教師としての心構えと学級経営のポイント

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作成者:岡本 佳菜子 (Edupedia編集部)さん

1 はじめに

神奈川県逗子市で35年間小学校教諭をされた、梅原幸子先生に教師や教師志望の学生に対するメッセージを伺いました。

2 学級経営で大切にしてきたこと「3つのAと3つの共同」

梅原先生は、子どもの状態が不安定であればあるほど、クラス作りの大きな目標として、以下の「3つのAと3つの共同」を特に大切にされてきました。

3つのA「安全(anzen)」「安心(ansin)」「愛(ai)=信頼」

子どもが互いに愛情を持って、信頼で結ばれたクラスは、どの子にとっても教室の中の居心地が良いです。つまり、教室が子どもにとって安全で安心できる場所になります。教師は安全で安心できるクラスを作るために、子どもたちの間に入り、子どもたち同士の信頼を強くしていくことが求められます。

3つの共同「子どもと保護者、同僚との共同」

3つのAを実現するためにも大切なことが、子どもの胸の内にしっかりと耳を傾けることです。子どもの言っていること、やっていることに真剣に向き合い、子どもが今何を要求し考えているかを知ります。そしてそれを自分の教育実践の軸にすることで、授業作りにも大いに役立ちます。
 また、子どもは学校だけでは育ちません。保護者との共同がなければ教育は片手落ちになります。そのためには保護者の要求にもよく耳を傾けることが大切です。それは保護者の言いなりになるということではなく、保護者の教育方針を聞き、こちらの教育方針と合意しながらやっていくということです。課題の共有です。また、子どもの喧嘩などで保護者同士にトラブルが起こらないよう、教師は保護者の間に立ち、保護者同士をつなげていくことも大切です。
 同僚との共同もまた、必要なことです。良い学級経営をするには、子どものことがフランクに話せる学年経営が大切になります。先生同士でも学び合い、向上・前進していけるといいですね。

3 教師になって良かったと思う出来事

退職数年前に転勤して5年生のクラスの担任になりました。その学年はいじめなどがかなりひどい学年で、本気で辞めようとも考えました。しかし、何とかしなければという気持ちで学年の先生と協力し、なぜ人間は学ぶのか?といったような道徳と国語を中心に総合的な授業を学年全体で行いました。一人ひとり、力を持っているのに、結集できていなかった子どもたちに、その力を発揮させることで、大きなうねりを作り、集団は大きく変わりました。このような出来事は教員としてやりがいもあり、良かったと思います。

4 教師になる上での心構え

  • とにかく、私たちは魔法使いではない。子どもは人格を備え持った人間です。そうそう上手いこと教師の思う通りにはなりません。また、なったらこれも困ります。
  • 教師は専門職というが、特に小学校の教師はたくさんの雑学を持っていること。中学校でも専門知識は必要だが、むしろたくさんの雑学をもって児童・生徒の興味、発する言葉に応えていこう。それが専門的な知識をいかすことにも繋がります。
  • 社会情勢に敏感でありたい。なぜなら、家庭の状況はこの社会に大いに左右されることが多いからです。子どもの見えている姿からその奥にある家庭を見つめることができるから。
  • 学び続けてほしいです。生活作り(生活指導)と授業は車の両輪です。毎日おもしろおかしいことをしていても本当の学びがなければ思慮深い人間は育ちません。思考するということは人を育てることです。具体的に言うと、好奇心が強くなります。探求したくなります。粘り強く関わります。他人から学ぶことが当たり前になります。学び喜びを感じることができます。共に学ぶ良さと喜びを享受します。自己充実、自己実現を図ります。これは自己肯定に繋がります。
  • 教材を作れる教師になってほしいです。赤本をもとに授業を行う教師が増えています。授業は自分の関わっている児童、生徒の実態把握をし、実態を考慮した教材を使って授業してほしいです。そのような授業は子どもに学ぶことの楽しさと意欲的な学びを創ります。
  • 恋をしましょう。感性が合う人といっしょに生活することは楽しいです。人を愛し、愛した人と結婚し子どもを生み育てる。こんなにも素敵なことはありません。人を愛することは、教育の基本です。

5 編集後記

教員志望の学生にとって、学校現場を知ることは重要なことだと思います。梅原先生に取材をすることで、大学の授業では学べないことを知ることができました。
梅原先生の実践として、保護者の方に授業をしてもらうというのがあります。保護者の方が授業をされるのは普段の授業とは雰囲気が異なると思います。だからこそ、子どもたちは意欲的になるでしょうし、他の保護者の方も興味を持つのではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 白川真帆)

梅原先生は保護者との共同として、他にも2、3日に一回学級通信を出し、子どもの学校での様子を頻繁に伝えたり、子どものお母さんに出産時の経験から生きることの大切さを教える授業をしてもらったりなど、保護者との関わりを非常に大切にされていました。教師一人ですべてを抱えることはできません。改めて、教育には家庭や他の教師、社会との協力がなくてはならないのだと思いました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 岡本佳菜子)

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