
卒業文集は、小学校生活の思い出の一つです。
卒業文集を制作する上で重要な視点は2点です。
一つ目は、「小学校6年間でたくさんの思い出ができたな」「6年間で成長したことってたくさんあるな」と、子どもたちが小学校6年間を振り返る視点。
二つ目は、「自分が過ごしたクラス・学校は〇〇だったな」「小学6年生の時はこんな事を考えていたな」といった、子どもたちが年齢を重ねた時に小学校生活を振り返る視点です。
いずれにせよ、「小学校6年生の今」を書き記す視点が卒業文集には重要です。
また、卒業文集は一生ものです。
プライバシーや人権には、充分に配慮して指導していく必要があります。
今回は卒業文集のネタや指導アイディアを紹介していきます。
小学校卒業文集 クラスページのネタと指導アイディア

卒業文集は主に「クラスページ」と「個人ページ(作文)」に分けられます。
ここでは、クラスページのネタと指導アイディアについて紹介していきます。
クラスページのポイントは、
- クラスのみんなが参加でき、楽しめるページにする
- クラスの成長を実感できるもの
- 読み返した時にクラスを思い出す内容
この3つのポイントを意識して指導すると、クラスのオリジナリティが出るページになります。
卒業文集のクラスページのネタ
先ほどの3点を踏まえたクラスページのネタを紹介します。
クラスの1年間まとめ
6年生の1年間の出来事を年表やすごろくなどにしてまとめます。
クラスでの出来事やクスッと笑える話、みんなで喜び合った成長点などは、そのクラスでしか経験できない内容ですので、オリジナリティがあふれるページになります。
1年間の出来事ランキング
6年生の1年間をランキング形式で振り返ります。
楽しかった学校行事、もう1度やりたいこと、好きな教科、好きな給食などのアンケート結果をランキング形式でまとめます。
ランキング形式の注意点は2つ。
一つ目は、子ども個人をランキングにしないことです。
例えば「優しい人ランキング」「かっこいい人ランキング」などです。
クラスのみんなが楽しめない可能性があり、場合によっては傷つく子どももいるからです。
二つ目は、少数意見もなるべく掲載することです。
例えば「楽しかった学校行事ランキング」で、社会科見学に3票が入ったとしましょう。
ランキングでは圏外です。
ここで、社会科見学の3票を何かしらの形で掲載しなければ、一部の子どもの意見でランキングされたページになってしまいます。
先生方はクラスに30人の子どもたちがいたら、30人分の意見を残してこそクラスページが成立すると心得て、指導していきましょう。
クラスのプロフィール
クラスのプロフィールは卒業文集のクラスページで人気があるネタです。
SNSを利用する6年生が増えていることからも、「プロフ」というものをイメージしやすいのかもしれません。
似顔絵、好きなこと・得意なことなどを掲載したプロフィールは、「自分は6年生の時、〇〇が好きだったなぁ」「ああ、小学生時代は▲▲が流行してたな」と、クラスのみんなを思い出すことができ、卒業文集の目的にピッタリです。
もしもシリーズ
「もしも〇〇だったら…」は架空の状況を設定し、子どもたちがそれに対する自分の考えや行動を書くことで、子どもたちの個性が出るテーマです。
- もしも1億円を手にしたら
- もしも1年生に戻ったら
- もしも生まれ変わるとしたら
- もしも動物になれるなら
- もしも総理大臣になったら
- もしも願いが一つだけ叶うなら
年月が経っても、独創的な答えを読み返すことで楽しい思い出を振り返ることができます。
未来の自分へのメッセージ、願い事
「10年後の自分へのメッセージ」「18歳(20歳)になった自分へのメッセージ」という形で、未来の自分へのメッセージを書き記すのも人気があるネタです。
「10年後は〇〇になっていますように」という願い事の形式も、過去の自分自身を振り返る楽しみがあります。
1年間過ごしたクラスへのメッセージ
6年生の1年間を過ごしたクラスにメッセージを残すのも一つの方法です。
クラスへの感謝の思いを書き残すことで、小学校生活に区切りをつけ、中学生になる自覚を高められます。
卒業文集クラスページの指導アイディア
