目次
はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。 シリウスのホームページはこちら→ 静岡教育サークル/シリウス実践内容
「わにのおじいさんのたからもの」という物語教材の学習に入りました。 ここ十数年、教科書に掲載されている読みごたえのあるお話です。漢字の読み、ノートに表紙のページなどを作ってから、第一次感想を取りました。また、クイズ大会、体育館での物語の場づくり、国語辞典での意味調べなど、多様な活動から物語の世界を子どもたちが学べる工夫をしました。子どもたちは、物語に出会ってどんなことを感じたのでしょうか?宝物を見つけることのできなかったおにの子はかわいそうか
おにの子はおじいさんから、宝物を埋めてある場所を教えてもらうのですが、25文”たからものというものがどんなものだか知りません”このため、切り出すような崖の上の岩場で見た夕焼けを39文”これがたからものなのだ”と感じます。 おじいさんが教えてくれた宝物を見つけたわけではないのです。おにの子が宝物を見つけなかったことを確認した後に 宝物を見つけることのできなかったおにの子は、少しかわいそうだとは思いませんか。(※青色=教師の発問/以下同様) (かわいそう・ちょっとかわいそう・かわいそうではない) <かわいそう> は少なく <ちょっとかわいそう> <かわいそうではない> が半々でした。 < ちょっとかわいそう > 17人- 本当は見つからなかったけれど、夕焼けが見られたから。
- 口ではいえないほどの美しい夕焼けだったけれど、宝物は見つからなかったから。
- 本当は見つからなかったけれど、夕焼けが見られたから。
- おにの子は本当は宝物を見つけなかったからちょっとかわいそう。
- 本当の宝物は見つからなかったから。
- 夕焼けがみられてよかった。
- 本当の宝物を見ていないから。
- おじいさんのいった宝物とは違うけれど、夕焼けがみられてよかった。
- 世界中でいちばん素敵な夕焼けが見られたからかわいそうじゃない。
- 39文で”これがたからものなのだ”と言っている。おにの子にしたら宝物だから。
- 宝物を辞書で調べてみたら「大切なもの」とあった。本当の宝物はなくてもおにの子は夕焼けを知らなかった。
- おじいさんの宝物はみられなかったけれどきれいだったから。
- おにの子にとって夕焼けはいい宝物だからとある39文で宝物なのだとうなずいたから。
- 41文”おにの子は知りません”とあって、おにの子はわにのおじいさんの宝物を見つけられなかったから
- 宝物が見つからなかったから。
- 見つからなかったから。
- 42文”いつまでも見て”いてすごいきれいな夕焼けだったからいつまでも見ていった。だからかわいそうじゃない。
- 38文”思わずおにの子は帽子をとった”のはすごいきれいだから。思わず取るくらいきれいだったからかわいそうじゃない。
- 40文”せかいじゅうでいちばんすてき”と書いてあって、一番というのはこれまで見たものよりもっといいということなんだから、宝物になる。
- いちばん素敵な夕焼けがだから、それに宝物を見つけたら贅沢になっちゃう
- 夕焼けが宝物で、もうそれだけで十分。
- 本物はみられなかったけれど、夕焼けをみることができたから。
- 世界中でいちばんだとおにの子が思ったんだからそれでいい。
おじいさんはどうなったか
わにのおじいさんは、おにの子に宝物のある場所を教えたあと、おじいさんが目をつむります。このあと、おじいさんがどうしたかは文には書かれていません。(教育出版12年度版)おにの子と別れた後、おじいさんはどうしたのか考えてみることにしました。まず気になる文をあげておきます。20文:遠い所から長い長い旅をしてきたものだからすっかりつかれてしまってね。夢を九つも見たんだから。 24文:わしを殺してわしの宝物を取ろうとする奴がいる 30文:これでわしも心おきなくあの世へいける 33文:では、行っておいで。わしはこのはっぱの布団でもう一睡する。わにのおじいさんは目をつむりましたこれらの文が検討される文になりそうです。子どもたちにこう尋ねました。 発問1 おにの子が戻ったとき、おじいさんはどうなっていただろう 「おじいさんどうなっていると思う」と尋ねてみると「ねている」「死んでいる」「起きている」という3種類の回答でした。まずノートに自分の考えを書かせました。 < 寝ている > 19人
- 130歳でも生きている力があるから死んでいないと思う。
- おじいさんはたくましいから、私は生きていると思います。
- 33文”もうひとねむりする”ということは、また寝るからその間行っておいでということ。目をつぶって死ぬわけではないから、だから眠っている。
- 33文”もうひとねむりする”と書いてあるから、眠っていると思います。
- はっぱで寝ているから殺されていない。【心おきなく】の意味は「心配や気兼ねをしないで」ということ。
- つかれていて、とても眠いから。
- 30文”心おきなくあの世にいける”と書いてあるから。宝物をあげれば、おじいさんもあの世に行けるし、あの世というのは天国へ出るということ。
