1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
2 実践内容
谷川俊太郎さんの詩に「いるか」という作品がある。これを使って音読を楽しむ授業をおこなった。
「いるか」 谷川俊太郎
いるかいるか いるかいないか
いないかいるか いないかいるか
いないいないいるか いるいるいるか
いつならいるか いっぱいいるか
よるならいるか ねているいるか
またきてみるか ゆめみているか
詩が黒板に書き始めると同時に、子どもたちは口々に「いるか、いるか?」ぶつぶつ言いながら読み始める。一連を書いたところで、次のように尋ねた。
一連の中に、動物のいるかは何回出てくるでしょうか?
「いるか」という言葉は、六回出てくる。しかしこの六つ全てが動物のいるかをさすのかどうかが問題になった。
<全てが動物の「いるか」ではない >
- 「いるか」には、いるかい?っていう質問の意味の「いるか」がある
- 四行目の「いるか」は違うと思う。
- 「いない」と似ている「いるか」がある。
こうして話し合っていくうちに、全てが動物のいるかではないことが分かった。次に二連を黒板に書く。やはり書くと同時に「いるか、いるか…」と読み始めた。
先と同じように、尋ねてみる。
二連の中に、動物のいるかは何回出てくるでしょうか?
第一連で同じことを考えているので、今度はそれほど悩むことはなかったが、いろいろな考え方ができる。はっきりとした正解がないことを説明してから、音読をすることにした。
動物のいるかに気をつけて「いるか」を読んでみよう。
子どもたちは元気よく音読することができた。似た言葉が何も出てくるので「こんがらがっちゃう!」と叫んでいる子がいた。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
5 編集後記
「いるか」という言葉が何度も出てくる、谷川俊太郎さんの有名な詩です。言葉の響きや意味の違いといった、奥深い面白さを楽しみながら音読できる実践です。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 内藤かおり)
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