係活動のねらい
学級活動では、日常的な当番活動も交代で(公平に)しますが、係活動も進めます。
係のメンバーで相談しつつ協力したり工夫したりすることを体験してほしいからです。
意見が割れた時にも「折り合う社会性」を学んでほしいからでもあります。
4年生以上では、「より創造的な係活動」に発展していけるように、担任が助言します。(具体例はカテゴリー:特別活動で2013年5月30日に投稿した「係活動チェーンジ作戦」参照)
係のグループは、生活班を活用しても、各生活班から1名ずつ集まって係集団を形成するのもOKでしょう。
いずれにせよ、子ども同士の関わりが、より豊かになっていってほしいという、担任の願いがあってこそ、です。
「担任の仕事の下請けをさせるのが係活動である」・・なんて堂々と演説する誤ったとらえ方をしている担任がいたら、
周囲の教師たちが教えてあげる必要はあるでしょう。
「1人1役」をするならば
(よいかどうかは別にして)その係活動に「1人1役」を採り入れる場合もあります。
ただし、日頃、
目立たなかったり、
非難されることが多かったり、
スポットライトを浴びることが少ない子どもたちにも、
担任にほめられたり、クラスのみんなからも認められるチャンスにするため、
という意識を担任と子どもたちで共有
できた時、初めて、「1人1役」を採り入れた効果が表れる、と言っていいでしょう。あくまでも、どの子にも、
クラスでほめられ、
クラスの役に立ち、
クラスで必要とされる、
そんな場面をつくることを、目的にしなければ、「1人1役」というやり方は、子ども1人ひとりにとっても、学級づくりにとっても、せっかくの取り組みが、かえってマイナスになる場合もあり得ることを、肝に銘じておきましょう。
もしも、担任があせってしまうと
担任が学級づくり(目に見える形)をあせっているとしたら、子どもは敏感に反応します。
例えば
「自分はその役ではないから関係ない」
「あの子は自分の役をさぼっている」
という発言が出てきたら、助け合おうという意識が、子どもたちの中で薄れてきていると、受けとめた方がいいでしょう。
「1人1役」の意味を、子どもたちが間違って理解しているわけですから、すかさず、仕切り直しをします。
ところが、学級づくりを早く軌道に乗せたいからと、担任があせって、
「あなたはこの係、あなたはその係」
・・・と割り振ってしまうと(指名制でも希望制でも)、1人1役をやりきれていない子を批判する子どもが出始め、子どもたちは個人主義的になって、仲が悪くなり、クラスもバラバラになります。
その結果、学級運営そのものが失敗に終わったケースを、少なからず見てきました。
係活動をする原点
初発のミス(全員参加型の下請け活動を円滑にするための「1人1役」という認識)や、子どもたちのイヤな空気(ヘンな雰囲気)に気づいたら(気づける担任はエライ)、できるだけ早い段階で軌道修正してみませんか。
係活動本来の、1人ひとりが、キラッと輝く場面を見つける(いざなってステキな姿を生み出す・いっしょにやりながら支援する、教師の喜びを伝える、クラスの仲間や親からも認められて自分を好きになる)ための「1人1役」、子どもと担任の信頼関係、子どもと子どもの仲間意識を構築するための「1人1役」に!
「1人1役」を採り入れても、採り入れなくても、係活動とは、なかなか見えにくい子ども1人ひとりのステキな姿に光をあてるためにあるんだという、特別活動の原点を忘れたくないですね。

コメント