中学地理〜地球の緯度と経度〜(自主学習用教材「こころの窓」第3回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第3回「地球の緯度と経度」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

元気にしてますか。今日も一緒に勉強しましょうね。

今日のお題は「地球の緯度(いど)と経度(けいど)」です。

北緯(ほくい)35度、東経(とうけい)140度、といういい方を聞いたことはありますか。これは地球の国や都市の位置を表す言い方なのです。そこで今日はまず、緯度(いど)と緯線(いせん)についてお話しします。下の図を見てください。

緯度は赤道を基準に0度として、北と南にそれぞれ90度に分けて引かれた線のことです。そして、赤道より北を北緯(ほくい)といい、南を南緯(なんい)といいます。だから日本はだいたい北緯30度から45度位の間に入るのです。そして、すべての線は赤道に平行に引かれているのです。もちろん、地図の上に引かれているだけですよ。

次に経度(けいど)と経線(けいせん)についてお話しします。下の図を見てください。

経度とは、イギリスのロンドンを通る、本初子午線(ほんしょしごせん)を0度として、ここを基準に東と西にそれぞれ180度ずつに分けて引かれたものです。そして、本初子午線より東側を東経(とうけい)といい、西側を西経(せいけい)と言うのです。それから、同じ経度のところを線でむすんだものを経線(けいせん)というのです。世界地図に立てに引かれている線です。だから、日本や中国は、本初子午線より東側にあるので、東経何度ということになります。また、アメリカ合衆国は、本初子午線より西側にあるので、西経何度ということになるのです。

ところで、緯線は赤道が基準となっていることは分かるのですが、経線はなぜイギリスのロンドンが本初子午線として基準になっているのだと思いますか。これはね、今から150年ほど前に、万国本初子午線会議というものが開かれました。その当時はイギリスが世界で最も強い国だったので、イギリスの子午線が世界の子午線になったようです。

また、日本は赤道って言いますが、これは中国の天文学で太陽が真上を通る道という意味からつけられたようです。ちなみに赤道は英語ではイクエイターといい、真ん中という意味があるようです。地理もいろいろ調べるとおもしろいですね。

では、そろそろ復習問題に行きましょう!

復習問題

1.緯度や緯線の意味について説明してください。

緯度は赤道を基準に0度として、北と南にそれぞれ90度に分けて引かれた線のことです。そして、赤道より北を北緯といい、南を南緯といいます。だから日本はだいたい北緯30度から45度位の間に入るのです。そして、すべての線は赤道に平行に引かれているのです。

2.経度や経線の意味について説明してください。

経度とは、イギリスのロンドンを通る、本初子午線を0度として、ここを基準に東と西にそれぞれ180度ずつに分けて引かれたものです。そして、本初子午線より東側を東経といい、西側を西経と言います。そして、同じ経度のところを線でむすんだものを経線といいます。世界地図に立てに引かれている線です。だから、日本や中国は、本初子午線より東側にあるので、東経何度ということになります。また、アメリカ合衆国は、本初子午線より西側にあるので、西経何度ということになるのです。

3.なぜ経度の基準が、イギリスのロンドンを通る線になっているのですか。説明してください。

今から150年ほど前に、万国本初子午線会議というものが開かれました。その当時はイギリスが世界で最も強い国だったので、イギリスの子午線が世界の子午線になったようです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第3回「地球の緯度と経度」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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