中学地理〜北海道の農業と漁業〜(自主学習用教材「こころの窓」第62回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第62回「北海道の農業と漁業」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もこころの窓を開けてくれてありがとう。では一緒に始めましょう。

今日のお題は「北海道の農業と漁業」です。

北海道には大きな石狩(いしかり)平野がありますが、この平野は気温が低く土の栄養分の少ない泥炭地(でいたんち)が広がっていました。そのために、米を作ることができなかったのです。しかし、明治になって開拓史(かいたくし・・・開拓のための役所)が札幌に置かれ、石狩平野で米作りができるように開発が進められていきました。たとえば、水はけを良くするために用水路をつくったり、別の場所からも米づくりができる土を運んできたり、寒さに強い米の品種改良が行われてきました。そして、およそ100年の年月をかけて、ようやく石狩平野やその他の北海道の地域で米作りができるようになったのです。今では、北海道は日本を代表する米どころとなり、「ゆめぴかり」や「ななつぼし」といわれる北海道産の銘柄(めいがら)の米が日本中に販売されています。

次は北海道の畑作です。作物づくりに適さない北海道で、畑作を広げたなかの一人に、アメリカ人のクラーク博士がいます。この人は、アメリカのマサチューセッツ大学の学長だったのですが、明治政府に頼まれて札幌農学校に教頭先生として日本にやってきました。彼はアメリカの農業を北海道に教えに来たのです。わずか8ヶ月しかおられなかったのですが、北海道の畑作に大きな貢献(こうけん)をされ、帰るときに学生達に「少年よ、大志を抱け」という有名な言葉を残した人です。

下のグラフを見てください。てんさいは北海道で採れる砂糖の原料です。その他、ジャガイモや小麦の生産はすべて北海道が日本1位なのです。これだけたくさんの作物が、北海道では栽培されるようになったのです。

次に、北海道の漁業についてお話しします。もともと北海道は、オホーツク海やさらに北のベーリング海などで北洋(こくよう)漁業が行われ、たくさんのさけやたらを捕っていました。しかし、経済水域の問題で魚が捕れなくなってしまいました。そこで、将来にわたって安定して魚介類を捕るために、養殖業や栽培漁業が行われるようになりました。下のグラフを見ると分かりますが、たら、さけに加え、こんぶやホタテなどは、北海道を代表する魚介類としてたくさん栽培されるようになったのです。

お疲れ様。では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.100年の年月をかけて取り組まれた、北海道の米作りを紹介してください。

北海道には大きな石狩平野がありますが、この平野は気温が低く土の栄養分の少ない泥炭地が広がっていました。そのために、米を作ることができなかったのです。しかし、明治になって開拓史が札幌に置かれ、石狩平野で米作りができるように開発が進められていきました。たとえば、水はけを良くするために用水路をつくったり、別の場所からも米づくりができる土を運んできたり、寒さに強い米に品種改良が行われてきました。そして、およそ100年の年月をかけて、ようやく石狩平野やその他の北海道の地域で米作りができるようになったのです。今では、北海道は日本を代表する米どころとなり、「ゆめぴかり」や「ななつぼし」といわれる北海道産の銘柄の米が日本中に販売されています。

2.北海道の畑作の特長をまとめてください。

てんさいは北海道で採れる砂糖の原料です。その他、ジャガイモや小麦の生産はすべて北海道が日本1位なのです。これだけたくさんの作物が、北海道では栽培されるようになったのです。

3.北海道の漁業についてまとめてください。

もともと北海道は、オホーツク海やさらに北のベーリング海などで北洋漁業が行われ、たくさんのさけやたらを捕っていました。しかし、経済水域の問題で魚が捕れなくなってしまいました。そこで、将来にわたって安定して魚介類を捕るために、養殖業や栽培漁業が行われるようになりました。たら、さけに加え、こんぶやホタテなどは、北海道を代表する魚介類としてたくさん栽培されるようになったのです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第62回「北海道の農業と漁業」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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