1.1 概要
本授業は、2012年2月24日に港区立青山小学校において行われた研究発表会「生きてはたらく活用力を育む教育課程の創造」内で行われたものです。http://www1.r4.rosenet.jp/aoyama-ea/
1.2 目標
- 造形活動を楽しみ、豊かな発想をするなどして、体全体の感覚や技能などを働かせるようにする。
- 発想や構想、創造的な技能などの造形的な能力を向上させる。
1.3 評価基準
図工への意欲・関心・態度
⇒ 生活のなかで感じたことから、表したい内容を見つけて表現している。
発想や構想の能力 ⇒ 生活のなかで感じたことを思い出し、それに合った形や色について考えている。「がんばろう」と思えたときや場所・言葉などを思い出し、話すことができる。
表したい場面の感じを思い浮かべて、イメージを広げ、書き加えたいことを思いつくことができる。
創造的な技能 ⇒ 生活のなかで感じたことから、表したいことが分かるように、色や形を考え工夫して表している。⇒ 表したいことがよく分かるように、描画材の使い方を工夫している。
鑑賞の能力⇒ 感じたことや思ったことを話したり、友人の話を聞いたりして、作品の楽しさを感じている。
1.4 単元について
気持ちを込めながら楽しく作る活動を設定する。
発想
6年生の卒業を意識させて、新たな環境で生活する仲間に、応援や感謝の気持ちを伝えるための工夫を考えさせる。
絵本「私のワンピース」を用いて、背景と洋服を関連して制作する活動を設定して、テーマに沿った発想を広げていく。
創造
描く対象である自分の体を触って確認さえ、正確に描く。 さまざまな描画材の特徴を知って、伝えたい気持ちを表すのに必要な色や形を工夫して表せるようにする。 初めて触れる液体粘土と絵具が、既習の鉛筆やクレヨン・マーカーとは 異なる描きの可能性を児童が感じ取れるように、素手で扱わせる。 白段ボール(110×90cm)を用意して、作った色で大きく、躍動感のある 自身を描けるように、体全体を使って表現する楽しさを感じてもらう。
1.5 生きてはたらく活用力を育む指導
児童の実態から
図工の学習で、材料と大きなテーマを与えられると、どのような工夫をしようか
楽しく相談しながら制作に取り組む姿が見受けられる
しかし、次のような事態が見受けられることが多い。
- 会話は作風の似ている者同士で行われていることが多く、完成作品の雰囲気も似ている。
- 小さく細やかに工夫して制作するのを好む児童が多く、小ぶりな完成作品が見受けられる。
そこで、発想を広げてのびのびと制作することができるように、いろいろな形や大きさの紙や材料を用意すると、必要な材料を求めての活動・相談をする機会が増え、さまざまな子どもたちと交流するようになってくる。
さらに教科書の参考作品や友人の完成作品などを鑑賞後は、その作品のよさや工夫、大きさについて気づきを話したり、発表したりすることができるようになる。
思考を生かす情報活用・言語活動の工夫
感覚や技能を働かせる工夫
- 体全体の感覚を働かせるために、材料の液体粘土と絵具の混色から描きまでを素手でおこなわせる。(色づくりでは、予想されうる児童の大きな動きにも対応できるような準備を)
- 画材を、視覚だけではなく、思いきり体感して味わい、とらえることができる活動をする。
- 活動中、思いついたこと・感じたこと・「こんなことができそうだ」という考えを語らい、共有できるような機会を設ける。
- 良いつぶやき・考えは全員で共有できるような場を設ける。
- 子どもたちが触覚を生かし、納得いくまで色作りをできるように十分な時間を確保しておき、じっくりとその子らしい表現ができるようにしてあげる。
豊かに発想を広げていく工夫
- 参考作品の背景と洋服が関連している挿絵とストーリーを示して、場所・洋服作りのヒントを与える。
- 制作活動は2人1組で行う。友人に作品を紹介して、自分の思いをはっきりさせたり、いまだ作成段階の色や形から発想を広げたりできるように、絵ができあがらない児童も、友人の発表を聞き、工夫したり、いいなと思う感想を述べさせる。
- 洋服つくりでは、教師の模範に習作したり、自身に着せたい服を考えて作ったり試すように、いろいろな形をつくってからひとつに完成させたい。
造形的能力を高める工夫
- 鑑賞タイムでのうなずきを大切にする。
- うまくいかない点を質問できるように促す。教師の言葉でのアドバイスはもちろんのこと、実物投影機で紹介するのも効果がある。
1.6 単元指導計画(本時の指導)
※当日の様子
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