- 24文”わしをころして”とある。130歳くらいだから、死んでいると思った。
- 30文”心おきなくあのよにいける”とあるから。もう死ぬということ。
- 30文”あのよ”というのは天国のことだから。
- おにの子が宝物を見つけに入っている間に、わにのおじいさんはずっと逃げてきたから。もう歳が多いから死んでいると思います。
- ちょっとひとねむりと書いてあるから寝ていると思う
- おじいさんは130歳くらいだから死んでいる
- あの世というのは天国のことでは私もあの世にいけると言っているから死んでしまったと思う
その後のわにのおじいさん
前回の授業で、わにのおじいさんはどうなったのか話し合いをしました。結局、わにのおじいさんが < 死んでしまった > のが2班、< 眠っていた > のが5つの班でした。教科書に続きはないので、どちらが正解ということはありません。 さて、 41文:その立っている足もとに、たからものを入れたはこがうまっているのをおにの子は知りません 42文:おにの子はいつまでも夕やけを見ていました で終わるこの物語に続きがあるとしたら、どんなお話になるのでしょうか。話の続きを考えさせました。 「わにのおじいさんのたからもの」の続きを考えてみましょう 子どもたちはこんな活動が大好きです。「もういい?」と声をかける度に「待ってー」「まだだめ!」という声があがります。できあがったところで黒板の前にみんなが集まり、友達の作ったお話を聞きました。 「その後のわにのおじいさん、作者○○」と紹介すると、ハハハ…と笑い声に教室が包まれます。- 宝物を見たおにの子は、わにのおじいさんのところへ帰りました。わにのおじいさんは出ていました。おにの子もいっしょにいました。
- おにの子は夕焼けが見えなくなったので見るのをやめました。夜になったのでそこで寝ました。おにの子はわにのおじいさんが殺される夢を見てしまいました。おにの子はわにのおじいさんが何をしているのか気になっています。朝だったのが昼になりもう夕方になってしまいました。起きたのは次の日の夜でした。ずいぶん寝ちゃったよ。夢を100回も見ちゃったんだもん。いっぱい寝たから、元気100倍だぁ。また同じ道を通りました。(中略)やっともとの場所へたどりつきました。そこにはおじいさんはまだ寝ていました。そこでおにの子も寝ました。
- おにの子が帰ったらおじいさんはまだ眠っていました。おにの子は家に帰るとお母さんとお父さんに夕焼けのことを話しました。それでおにの子は寝ました。翌日おにの子はまた夕焼けを見にいこうと出かける途中、わにのおじいさんはまだ寝ていました。
- おにの子はおじいさんのところに戻ってわにのおじいさんを起こしてね「夕焼けを見てきたよ。とってもきれいだったよ」わにのおじいさんは「そんなきれいな夕焼けだったら見てみたかったな」とおじいさんがつぶやきました。おにの子が「おじいさんにも見せてやりたかったけれど夕焼けはもってこれなかったけれど見れてよかったよ。また見に行ってみたいな。ぼくはこのまま旅を続けます。わにのおじいさんまた会えたら会おうね。ばいばいさようなら。寒いけどがんばってね。」わにのおじいさんも寝るふりをしながら「バイバイ」と小さい声で言いました。
- おにの子は岩場を降り、川岸に戻りました。そうしたらわにのおじいさんはまだ寝ていました。そうしたら「宝物きれいだったかい」と言いました。おにの子が言いました。「うん、世界中で一番すてきな宝物だったよ。おじいさんありがとうございました」そしておにの子とわにのおじいさんは眠くなって二人で寝てしまいました。朝になりおにの子はおじいさんに手紙を置いてまた旅をつづけました。そしておじいさんが起きたら、おにの子からのメッセージがありました。そしてわにのおじいさんは手紙を読みました。わにのおじいさんはずっと手紙を見ていました。おにの子は家に帰りました。わにのおじいさんもすみかに帰りました。
- それからおにの子はおじいさんのところへ行きました。わにのおじいさんは出ていました。「おじいさん」おにの子は読んでみました。「おじいさん宝物見つけたよ。とってもすばらしい宝物をありがとう」でもわにのおじいさんはぴくりとも動きません。「どうしたの」おにの子はいいました。おにの子は死んでいるんだと思いました。「おじいさん死なないでよ」と叫びました。でもおにの子は最後に「素敵な宝物ありがとうわにのおじいさん。あなたのことは忘れないよ」そう言った後おにの子はたち去っていきました。
おにの子が、がけの下からもどってきました。 「わにのおじいさん、ただいま。できたよ。」 「おや、おかえり。わしのたからものは、見つかったかい。」 「うん、見つかったよ。ほんとうにすてきなたからものだね。」 「そうだろう。わしが いっしょうけんめい あつめて、だいじにかくしておいたたからものだもの。 それできみは、どうやって、あのたからもののはこをほり出したのかね。」

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