中学地理〜東北地方の産業とくらし〜(自主学習用教材「こころの窓」第60回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第60回「東北地方の産業とくらし」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日も元気ですか。ではボチボチ始めましょう。

今日のお題は「東北地方の産業とくらし」です。

東北地方は昔から農業が中心で、大きな工業地域はほとんどありませんでした。そのために、農業ができない冬の時期は、たくさんの人たちが関東方面に出稼ぎに来ていました。しかし、1990年頃になると、東北新幹線や東北自動車道が整備されたので、大規模な自動車工場が岩手県から宮城県にかけて建設されました。特に、トヨタ自動車は、小型車やガソリンと電気で走るハイブリット車に力を入れ、たくさんの工場を建設したのです。その他にも、電子部品や情報通信機械などの工場が次々と建設され大きな工業地域として発展していったのです。

またこれとは別に、東北地方には古くから伝統産業がたくさんあります。なかでも、福島県の会津塗り(あいづぬり)や山形県の天童将棋駒(てんどうしょうぎごま)、岩手県の南部鉄器(なんぶてっき)などは、昔からの伝統を守りながらつくり続けられています。しかし、伝統産業を支える職人さんが高齢化し、後継者不足という課題に直面しているところもあります。

では最後に東北地方の観光名所を紹介します。下の絵を見てください。これは宮城県の日本三景の一つである松島です。日本三景とは、広島の宮島と京都の天橋立とこの松島です。海に突き出た半島の横にたくさんの小さな島々があり、この美しい海に浮かぶ島々は絶景です。

次は、山形県にある銀山温泉(ぎんざんおんせん)を紹介します。日本の大正時代にタイムスリップしたような温泉旅館と風景がすばらしいです。道には電灯ではなくガス灯が設置され、その明かりはまるで映画のワンシーンを思わせるような所です。

次は、岩手県の平泉(ひらいずみ)にある中尊寺金色堂(ちゅうそんじこんじきどう)です。平安時代後期に東北地方を統一した奥州藤原氏(おうしゅうふじわらし)の初代藤原清衡(きよひら)によって建てられました。鎌倉時代に入ると源頼朝(みなもとのよりとも)が、弟の義経(よしつね)と弁慶(べんけい)をこの平泉で殺し、その後、4代にわたって繁栄した奥州藤原氏も頼朝によって滅ぼされてしまいました。しかし、黄金に輝くこのお寺とお堂は大切に残され、平泉の文化遺産として2011年に世界遺産に登録されたのです。そのために、今では世界中からたくさんの観光客が訪れています。

お疲れ様。では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.東北の自動車産業について、簡単にまとめてください。

1990年頃になると、東北新幹線や東北自動車道が整備されたので、大規模な自動車工場が岩手県から宮城県にかけて建設されました。特に、トヨタ自動車は、小型車やガソリンと電気で走るハイブリット車に力を入れ、たくさんの工場を建設したのです。その他にも、電子部品や情報通信機械などの工場が次々と建設され大きな工業地域として発展していったのです。

2.東北の伝統産業についてまとめてください。

東北地方には古くから伝統産業がたくさんあります。なかでも、福島県の会津塗りや山形県の天童将棋駒、岩手県の南部鉄器などは、昔からの伝統を守りながらつくり続けられています。しかし、伝統産業を支える職人さんが高齢化し、後継者不足という課題に直面しているところもあります。

3.東北地方の有名な観光地を一つ選んで紹介してください。

宮城県の日本三景の一つである松島
日本三景とは、広島の宮島と京都の天橋立とこの松島です。海に突き出た半島の横にたくさんの小さな島々があり、この美しい海に浮かぶ島々は絶景です。
山形県にある銀山温泉
日本の大正時代にタイムスリップしたような温泉旅館と風景がすばらしいです。道には電灯ではなくガス灯が設置され、その明かりはまるで映画のワンシーンを思わせるような所です。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第60回「東北地方の産業とくらし」

ほかの単元の記事もご覧になりたい方はこちら

4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

1
60-1.jpg

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA