私の色紙(図工 指導案)

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目次

1 形や色などについての気付きを深める事例

この実践は文部科学省から許可を得て、文部科学省ホームページ上の「先生応援ページ」より転載させて頂いております。ここから指導案もダウンロードできます。
添付ファイル

題材の目標

絵の具などを用いて,好きな色を選んだり,いろいろな形をつくったりしながら表すとともに, 形や色について感じたことを話したり,友人の話を聞いたりしながら作品を見ることを楽しむ。

題材

本題材は,形や色などを手がかりに,絵の具などを使って思いのままに表すとともに,自分が感 じたことを話したり友人の話を聞いたりしながら作品を見ることを楽しむ活動である。
 児童は,まず,自分の画用紙に,共用絵の具,カラーペンなどを用いて様々な方法で「私の色世界」を表す。そこから,自分が「面白い」「楽しい」と思う部分をはさみで切り取って「私の色紙」 をつくり,その裏に形や色から思い付いた「ことば」をつける。これを基に,友達と「絵合わせ」や「言葉合わせ」などの「アートゲーム」を行い,作品を見ることを楽しむ。
このとき,形や色,イメージなどの〔共通事項〕の視点を生かした学習活動の展開を工夫するこ とによって,形や色などに対する一人一人の気付きが深まるように言語活動を充実させ,本題材がねらう「発想や構想の能力」,「創造的な技能」,「鑑賞の能力」を高めようと考えた。

主な学習活動

(1)題材の展開(全3時間)

【指導事例と学習指導要領との関連】

小学校学習指導要領 第1学年及び第2学年において,A表現(2)絵や立体,工作「イ 好きな色を選んだり,いろいろな形をつくって楽しんだりしながら表すこと。」,B鑑賞(1)「イ 感じたことを話したり,友人の話を聞いたりするなどして,形や色,表し方の面白さ,材料の感じ などに気付くこと。」とある。
これは,低学年の児童にとって,活動そのものを楽しむことを通して形や色をとらえることが 重要であることを示している。また,話したり聞い たりする活動を通して,形や色などについて新しい気付きが生まれることを示している。
本題材では,まず,形や色をつくりだすことを楽しみながら「発想や構想の能力」や,「創造的な技能」 が高まるようにしている。次に,〔共通事項〕を手がかりに自分の感じたことを話したり,友人の話を聞 いたりする鑑賞活動を行うことで,児童の形や色などに対する気付きが深まるように題材を構成している。

【言語活動の充実の工夫】

本題材において,言語活動の充実を通して図画工 作科の資質や能力を高める手立ては次の2点である。

(1)「私の色世界」から「私の色紙」をつくることを通して,形や色などについて意識する。

低学年は,自分の感覚や気持ちと形や色が分かちがたくつながっている。また,活動を通して次々に 発想する傾向がある。本題材では,まず,「私の色世 界」を,思い思いに自分の好きな形や色で表す。次に「私の色紙」をつくることで,形や色を具体的に 意識する。さらに,これをはさみで切り取り,自分の感覚や経験を加えながら「ことば」にする。この ような段階的な学習過程によって,形や色などに対 する気付きを確かにするとともに,「発想や構想の能力」,「創造的な技能」を高めようとした。

(2)「アートゲーム」を行うことを通して,形や色, イメージなどについて考える。

低学年の児童が表した「ことば」は,1「こいのぼり」「ケーキ」などの具体的な名前と,2「いろとりどりのビーズ」「みどりのたつまき」など形と色がつなが った言葉の二つに大きく分けられた。中には3「ピンクのキリンの首」「えのぐをぬられた白クマ」などの大人が思い付かない結び付きもあった。いずれも低学年 なりの経験や感覚を生かしながら,形や色を「ことば」 というイメージとして表したものである。このような「私の色紙」を用いて,「アートゲーム」を行うことは, 自他の作品を見るという鑑賞の活動そのものを楽しむとともに,言語活動を通していっそう形や色,イメージなどについて考えることにつながる。
図画工作科において,話す,聞くという行為やそこで使用される言葉などは,本来的に豊かな 表現活動から生まれるものである。そこに言葉を意識的に用いさせることによって,児童の「発想や構想の能力」,「創造的な技能」,「鑑賞の能力」が高まるように工夫した事例である。


引用元

文部科学省ホームページ「先生応援ページ」(授業資料・学習評価等)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

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