1 はじめに
本記事では、曖昧に捉えられる指示と、それを聞いた子どもの反応例を紹介します。(子どもは、かつての筆者を想定)
初任の頃は、指示を出しても子どもが混乱したり、自分が思っていたように伝わらず、子どもを困らせてしまったことがよくありました。
指示を聞いた子どもの頭の中を想像できず、大人の言葉で話していたのだと思います。
2 指示と子どもの反応
~学習編~
「今から計算プリントを配ります。」
・もらったら始めていいの?
・先にもらった人ズルい。
「物語を読んで、人物の気持ちが分かるところに線を引きましょう。」
・気持ちが分かるところってどこ?
・音読しながら線引けないよ。
「では、絵の具の水入れに水を入れてきましょう。」
・全員行くと行列で危ない。
・どんな順番で行くの?
・待ってる人は何をするの?
*実験や作業などで物を取りに来る場合も同様。一斉に来ると押し合いもめ事の原因になることも。物が人に当たり危ない。
(絵の具や調理実習などが終わって)「机の上を片付けましょう。」
・皿はどこに持って行くの?
・こぼれた水は何でふくの?
・斑のみんながやるから暇や。
・洗ったけど水滴がついてたらアカンのかな?
「まずは模造紙を半分に折ります。終わったら裏に名前を書きます。」
・縦横どっち折り?
・名前は鉛筆?名前ペン?
・どれくらいの大きさで書くの?
「漢字練習、終わったら持ってきなさい。」
・(持って行ったが直しが多かったので)またやり直しか、どこに気をつけるか先に言ってよ。
・マスからはみ出したらやり直しって、言ってなかったのに、、
「では隣の人と感想を交流しましょう。時間は2分間です、どうぞ。」
・どっちから話すの?
・1人2分?2人で2分?
・隣が休みだけど誰と?・・・え、もう終わり?
「〇ページの問題を宿題でやってきて下さい。」
・自力で出来なかったらどうするの?
・丸付けもするの?
・分かるまで復習もするの?
・解説と答えはくれないの?
「宿題は先生の机の上に置いて下さい。」
・重ねて置くの?
・閉じて?開いて?
・忘れた人は?
*提出場所を固定すると便利。カゴや袋を用意。
「宿題のプリントを忘れたのね。明日は持ってきましょう。」
・プリント無くした。
・やり方が分からない。
・家で聞いてもよく分からない。先生の教え方と違うし。
~生活編~
「今日は掃除がないので、ゴミ拾いをして帰りましょう。」
・何分間?
・いくつ拾うの?
・もうないんだけど。
・拾ってない人ずるい。
「朝会に行きます。廊下に並びましょう。」
・廊下の窓側?教室側?
・何列?何順?
・イスを入れるの先に言ってよ。
「給食でお代わりしたい人は来て下さい。」
・お椀はいる?
・じゃんけんしに行くの?
・みんなもらえるの?
・(前に行くときに話して怒られた)しゃべっちゃダメなんかい。
「ちゃんと謝りなさい」
・相手が悪いのに、、
・(本人は誠意を込めて謝ったのに「何がいけないの?」「それだけ?」と詰められる)「ちゃんと」って、どういうことだ!?
3 おまけ
明確な指示のための心がけ
全員に聞こえる声
活動は1つずつ
短く
言い直してもぶれない
5W2Hを明確に
全員が同じように動ける指示
モデルを見せる
ゴールがイメージできる
非言語(文字・図・絵)を活用
指示の確認
復唱させる
クイズ(~が終わった人は何をするでしょう?など)
指示内容が終わったか確認
鉛筆を置く
手を挙げる
立つ、座る
先生と目を合わせる
にやける
4 おわりに
自分では分かりやすく伝えたつもりでも、指示を出した後に、「あ、これもあった!ごめん、一旦ストップして!もう一度言います。」とやり直すことはたくさんあります。
初めから完璧を目指すのではなく、子どもの反応をみながら、よりよいコミュニケーションを心がけていきたいです。
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