや練習をしましょう。(発表用紙や黒板に、まとめて書く)

   

 3 わり算(包含除)・あまりのあるわり算の授業を通して

 ~学習過程のどこでグループ学習をするか(比較検討の場面・問題解決の場面)
 わり算の単元で、初めに等分除の学習を、一斉学習で行いました。その中で、わり算の解決の方法(わざ)を全員で学び、それを活用して包含除・あまりのあるわり算のグループ学習は、子どもたちに任せるという計画にしました。その授業記録は、以下のとおりです。
 
 ※わり算の解決の方法(わざ)
  ・ブロック分け方の操作、図、ことば ・かけ算との関係(□の式 単位 何の段)
 
A わり算   6/13時間め 包含除  
  【比較検討場面=異なる解決方法のメンバーのグループで】
各自で自力解決してから、異なる解決方法のメンバーのグループで比較検討し、まとめていきます。
伝え合いのめあて「みんなの説明の中で,似ているところはどこかを見つけてまとめよう」
☆自力解決したことを各自で伝えるので,全員が説明する経験をできる。
     ⇒A 授業記録


 
B あまりのあるわり算 2/5時間め
  【自力解決場面=同じ解決方法のメンバーのグループで協働解決】
各自課題の解決方法を決めてから、同じ解決方法のメンバーのグループで協働解決し、他の方法と比較のために説明の準備をします。
伝え合いのめあて「1番わかりやすい、よい言葉・やり方を選んで○○の説明を書こう」
☆上手な友達の説明を聞き、理解を深め,共に成就感を味わえる。
     ⇒B 授業記録    


 

 4 授業の様子


   

 5 おわりに

今、思考力・表現力も育てたい! 子どもたちが学び方を身に付けるまで繰り返しが必要ですが、グループ学習での子ども同士のやりとりを聞いていると、子どもたちの力はすごい!と思うことがたびたびあります。型にとらわれず任せてみると、子どもの新しい面が見えて、伝え合いも上手になります。最後に「みんなで解決できたね!」と、教師は、脇役になりたいものです。
 グループ学習の他の型として、適応練習問題の時、教えっこ型(自力→ペア→グループで)協働グループもあります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次