この物語では「よい行いをすればよい報いがある」という恩返しとして読ませるのではなく、じいさまとばあさまの心の交流を中心に読みとらせたいと考えた。
書き込みノートを与えて、語句や感想など調べ学習を事前におこなった。音読を何度かおこなったあと、最初の一文を取り上げた。
”むかし むかし あるところに じいさまとばあさまが ありましたと。”この文の中には、どこかおかしく感じるところがあります。どこだと思いますか?
教科書は正しいと思いこんでいる子どもたちは、この発問に少しびっくりした様子である。何度か文を読み返して、”ありましたと”に気がついた。
”ありましたと”がおかしい
- この書き方じゃ、何だか物みたい。
- 人間じゃないみたい。
- すんでいました、の方がいい。
”おりました”の替わりに、どんな言葉がいいと思いますか?
- いました。
- すんでいました。
”いました”が一番人気がたかったのであるが、民話は時々このように書くことを教えた。2文では、”びんぼう”という言葉が問題になった。そこで、文のどこから貧乏とわかるのか言葉さがしをおこなった。
じいさまとばあさまが、貧乏なことがわかるのは、どこですか
子どもたちは、目をまん丸くして、教科書の文とにらめっこしている。合わせて、4〜5つの文や語句を探すことができた。
4文”ああ、そのへんまで、お正月さんがござらっしゃるというのに、もちこのよういもできんのう”では、次のことを問題として取り上げた。
おじいさん・おばあさんが用意できなかったのは、もちこだけだろうか?
もちこだけ という考えは、0人であった。
もちこのほかにもある 32人
- にんじん、だいこん、ごんぼ、うす…
- ”もちこのよういも”とあって「も」と書いてあるから、もちの他にもある。
もちこ以外にも用意できないものがあることに気がつくことができた。特に、助詞「も」の意味ついて理解したようである。
出典:シリウス/静岡教育サークル http://homepage1.nifty.com/moritake/index.htm
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