いじめ・不登校のメカニズム その1

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作成者: 深美隆司さん

1 いじめ・不登校のメカニズム その1

(相次ぐ「いじめ」による自死)

2007年、文部科学省は学校において起こる「いじめ」を次のように定義しています。「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」これまでに、多くの子どもたちが「いじめによる自死」でかけがえのない命を失ってきました。わたくしが教員になった1979年以降まで遡ると、4回にわたって大きく社会問題となっています。それぞれの象徴的な事件が下記のものです。

1986年 東京都N区F中学校 SHさん
      http://yabusaka.moo.jp/sousikigokko.htm

1994年 愛知県N市T中学校 OKさん
      http://yabusaka.moo.jp/okouchi.htm

2006年 福岡県C町M中学校 MKさん
      http://yabusaka.moo.jp/miwatyu.htm

2011年 滋賀県大津市の事件〔2012年に社会問題化〕
        (引用したサイトhttp://yabusaka.moo.jp/index.htm

わたしの32年間の教員生活をふりかえると、数多くの「いじめ」と判断されるケースに遭遇してきました。そのたびに、被害者・加害者とその周りの子どもたちの話を聴き、自分なりに解決に努力し、その解消をめざしてきたのだと思います。しかし、その当事者にとってみれば、ほんとうにそうだったのか? と問いかけていくと、100%の自信はありません。心の傷を癒し、次に向かって新たなスタートを切る力を育てることができたのか。人生にとって大きな痛手を受けたのではないか。等々、当事者や保護者の方々への気持ちを、あらわにすることは、ほんとうに難しいものだと感じています。きっと、それは、「いじめによる自死」という氷山の下に隠れた否定することのできない事実だったと思うのです。

わたしは、このことを胸にしっかりと刻み、今の仕事を続けたいと思っています。わたしの原点はここにあると・・・。

(わたしの体験から)

わたしは、中学2年生のとき、ほぼ半年間にわたっていじめを受けた経験があります。きっかけは、あるひとりの級友が数人の男子により殴る蹴るの暴行を受けていたことを目の当たりにしたとき、反射的に「やめとけ!」と止めに入ったことでした。次の日から、クラスのほぼ全員から「無視」され、「きしょ(気持ち悪い)」と陰口をたたかれました。気づいているはずの担任の先生は、何もしてくれませんでした。この経験により、わたしは教師になることを決意しました。今だからわかるのですが、当時のT市立T中学校は、まさに「荒れて」いたのです。

学校が落ち着いていないと、子ども達は様々な不利益を被ることになります。授業はもちろん日々の生活にいたるまで、常に「身構え」「防御して」「反撃する」体勢を整えておかねばなりません。まるで、戦いの場にいるような感覚だったでしょうか。このT中学校で、わたしが卒業して数年後、いじめによる自死が起こりました。作家である金賛汀氏がこのことを「遺書のない自殺」という書籍でレポートしてくれています。

事件のあらましhttp://yabusaka.moo.jp/takaishi.htm

わたしの娘は、地元の公立高校に進学したのですが、入学してまもなくいじめにあうようになりました。きっかけは、すでにいじめのターゲットになっていたひとりの生徒に対して、「ふつうに声をかけてしゃべっていた」ということだったのです。娘曰く「そういうのがイヤだったから・・。」わたしは、「なんで、自分と同じことを・・」と嘆くとともに、そんな娘に誇りさえ感じました。しかし、事はそんなことで収まりません。娘へのいじめがエスカレートしていったのです。自分なりに向き合ってきましたが、2年生の5月、ついに彼女がギブアップしてしまったのです。ストレスは身体と心を蝕み限界に近い状態でした。わたしは、娘の話を聴き、転校を勧めました。八洲学園の沖縄校でした。わたしは、鳳商業(八洲学園の前身)当時からの知り合いだった宮長校長先生(当時)に娘のことを託しました。今では、娘は転校して良かったと言ってくれます。多様な個性をもった子どもたちとの出会いが彼女を成長させてくれました。

「よく生きていてくれた。」わたしは、心の中で娘に感謝しています。

八洲学園大学国際高等学校 

http://study.jp/hs/yashima/index.asp

わたしは、このような経験から1979年に教員になりました。3年前にその教員を退職し、今、学校コーディネーションや教員研修などの仕事をしていますが、「いじめ」を許さない、「いじめ」「不登校」を解消するということを肝に銘じて仕事をしています。しかし、「いじめ」や「不登校」というものは起こってしまえば、少なからず当事者、保護者は傷つくのです。できることなら、そうならないほうがいい。これが「いじめ」「不登校」未然防止の教育なのです。人間としての個性や力を発揮させる教育、もとはといえば教育本来の目的であると言えます。

そのために、「いじめ」「不登校」のメカニズムを解明していくことは、必須のことであるのです。

その2へつづく

http://edupedia.jp/entries/show/1564

関連記事)

Q−Uが「いじめ」の解決に役立つ理由

http://edupedia.jp/entries/show/1542

いじめ・不登校の未然防止(人間関係プログラムの力・・・松江市立第一中学校の実践より) 

http://edupedia.jp/entries/show/1549

いじめ・不登校のメカニズム その2

http://edupedia.jp/entries/show/1564

いじめ・不登校のメカニズム その3

http://edupedia.jp/entries/show/1607

あいあいネットワークofHRS

http://www.aiainet-hrs.jp

図書文化社HP

http://www.toshobunka.co.jp/books/detail.php?isbn=ISBN978-4-8100-3636-7

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