分数(割合)3年 ~もとになる数によって異なる「●分の1」の大きさ

 「もとになる数」

小学校算数では分数・百分率・歩合・小数倍等で、割合の学習が3年生から5年生の間で進められます。ひんぱんに、

比べられる数A=もとになる数B×割合C

という式が出てきます。「比べられる数」や「もとになる数」は、やや取っつきにくい言葉のようで、戸惑っている子供は多いです。

この記事は、3年生の分数の授業で「○の4分の1は●」つまり、「〇×分数=●」取り扱う際に、「もとになる数」が違えば、同じ「4分の1」であっても大きさが違うことも学習します。「88cmの4分の1」と「84cmの4分の1」は違います。
「比べられる数」「割合」という言葉はまだ出てきませんが、数字を当てはめて考えるだけではけっこう難しいです。

  円で表してひっかけ問題を作る

ウサギさんに、イチゴケーキの4分の1をあげました。キツネさんには、レモンケーキの4分の1をあげました。ところが、ウサギさんがすごくおこっています。どうしてでしょう。

この問題だけを子供たちに提示します。子供たちが考えて、発言する事を否定も肯定もせず、聞いてあげましょう。答えがすぐに分かっていそうな子供は、指名を避けます(笑)。分かっていそうな子供を指名したとしたら、「えー、どういうこと、どういうこと??」と言って、図に書くなどして説明させましょう(なかなか上手に説明できないです)。正解に近づいても、「ふーん」と、とぼけて煙に巻きます。

「ウサギはレモンケーキが好きだった」「ウサギはケーキを食べない。草を食べるから。」「イチゴケーキが腐っていた」等、いくつかの意見が出たところで、「おいおい、今は算数の時間だよ。国語ではないからね。」と、うそぶきます。「じゃあ、答えを出すね。」と、言って下図のように4分の1の破片を出します。

これを見ただけですぐに分かる子供もいれば、何のことやらわからない子供もいるので、「誰か説明できる人」と募って説明させましょう。下図のように、元の円を図示して説明できる子供がいたら、大いに褒めてあげてください。

子供たちからは、「そんなの、インチキだー」とかのブーイングが噴出します。そこで、

「いやいや、これがけっこう5年生になっても大事な考え方なのです。「もとになるものの大きさが違うと、つまりイチゴケーキとレモンケーキの大きさが違うと、同じ4分の1でも大きさが違う」のですよ」と、まとめましょう。できれば、色紙や画用紙で作った上のような2つの円を子供に配ってあげて、ノートにはってまとめさせるといいと思います。

  発展問題

次に、少しレベルアップした問題も出してみましょう。教科書には、分母が違う分数で比較するレベルの問題は出ていませんが、よい機会なので、考えさせてもいいと思います。

リンゴジュースが入ったペットボトルと、オレンジジュースが入ったペットボトルがあります。田中さんはリンゴジュースの4分の1をもらいました。山田さんはオレンジジュースの6分の1をもらいました。どちらがたくさんのジュースをもらったでしょう。

これも、「もとになる数(ペットボトルに入ったリンゴジュースとオレンジジュースの容量)」が同じとはどこにも書いていません。分からないので、答えは「分からない」になります。子供によっては「6」と「4」を比べて山田さんが大きいと考えるかもしれないですね。「田中さんのジュースが多いと思う人は赤帽子、山田さんのジュースが多いと思う人は白帽子をかぶりましょう」などと無理に二者択一にして、「一斉のーで」で決めさせましょう。「えー、そんなの分からないよ」と、言う子供もいるでしょうから、「じゃあ、黒帽でいいよ。帽子をかぶらないで。」と、言っておきましょう。黒帽の子供の中には、本当に分からない子供と、「もとになる数が分からないから分からない」という正解を把握できている子供がいると思います。
「オレンジジュース」の人にまず考えを言わせて、「リンゴジュース」の人に考えを言わせましょう。最後に、「わからない」の人に答えを言わせます。

「答えは、黒帽です(笑)。もとになる数が分からないので、答えも分かりません。」

再び子供たちから、「そんなの、インチキだー」とかのブーイングが噴出します。

問題に、実際の数字を当てはめて、計算させるといいですね。もとになる数がはっきりすると、正しい量が分かります。3年生なので、出題できる割り算の数値が限られていて、問題作りが苦しいです。

16dLのリンゴジュースが入ったペットボトルと、18dLのオレンジジュースが入ったペットボトルがあります。田中さんはリンゴジュースの4分の1をもらいました。山田さんはオレンジジュースの6分の1をもらいました。どちらがたくさんのジュースをもらったでしょう。

これを実際に解くと、

16÷4=4(dL)

18÷6=3(dL)

と、なります。もとになる数が分からないと、正しい量が分からないことが、だんだん、分かってくると思います。

 分数(割合)を円でイメージさせる

円で示す分数は、帯で示す分数に比べると、「1(もとになる数)」がとても見えやすいです。下記リンク先の記事も是非、ご参照ください。

分数を円でイメージさせる(算数2~6年生)【教材】 | EDUPEDIA

2~6年生までの割合の学習でも、同様の感覚(「もとになる数」が影響する)ことは割合を考える上で重要です。他の学年でも、形やレベルを変えて、同様の問題を考えさせてもいいと思います。

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