音読が出来るようになるための言葉探し(岡篤先生)

1 はじめに

本記事は、岡篤先生のメルマガ『超スモールステップ~「言葉探し」569号』から引用・加筆させていただいたものです。
音読指導をする際のスモールステップとして言葉探しを取り入れる取り組みを紹介します。
岡篤先生のメルマガはこちらを参照ください。→http://archive.mag2.com/0001346435/index.htm

2 実践内容

■「言葉探し」とは

私は、音読指導の一環として「言葉探し」をよく取り入れます。何かというと、本文の中から私が指示した言葉を探すという文字通りの活動です。
 これには二つの意味があります。
1つ目は、文の中から指示された言葉を探す練習です。音読が苦手な子の場合、目で文字を追うことがスムーズにできていない場合があります。言葉探しをすると、そのことがはっきりと分かります。継続することでトレーニングになり、少しずつ早く見つけられるようになります。

■高学年でもやる理由

もう一つ理由があります。キーワードを探させることで、文章全体のイメージができていくということです。これは、高学年の子どもにも有効です。例えば、「海の命」や「大造じいさんとがん」といった長い話の場合です。
 音読の練習をして、何とか間違えずに読めるようになったとします。これは大切なことですが、それだけでは本当にストーリーが分かったことにはなりません。言葉探しをしながら、簡単な質問を加えることでイメージができていきます。

■言葉探しができない

音読の前段階として、言葉探しを取り入れていますが前回のA君の場合、この言葉探しもできませんでした。1年生のはじめなので、短い文でしかも範囲は1ページに限定しているのにすぐに見つけることができません。言葉探しに取り組むこと自体がなかなかできません。横について、見ているとなんとかやろうとはします。しかし、どこを見たらいいのかわからず、しかもすぐに集中しなくなってしまいます。言葉探し自体の指導が必要です

■音読のための言葉探し

私自身の言葉探しの最初のねらいは、音読を効果的に取り組むためというものでした。音読の練習を授業中や宿題でしっかりやり、やっとすらすらと読めるようになった子がいました。しかし、文字はすらすら読めても文章としての理解はほとんどできていない、ということを経験したからです。音読ができなければ読解ができるようになるはずがない。しかし、音読ができたからといって読解の準備が必ずできている、というものでもないということです
 そこで、音読と読解をつなぐ段階、スモールステップとして『言葉探し』を取り入れることにしました

■言葉探しのトレーニング

ところが、言葉探し自体も練習が必要です。練習を重ねると素早く、広い範囲から探すことができるようになります。高学年であっても最初はページを指定して、1ページの中から探させます。集中しにくい子がいるときは、取りかかるまでもていねいに進めます。
「最初に題名をおさえますよ。『たぬきの糸車』の『た』をおさえなさい」
といった具合です。

■言葉探しのきまり

いくらスモールステップでやっていても、参加しない子がいては意味がありません。多くの場合、参加しない子こそが言葉探しのトレーニングが必要な子です。
「見つけた人は、人差し指で『た』をおさえなさい。おさえたまま、反対を挙げなさい」指示します。最初は、これさえも理解できていない場合があります
全員が正しく押さえているかを机間指導で確認します。
低学年の場合、次の言葉にいくまでに、もう少し段階をもった方がよいでしょう。

3 執筆者プロフィール

岡 篤(おか あつし)先生
 1964年生まれ。神戸市立小学校教愉。「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会(略称学力研)」会員。硬筆書写と漢字、俳句の実践に力を入れている。

4 書籍のご紹介

『読み書き計算を豊かな学力へ』2000年

『書きの力を確実につける』2002年

『これならできる!漢字指導法』2002年

『字源・さかのぼりくり返しの漢字指導法』2008年

『教室俳句で言語活動を活性化する』2010年

5 編集後記 

国語の授業の中で音読を取り入れることは多くありますが、全員が音読が得意なわけではありませんよね。そういった音読を苦手な子に対しての指導として言葉探し取り入れてみてはどうでしょうか。

(文責・編集 EDUPEDIA編集部 宮崎俊一)

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