中学校・高校の教師にとっての定期テスト
小学校では、テストはそれぞれの単元ごとに行われるが、中学校と高校では、中間・期末と定期テストが行われる。小学校のテストは業者のものであることが少なくないが、ほとんどの中学校や高校では、各教科担当の教師がつくっている。
定期テストはあくまでも 生徒の達成度を測るためのものなので、誰も解けないような難しい問題を作っても意味をなさないし、逆に誰もが簡単に解ける問題では、実施をする意味がなくなってしまう。また、テストの内容は、教えている生徒の実態や授業の内容に合わせて作る必要もあるので、同じ教科・科目・出題範囲であっても、 毎年同じというわけにはいかない。実際、もしもそんなことをしたら、生徒の間で過去問が出回ってしまうはず。そのため、テストはその都度つくるのが基本だ。しかも、テストの作成と同時に模範解答や採点基準もつくっておく必要があるので、テスト前に生徒がテスト勉強に励む一方では、教師はテスト作成を入念に行っているのだ。
ちなみに近年では、出題する問題は知識を問う問題ばかりではなく、覚えた知識を使って活用する力があるかを問う問題を作る必要もあり、最近ではテストの作成にはこれまで以上に労力がかかっているという声もある。
そして、テストの作成が終わったら、実施の前日には印刷まで終わらせておく必要もある。当日になって、何かのトラブル等で、時間になってもテストが印刷できていないというようなことがあってはならないからだ。印刷をしたら数枚に渡る問題用紙を1人分にきちんとセットをしておいたり、地味な作業だが、一定の時間が必要なうえ、テスト直前には多くの教師が印刷室を使うことになるため、混雑したり、印刷機がトラブルを起こしたりすることもあるので、案外気が抜けない。
テストを 実施したら、「採点」も
定期テストを実施したら、教師には、それを採点する仕事もある。例えば、同じ学年で3つの学級を担当していたら、1学級30人だとすると90人分を採点することになる。仮に1人分の採点にかかるのが5分だとしても、5分×90人で450分。しかも、テストは生徒が真剣に取り組んだものなので、教師の方でも採点を真剣に行う。実際、採点ミスがあまりに多いと生徒からの信頼を損ねてしまう。そのため、必然的に採点には時間がかかるうえ集中力も必要となり、教師にとって労力がかかる作業なのは事実だ。
ただ、生徒の立場に立つと、早テストの結果を知りたいのでなるべく早く返却してほしいし、教師としても生徒にテストをきっかけにして復習をさせるため、テストが終わったら速やかに採点し返却したいところ。そこで、テストが終わるとすぐに採点をするという教師がほとんど。生徒の時は、テストは「受けたら終わり」のものだったが、教師になると、生徒が受けた「後」に採点や成績処理といった仕事が残っているのだ。
コメント
コメント一覧 (1件)
他の欄にもコメントさせていただいていますが、
こうした「採点」の問題を解決する方法として、
「マーク式」で考査を実施する方法があります。
やまぐち、岩手、取手市、といったところで
紹介されている、 SQS というソフトです。
こちらは無料で利用できるので、
予算のない学校現場にぴったりです。
また、テストの採点用にまとめた
「先生のためのマークシートのページ」
も参考になるかと思います。