中学地理〜北海道の自然〜(自主学習用教材「こころの窓」第61回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第61回「北海道の自然」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓を開けてくれてありがとう。ではボチボチ始めましょう。

今日のお題は「北海道の自然」です。

美しい自然に恵まれた北海道は、日本で唯一(ゆいいゆ)の冷帯(れいたい)に属します。そのために冬の寒さは非常に厳しいです。内陸では気温がマイナス30度になるところもあります。また、太平洋側は、夏に南東の暖かい季節風が吹くのですが、この風が寒流である親潮によって冷やされることで、ものすごい広い範囲に濃霧(のうむ・・・深い霧)が発生するのも北海道の特長です。さらに、北のオホーツク海に面した知床半島などには、流氷(りゅうひょう・・・氷のかたまりが流れ着いたもの)が押し寄せてきます。これも北海道ならではの自然の特長です。その他、北海道にも大雪山(だいせつざん)や有珠山(うすざん)などの火山が多く、その周りにはたくさんの温泉があります。

また、北海道は雪が多く寒さが非常に厳しいので、いろいろなところで本州とは違った工夫がされています。たとえば、家を見ると、雪が積もりにくくするために屋根に急な傾斜がついています。さらに、外の冷たい空気が入って部屋の中の温度が下がらないように、ほとんどの家は二重の玄関や二重の窓ガラスになっています。さらに最近では、太陽光エネルギーを利用して屋根の雪を自動的に溶かす方法が取り入れられています。もちろん壁には分厚い断熱材(だんねつざい)が入って家を保温しています。その他には、道路に雪が吹き付けないように防雪柵(ぼうせつさく)といったものや、雪に埋まって道路と溝の堺が分からなくなるので、路肩(ろかた)を示す標識がいたる所にあります。これがないと雪で埋まった溝に車がはまってしまうのです。滋賀県では考えられないことが、北海道では起こるのです。

しかし、雪に苦しんでばかりではありません。雪を楽しむ工夫もたくさんされています。なかでも一番有名なのが「札幌の雪祭り」です。1950年から札幌の大通公園で、大量の雪を使って雪の像を造りいくつも並べられます。寒さが厳しい冬でも、約一週間開催される雪祭りに、国内外からおよそ200万人の観光客が訪れるのです。人々は、厳しい環境の中でも、知恵をしぼっていろいろな工夫をされているのですね。

はーい。お疲れ。では復習問題に進んでください。

復習問題

1.北海道の自然の特長を紹介してください。

美しい自然に恵まれた北海道は、日本で唯一の冷帯に属します。そのために冬の寒さは非常に厳しいです。内陸では気温がマイナス30度になるところもあります。また、太平洋側は、夏に南東の暖かい季節風が吹くのですが、この風が寒流である親潮によって冷やされることで、ものすごい広い範囲に濃霧が発生するのも北海道の特長です。さらに、北のオホーツク海に面した知床半島などには、流氷が押し寄せてきます。これも北海道ならではの自然の特長です。その他、北海道にも大雪山や有珠山などの火山が多く、その周りにはたくさんの温泉があります。

2.厳しい寒さとたくさんの雪に対する、人々の生活の工夫を紹介してください。

北海道は雪が多く寒さが非常に厳しいので、いろいろなところで本州とは違った工夫がされています。たとえば、家を見ると、雪が積もりにくくするために屋根に急な傾斜がついています。さらに、外の冷たい空気が入って部屋の中の温度が下がらないように、ほとんどの家は二重の玄関や二重の窓ガラスになっています。さらに最近では、太陽光エネルギーを利用して屋根の雪を自動的に溶かす方法が取り入れられています。もちろん壁には分厚い断熱材が入って家を保温しています。その他には、道路に雪が吹き付けないように防雪柵といったものや、雪に埋まって道路と溝の堺が分からなくなるので、路肩を示す標識がいたる所にあります。これがないと雪で埋まった溝に車がはまってしまうのです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第61回「北海道の自然」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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