生徒の可能性の引き出し方

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目次

1 実践内容

認めてほめる

対人関係の基本は、「認めてほめる」です。人は認められることで、自己肯定感(自分にOK)や自己効力感(自分はできる)が増え、学びや仕事に自信を持って取り組むことができます。
アメリカでは、授業で生徒が手をあげただけで、教師が「ナイス トライ!」とほめるそうです。私がこれまでやってきたコーチングでも、「自信がない」とおっしゃる大人が非常に多いことからも、日本では子どもの時から、親からも学校でも「認めてほめてもらえる」絶対量が、少ないのではないかと思います。
ですから、生徒の可能性を引き出すには、一人ひとりの生徒の良い点を見てほめることがとても大事です。

ポポネポの法則

さらに、ポポネポの法則という考え方があります。Aさんという生徒に指導したいことがある場合、
まずポジティブ①「ノートの字がきれいだね。高校や大学受験の時にも、採点する側からすると読みやすい字の方がありがたいから、字がきれいなのはいいね」
ポジティブ②「Aさんの、だまって人の嫌がることを率先してやってくれる点も素晴らしいね」
ネガティブ①「ただ、もっと『私はこう思う』ということを言ってもいいんだよ。受験の面接でも就職でも役に立つからね」
ポジティブ③「Aさんなら大丈夫。私(教師)が見てるよ」
などと。指導したい場合、ネガティブの前後をポジティブで挟む。ネガティブも「お前のこんな点がダメだ」ではなく、「こうすればもっとあなたのためになるよ」という気持ちを込めて伝える。
そうすれば、相手(生徒)に耳を傾けてもらいやすくなります。

人数に反比例する

そして、クラス全体に向かって伝えたことは薄まります。クラスに30人いたら、教師の想いの伝わり方は30分の1になるという説があります。また、全体に向かって伝えても、受け取り方は生徒によって異なります。自発的に自分事として受け取る生徒もいれば、上の空の生徒も、反発する生徒もいるかもしれません。
ですから、できるだけ個別に一言でもAさん、B君に伝えた方が伝わります。そして一人ひとりをほめるのが咄嗟に難しければ、「目を見てにっこり」だけでもいいんです。
認めるというのは、「人として、存在価値がある。あなたの居場所がある」と伝えることです。そのためには、毎日30人の一人ひとりに目を見てにっこりだけでもいいので、1日1回コンタクトが取れれば理想的です。

1日3人でもいい、まんべんなく

ただし、教師の方もお忙しいでしょうから、全員と話ができなくても、必要以上に自分を責めたり落ち込む必要もありません。「今日は3人と話せた。明日は別の3人と話そう」でもいいんです。30人のクラスで1日3人と話せたら、10日で一巡します。ややもするとふざける生徒をしかったり、成績優秀な生徒ばかりをほめたりしがちですが、目立たない生徒こそ、できるだけ時々でも声をかけるようにされてみてはいかがでしょう

2 執筆者プロフィール

文 プロコーチ 喜多見明日香

~主な著書~

「50歳から自分らしく生きる おばさん脱却法: 自分を好きになるセルフコーチング」[Kindle版]

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「生徒の可能性の引き出し方」(本記事)
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「一人でできるモチベーションを高める方法」
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4 コンテンツ提供

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