中学地理〜関東地方の農業とくらし〜(自主学習用教材「こころの窓」第57回)

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目次

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第57回「関東地方の農業とくらし」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。元気にしてますか。ではボチボチ始めましょう。

今日のお題は「関東地方の農業とくらし」です。

関東地方は、関東ローム(火山灰におおわれた赤土の台地のこと)におおわれていたので、昔から米作りには適していませんでした。そのため、早くから畑作がさかんに行われてきました。特に東京を中心に千葉県や埼玉県や神奈川県では、大都市に近いことをいかして、近郊農業(きんこうのうぎょう)が行われています。また、最近では茨城県や栃木県や群馬県などでもさかんになってきました。この近郊農業というのは、大都市周辺で野菜や果物を栽培し出荷する農業のことです。大都市に近いので、作物を新鮮なまま出荷できることと、市場まで近いので輸送費が安いという利点があるのです。

つぎに、大都市の課題とその対策についてお話しします。関東地方は東京を中心に大都市がたくさんありますが、山間部へ行くと人口が減り過疎化(かそか)と高齢化が進んでいます。そこで、過疎化が進んでいる村では、地域の美しい自然を生かした特産品の開発や働き口の確保、住宅の整備を進め、若い人たちが山間部でも生活できる村づくりが行われています。その結果、少しずつですが都市へ出て行った若者が村へUターンしてくる人や、もともと都市に住んでいた人たちが村に移り住むIターンをする人たちが増えてきたのです。

では、最後に東京から少し離れた群馬県と栃木県と茨城県の観光名所などを紹介します。

先ずは群馬県です。ここはなんと言っても一番有名なのが草津温泉です。滋賀県の草津ではありませんがよくまちがわれます。日本を代表する温泉で、世界中から観光客が訪れるところです。そして、世界文化遺産に選ばれた富岡製糸場も有名ですね。明治につくられた日本が産業革命をスタートすることになった工場です。

次は、栃木県です。ここはなんと言っても徳川家康さんがまつられている日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)が有名です。なかでも、「みざる、きかざる、いわざる」の三つの猿がよく知られています。

最後に茨城県です。水戸黄門(みとこうもん)様で有名な、水戸の偕楽園(かいらくえん)がよく知られています。日本には、三大名園(金沢の兼六園、岡山の後楽園と水戸の偕楽園です)があり、そのひとつです。

はーい。お疲れ。では復習問題に進んでください。

復習問題

1.近郊農業について、その特長をまとめてください。

東京を中心に千葉県や埼玉県や神奈川県では、大都市に近いことをいかして、近郊農業が行われています。また、最近では茨城県や栃木県や群馬県などでもさかんになってきました。この近郊農業というのは、大都市周辺で野菜や果物を栽培し出荷する農業のことです。大都市に近いので、作物を新鮮なまま出荷できることと、市場まで近いので輸送費が安いという利点があるのです。

2.関東地方における過疎化と高齢化の問題についてまとめ、その対策の一例をあげてください。

関東地方は東京を中心に大都市がたくさんありますが、山間部へ行くと人口が減り過疎化と高齢化が進んでいます。そこで、過疎化が進んでいる町では、地域の美しい自然を生かした特産品の開発や働き口の確保、住宅の整備を進め、若い人たちが山間部でも生活できる村づくりが行われています。その結果、少しずつですが都市へ出て行った若者が村へUターンしてくる人や、もともと都市に住んでいた人たちが村に移り住むIターンをする人たちが増えてきたのです。

3.群馬県、栃木県、茨城県の中から一つ選んで、観光名所などの紹介してください。

群馬県
ここはなんと言っても一番有名なのが草津温泉です。日本を代表する温泉で、世界中から観光客が訪れるところです。そして、世界文化遺産に選ばれた富岡製糸場も有名ですね。明治につくられた日本が産業革命をスタートすることになった工場です。
栃木県
ここはなんと言っても徳川家康さんがまつられている日光東照宮が有名です。なかでも、「みざる、きかざる、いわざる」の三つの猿がよく知られています。
茨城県
ここには水戸の偕楽園がよく知られています。日本三大名園のひとつです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第57回「関東地方の農業とくらし」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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