当たり前のことを当たり前に(シリウス)

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目次

1 はじめに

こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
http://homepage1.nifty.com/moritake/
http://homepage1.nifty.com/moritake/sonota/atarimaenokoto.htm

2 実践内容

以前に、指導に手のかかる子がいました。学習のある一部分の力が落ち込んでいました。当初私は、「やればできるはずだ」「指導を工夫すればよくなるはずだ」という一方的な思いこみから「ここまでは、できるようにしよう」と私が一方的に基準を設定し、子どもを追い込んでしまいました。でも「何か違う」と気づいたのは、その子の姿からでした。やればやるほど、自分に対する自信を失い、学習への喜びが減っていったのです。

その子の気になるところを見直してみると、気になる項目にあてはまります。どのような指導がよいのか、本を読み・サイトを訪れ・専門の方から話を聞いたり相談をしました。その結果、有効な手だてとして次のことだとわかりました。

【ほめる】

  • 達成感や成就感の方を大切にする。→ できそうな問題を選ぶ
  • できているときにほめる。→ 何より自信をつけさせる

【ゆっくり】

  • ゆっくりと明瞭に話す。
  • 無理をしない。少し物足りない程度でやめる。
  • ムラをなくす。短くても習慣化をする。

【みとる】

  • 行動の背景を理解するだけでもよい環境にむかう。
  • 好きなこと、得意なことの中に、指導の鍵がある。

【わかりやすく】

  • 行動を一つ一つ確認し具体的な言葉でモニターする。
  • たとえ1題でもいいから本人のできそうなものを選ぶ。 
  • いきなりゴールを目指さないで、できそうな小さな目標を積み重ねる。

わかったことは当たり前のことでした。別に目新しいものは何一つありませんでした。そして、どの子にも共通することばかりでした。特別な支援を要する子・要さない子、と全く違いはありません。根っこに流れるものは同じなのでしょう。当たり前のことを当たり前にやることの大切さを改めて感じました。

しかし「知っている」ことと「できる」では全く違います。知っていてもできないから「困った」「大変だ」「変わった子だ」という声が出てくるのだと思います。

プロスポーツの世界では、どんなにレベルの高いチームであっても基本練習の繰り返しをすると聞きます。これも「知っている」と「できる」が違えばこそだと思います。教育の世界では「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことが、基礎基本になるのかなと思いました。

3 プロフィール

静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

4 書籍のご紹介

「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)

「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)

「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)

「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)

5 編集後記

記事中にも「知っているとできるは違う」とありますが、一見当たり前と思えるようなことだとしても、それを意識して繰り返し実践することが重要ではないでしょうか。
(編集・文責:EDUPEDIA編集部)

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