1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
シリウスのホームページはこちら→ 静岡教育サークル/シリウス
今回は、「家庭訪問」に関する実践をご紹介します。
2 実践内容
家庭訪問をはじめる前に
家庭訪問予定表の作りかた
家庭訪問予定を配布すると、時間を変更してくださいの申し出が必ずあります。全ての申し出を受けることはとてもできません。やむ終えず、勤務時間終了後に訪問せざるを得ないことがあります。そこで次のように、予定表を作ります。
・児童の名前が入らない空欄には、「移動時間」「時間調整」「予備」など記入して欄を埋めておく。
・学校から配られる予定表に少し手を加え、最後の時間帯(4:45~5:00)はあらかじめ無くしておく。(人数に合わせて時間帯のマスを減らす)
こうすることで父母に「先生も大変なんだな」と思ってもらえるので、変更の申し出が減ります。特に、2番目の予定表に手を加えるのはお勧めです。時間帯のマスが、減っていることで父母は「表にある時間帯の中での変更をしてもらおう」と考えます。「予備」のマスを作ってありますから、どうしても変更したい人が、そこに入ります。
家庭訪問の手引き
学級通信を通して、次のような手引きをあらかじめ配っておくと、親御さんの方で話題を用意して待っていてくれます。話題があらかじめはっきりしているので、スムーズに話をすることができます。
・家庭での学習の様子はどうですか。(内容・時間・場所など)
・家でのお手伝いや決まった仕事はありますか。
・帰ってきてから寝るまでの生活の様子はどうですか。(テレビや遊び、趣味、運動、塾など)
・友達について。どこで誰とよく遊びますか。
・学校でのできごとをよく話しますか。
・何か心配なことや学校への要望はありますか。
・受験することを考えていますか。
そして何より、
・お子さんの一番いいところを教えてください。
友だちからの一言紹介
最初の話題の取りかかりに有効です。出逢って1ヶ月くらいしか経っていませんからいきなり「学校での様子はどうですか?」と聞かれても困ってしまいます。そこで普段生活を共にしている班の子どもからメッセージを書いてもらいます。
・班のメンバーのよいところをお互いに書き合う。
・家庭訪問の最初の話題にこの寄せ書きを、父母に見せる。
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
4 書籍のご紹介
クラスがぎゅっとひとつになる!成功する学級開きルール&アイデア事典
5 編集後記
家庭訪問はご家庭とコミュニケーションをとる貴重な機会の一つだと思います。このような工夫は、限られた時間をより有効に活かすことにつながると感じました。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部 佐藤 睦)

コメント