はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
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計算のきまりを見つける
式と計算の単元では( )使った計算、加減乗除について学習する。
この計算のきまりを自分たちで見つける学習をした。
4つの3を使っていくつの数字を作られる
4つの3と+、−、×、÷を使って、0~9の数を作ることができます。いくつ作られるか挑戦してみよう。
答えがひとつではないから、パズルのようでもあり、子どもたちはやる気全開である。こんな式を考えた。
- 3×3+3−3=9
- 3+3−3−3=0
- 3×3−3−3=3
- 3×3+3÷3=4
- 3+3−3÷3=5
- 3−3+3÷3=1
- 3+3+3−3=6
- 3÷3+3÷3=2
- 3−3+3−3=0
- 3÷3+3−3=1
この時点で、まだ子どもたちは( )や加減乗除の順番についてはわかっていない。
黒板に書かれた式を見て、あれこれ議論が起こっている。
特に問題になったのは次の式であった。
- 3×3−3÷3
子どもたちは、式を見てあれこれ議論を始めたので、このように答えがいくつになるのかはっきりしないものをみんなで考えることにした。
3×3−3÷3 の答えはいくつでしょうか?
ほとんどの子が〈2〉と考え、一人だけが〈8〉と考えた。
- 3×3−3÷3 3×3=9 9−3=6 6÷2=2 答え2
- 3×3−3÷3 3×3=9 3÷3=1 9−1=8 答え8
下のやり方について、どうやってやったのか、この子がやったことがわかるかな?
と聞いてみると
- ( )を使って、3÷3を先にやった。
- 3×3=9 3÷3=1 ×と÷の間に−があるから、9−1=8
このように、やりたいことが理解できたようであった。
ここで教科書を見せて、定義を教えた。
( )を使うと、一番初めに計算できる
( )の意味がわかったところで、先生から挑戦問題。
3+3÷3+3 を( )を使って、1にしてみよう。
これにはすぐに気づくことができた。
( )を2回使う。
- (3+3)÷(3+3) 6÷6=1
3+3÷3+3( )を使って、5にしてみよう。
似たような問題であったが、こちらの方がやや難しかった。
最初にできた子はヒーローだった。
- (3+3)÷3+3=5 6÷3+3 2+3=5
計算のきまりが必要になる
ここでもうひとつの計算のきまりに気づかするために
3+3÷3+3の本当の答えは7です。どういう順番で計算すると7になるでしょう。
「うーん」と計算する順番を考えていたが、やがて閃いたようである。
- 3+3÷3+3 3÷3=1 3+1+3=7
わり算を初めに計算すると、7という数値が出ている。
|×と÷の方が、+と−より先に計算する|
という計算のきまりを教えた。
ここで初めに問題になった、3×3−3÷3をもう一度考えてみた。
×÷の方がが、+や−より早く計算するわけであるから、9−1=8となる。
3×3−3÷3 3×3=9 3÷3=1 9−1=8
2つのきまりを確認したところで、
3+3−3×3だと答えが−3になってしまいます。どうしたら9になれるでしょう。
- (3+3−3)×3
2つのきまりを使った式を考えた。
3×3+3÷3=10なども間違えやすい式である。
プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

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