卒業文集のクラスページを作成するに当たって、学年の教員で卒業文集担当を決め、卒業文集実行委員会を子どもたちから募りましょう。
以下を参考に、卒業文集制作を進めてみましょう。
- 各クラスで卒業文集実行委員会を決める。
- 卒業文集担当の教員は、ページの割り当て、入稿の締切、制作のルール、金額などを確認する。
- 卒業文集実行委員のレジュメ資料を作成する。
- クラスページ作成の注意点、スケジュール表を掲載し、子どもたち自身で計画的に進められる資料を作成する。
- 学年の教員にもレジュメ資料を配付し、見通しをもってクラスページを制作できるようにする。
- 第一回卒業文集実行委員会を開く。
- 作成したレジュメ資料をもとに実行委員会の子どもたちに指導する。
- 過去の卒業文集を見てお手本にする。
- 各クラスで話し合い、クラスページのテーマや役割を決める。
- 第二回卒業文集実行委員会を開き、各クラスの進捗状況を確認する。
- 各クラスで締切までにクラスページを仕上げる。
- 最後に各クラスの教員が確認し、制作会社へ入稿する。
- 誤字脱字や落丁がないか
- 誹謗中傷がないか
- プライバシーや人権に配慮しているか
小学校卒業間近ですから、教員が全てリードするのではなく、子どもたちの力で制作活動を進められるようにしたいですね。
適度に声(助言)を掛けながら、子どもたちの制作活動を見守っていきましょう。
小学校卒業文集 個人ページの指導アイディア
個人ページでは小学校6年生の今を書き残す
小学校卒業文集の個人ページでは、作文を書く機会が多いと思います。
子どもたち一人ひとりの作文では、今の自分の考えを書き残すことが大切です。
作文のテーマは、「将来の夢」、「6年間の思い出」などがありますが、それらのテーマに対して「自分はどのように考えているのか?」を子どもたちが書き残せるように指導していきましょう。
子ども自身が考えを書いていくことで、6年間の成長を振り返ったり、将来の自分が作文を読み返した時に成長を実感できたりできます。
卒業文集の作文は国語学習の集大成
卒業文集の作文は小学校で書く最後の作文です。
6年間の国語学習の集大成と位置付けて指導していきます。
主語と述語、一文一義、段落、事実と意見など、書く活動の学習内容を振り返りながら制作できるとよいです。
そして、卒業文集を作る時期は子どもも教員も忙しい時期です。
子どもも教員も負担やストレスが減る計画を心掛けましょう。
以下のような指導の手順で子どもたちが見通しをもって書き進める環境を作りましょう。
- 最初に文集作成流れを共有する(作成時間、締め切り、注意点など)
- 国語の文章を書く学習と同じ流れで(テーマ(主張)、構成、具体例、事実と意見など)
- 下書きはノートなど自由に書けるものに(タブレット端末でもよい)
- 書き出しの工夫(会話文、意外性、音など)
- 事実と意見を分けて書く(意見が多くなると「らしさ」が出る)
- 推敲と校正を繰り返す
- 清書(所定の用紙に丁寧な字で濃く書く)
卒業文集制作の注意点
卒業文集の制作では以下の点に注意します。
- 個人情報の紛失
学校には個人情報がたくさんあります。
もちろん、卒業文集での制作物も同様ですので、安全な保管場所を確保しましょう。
- プライバシーと人権
誹謗中傷をするような内容は厳禁です。
読んで傷つく人がいないかを慎重に確認しましょう。
- 子どもの作品やページの落ちはないか?
「卒業文集を受け取った時、ある子の作品がなかった」
「クラスページが1ページ抜け落ちていた」
このようなことは絶対にあってはいけません。
刷り直しや追加料金が発生し、子どもたちの手元に届くのが遅れる可能性があります。
卒業文集が子どもたちのよい思い出になるように、教員は計画的かつ慎重に制作活動を指導する必要があります。
執筆者プロフィール
マー
小学校教員を15年務めた後、フリーのWEBライターに転身。教員時代は安全主任、体育主任、生徒指導主任、学年主任を担当。現在は「物事のよさをより多くの人に」をモットーに教育系記事、金融系記事を主に執筆。趣味は野球観戦とランニングで、野球やマラソン・駅伝を応援するブログを運営している。

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