【小学2年】「あなのやくわり」~子どもの感想を持つ力」に着目して~


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1 はじめに

本記事では、国語科の説明文「あなのやくわり」(東京書籍)の授業案を紹介します。この授業案は、文章の内容と自分の体験を結び付けて考え、考えたことを文章にまとめていく展開です。

授業者が着目したのは子どもたちの「感想をもつ力」。教材「あなのやくわり」を読んで感想をもった後、子どもたちが見つけた穴の役割についてそれぞれ文章を書き、それを読み合ってさらに感想をもつ時間を設定しています。単元を通して「文章と知っていることを結び付けて感想をもつ力」をつけるために、様々な手立てが盛り込まれた授業案です。

国語科以外でも、感想を必要とする場面は日常生活の中にたくさんあります。子どもたちの「感想をもつ力」を伸ばしたいときにも、ぜひ参考になさってください。

2 単元について

身につけたい力

・文章中の大事な言葉や語句を見つけ、穴があいている理由を考えながら読み取る力
・自分の思いや考えが明確になるように、事柄の順序に沿って簡単な構成を考えて書く力
・文章と知っていることとを結び付けて感想をもつ力

学習活動

1:単元のゴールの姿からめあてを設定し、学習の見通しをもつ
2:教材を通読し、構成を確かめる
3:「あなのやくわり」の具体例から説明の仕方に気づき、感想を伝え合う
4:自分の身の回りにある穴の役割について考え、どの穴の役割について説明するか決める
5:自分で決めた穴の役割について説明する文章を書く
6:「あなのやくわり発表会」を行い、文章についての感想を伝え合う

3 授業案

1:単元のゴールの姿からめあてを設定し、学習の見通しをもつ

学習活動及び学習内容教師のかかわり
〇単元のめあて文章と知っていることを結び付けて、感想を伝え合う。
〇単元のゴール「あなのやくわり発表会」を開く。
〇ふりかえりカード毎時間めあてが達成できたか感想を記述する。
・絵本を基にシルエットクイズを出題。身近な穴への関心を高める。
・「この穴は何のためにあいているでしょう」という発問から、自分の知識や経験と結び付けて役割を考えられるようにする。
・クイズに対して自分の知識や経験と結び付け ている感想をとりあげ、称賛する。

2:教材を通読し、構成を確かめる

学習活動及び学習内容教師のかかわり
〇教材の通読             
〇新出漢字と語句の意味
〇教材の構成
・第1学年で学習した「いろいろなふね」の文章を1枚のプリントにまとめたものを準備する。「始め」「中」「終わり」に分けさせることで構成に気づく視点をもたせる。

3:「あなのやくわり」の具体例から説明の仕方に気づき、感想を伝え合う

学習活動及び学習内容教師のかかわり
〇穴の役割の具体例を読み、説明の仕方に気づき、感想を伝え合う。
・50円玉の穴
・プラグの穴
・植木鉢の穴
・醤油差しの穴
・教材文全体
・重要な語や文を選んだり、知識や経験と結び付けて感想をもったりできるように以下(※1)の手立てを講じる。
・ふりかえりカードで学習の感想を書かせる。その中で、自分の知識や経験と結び付いているものや仲間とのかかわりがみられるものを称賛し、学びの実感につなげる。

※1
①1文目「〇〇の△△には、あながあいています。」に着目させ、穴の開いている場所を説明していることを捉えさせる。
②2文目「これは□□ためのあなです。」に着目させ、この文が役割を説明していることを捉えさせる。
③3文目以降について「もう役割を説明したから、なくてもよいのでは」と発問する。3文目以降の補足的な文章があることで、自分の知識や経験と結び付き、より役割を捉えやすくなることに気づかせる。

4:自分の身の回りにある穴の役割について考え、どの穴の役割について説明するか決める

学習活動及び学習内容教師のかかわり
〇身の回りの穴の役割について考え、どの穴の役割について説明するか決める。・日常生活の中で見つけた穴を学級で集めて「食べ物」「生活用品」などに分類する。穴の役割を説明する際に必要となる語 句の意味を理解し、使用できるようにする。

5:自分で決めた穴の役割について説明する文章を書く

学習活動及び学習内容教師のかかわり
〇身近な穴の役割について説明する文章 を書く。・前時までに学習した説明文の書き方の構成を基に文章を書かせる。

6:「あなのやくわり発表会」を行い、文章についての感想を伝え合う

学習活動及び学習内容教師のかかわり
〇自分たちの書いた「あなのやくわり」を発表し、その文章についての感想を伝え合う。・単元で身につける力は「文章と知っていることを結び付けて感想をもつ力」ということを押さえた上で、互いの文章を読ませる。感想を交流したときに、言葉の力が身についたことを自覚させる。

自分の知識や経験と結び付けた感想を分類するため名前をつける指導案P.1より)

名前を活用した感想(指導案P.1より)

4 授業のアイディア

言葉の力をメタ認知させる手立て

  • 毎時間、ふりかえりカードを用いて本時のめあてが達成できたかを3段階で振り返り、学習の感想を記述させる。
  • このカードの裏面には、教材「あなのやくわり」を読んだ感想を付箋紙に書いて貼り付ける。
  • 自分の変容を自覚させるために、毎時間積み重ねていく。

ふりかえりカード:表面(指導案P.1より)

ふりかえりカード:裏面(指導案P.1より)

5 評価

【知識・技能】

・言葉には、事物の内容を表す働きや、経験したことを伝える働きがあることに気づいている。

【思考・判断・表現】

・「書くこと」において、自分の思いや考えが明確になるように、事柄の順序に沿って簡単な構成を考えている。
・「読むこと」において、文章の中の重要な語や文を考えて選び出している。

【主体的に学習に取り組む態度】

・進んで文章の中の重要な語や文を選び出し、学習の見通しをもって考えが明確になるよう、文章にまとめようとしている。

6 実践資料

R1 授業研究会HP報告 川越 《第2学年国語科 やくわりを見つけてつたえ合おう》
http://www.miyazaki-u.ac.jp/fes/wp-content/uploads/2020/09/20200131kokugo.pdf

7 関連資料

【書籍】
デザインあ あなのほん(NHKエデュケーショナル)
なぜ?どうして?みぢかなぎもん二年生(学研プラス)
ふしぎの図鑑(小学館の子ども図鑑プレNEO)(小学館)

8 記事執筆者のプロフィール

yojima satoe
元公立小学校教諭。
教育・子育て関連のWEBライターとして活動中。
好きなことは「本を読むこと」「食べること」。

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EDUPEDIA認定ライター

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