「ぼくは川」(阪田寛夫)詩の授業 ~嗚呼、川の流れのように!~

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詩「ぼくは川」(阪田寛夫)の授業案です。
個が芽生え始める4年生のような川。流れる様子から伝わる心情や言葉のおもしろさを感じられる、迫力ある作品です。

目次

1 学習計画

1、詩を音読し、気になった言葉を出しあう。
・技法(繰り返し・擬人法など)、難しい言葉、ひらがな表記

2、言葉に注目しながら、場面の様子やぼく(川)の心情を想像する。
・教科書に想像したことや川の台詞などを書き込む。
・発問で想像を広げる。
・絵で表す。

3、詩「忘れもの」と比べて、自分の好きな詩や表現を交流する。

2 学習の様子


 (「ぼくは川」の書き込み例)

◆発問と反応例

気になった言葉はある?

おもしろいな、変だなと思うところはあった?

この詩は何連ですか?

二連

一連にある動きは?

ひろがる、のばす、うるおす、くねる、うねる、ほとばしる、とまらない

ひらがなで書いてるから、川の流れみたい
難しい言葉なのに、ひらがなで書いてるのが気になる

一連の川の流れは速い?遅い?

速い
速かったり、遅かったり
周りを見ながら旅してるみたい

二連にある動きは?

のたうつ、渇く、光らせる、ほとばしる
なんかカッコいい

一連と二連の違いは?

一連は強く動いてる、成長してる感じ
二連は苦しんでる、成長が止まったみたい
スポーツでも、うまくいかない時期がある

二連では、何を考えながら流れてる?

一人ぼっちは寂しいな
月と太陽が混ざるくらい、ずーっと流れてる
世界は広いなぁ
自分もそんな世界の一部で嬉しい
あたらしい明日が楽しみ

ぼく(川)は何歳くらいですか?

若い
大人になる前

ぼく(川)は、どこに向かってますか?

未来
どこに向かってるか分からないけど、明るい未来を信じて進んでる

この詩は何色の様子が浮かびますか?

青春、赤い、黒い、水色

色からどんな思いが浮かびますか?

成長の途中、激しさ、力強さ、命を燃やす、未来、一人ぼっち、純粋

最後の二文の繰り返しから、何が伝わってくる?

叫んでる、絶対に負けないぞ、諦めない、強い気持ち、

ぼくが川?それとも川がぼく?

川の気持ちを言ってる
ぼくが川みたいに生きたい
川に憧れてる

全体を通して、ぼく(川)の気持ちは?

自由
自分の意思で進む
力強い
つらくても諦めない
孤独
前進あるのみ!
死ぬまで自分らしく生きる
あたらしい景色の期待と不安
周りの人のためになりたい
ゴールが見えない
プロセスを楽しむ

◆「忘れもの」「ぼくは川」2つの詩を比べる 

(「忘れもの」の書き込み例)

「忘れもの」の授業案はこちら

2つの詩のちがいは?

「忘れもの」は、後ろを向いてる(でも、前も向こうとしてる)。子どもらしい。時間がゆっくり。

「ぼくは川」は、ずっと前を向いてる。大人みたい。激しい。

2つの詩の似てるところは?

つらいこともあるけど、前向きな気持ち
成長とか憧れ
身近なテーマだけど中身は深い

3 おわりに

今回の記事では、詩の読み取りを中心に書きました。 授業の中で、感じたことを書いたり話したりする活動がありましたが、「書いていない・話さない、は何も感じていないとは限らない」ということに気をつけて、子どもの読む体験を大事にしたいと思います。 
 大人でも一読で感想を求められたら「うん、よかったかな」となってしまうことも、ありますよね(笑)

最後に、本作品を読んで浮かんだ詩を紹介します。

「ぼくは雪」
しんしんふって
おちていく
道も草も白くして
ふって ふかれて ふりつもり
ふまれても またつもる

ぼくは雪
雨がしみたり
陽に照らされたり
それでも白くあり
空から友を待ち続ける
この冬だけは渡さない
この冬だけは渡さない

4 関連

「忘れもの」(高田敏子)詩の授業~キミの名は?~

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