学級目標の立て方 ~1年間を見据えて(岡篤先生)

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目次

はじめに

本記事は、岡篤先生のメルマガ「担任の3K労働 608号~620号」から引用・加筆させていただいたものです。

担任の3K労働

教師の仕事は、授業がメインです。しかし、担任となるとそれ以外のことも色々と出てきます。私は、勝手に担任の3K労働と名付けて自分なりに分類しています。ちなみに、3K労働とは、以前、「若者が嫌う仕事」として、きつい、汚い、危険の「3K」といわれていたことがありました(最近いわれなくなりましたね。どう考えたらよいのでしょう)。それをもじったものです。私の考える「担任の3K労働」は、以下の通りです。

  • 基礎作業
  • 基本方針
  • 危機管理

危機管理については、下記リンク先をご参照ください↓↓↓

危機管理について ~いじめ・学級の荒れ(岡篤先生) | EDUPEDIA

基礎作業 1日7分

  • 天の時 1週間、1日の時間管理
  • 地の利 教室のそうじ
  • 人の和 名簿想起

この3つは、それぞれ、年間の見通し、板書、関係作り、などへも発展、深化していきます。それだけに、最初のレベルのものもかなり重要だと考えています。1日のスケジュール確認に1分、教室のそうじに5分、名簿想起に1分の1日計7分で、クラスの荒れはかなり防げるのではないかと思っています。

基本方針

基本方針は、学級目標の決定とその実践がメインになります。偉そうに色々書いていますが、私は、以前は3K労働はどれもきちんと考えてはいませんでした。痛い目にたくさん合って、少しずつ反省し、考えてきたことがある程度まとまってキーワードになったということです。ですから、学級目標も書類上、掲示用のものというくらいの認識しかありませんでした。今は、4月の大切な仕事に位置づけています。

基本方針は、目標とテーマ

「基本方針」は、学級目標とテーマの2つです。前述のように、私は長い間、学級目標を重視していませんでした。「報告に必要だから何か決めて」「指導主事が来るから教室の全面に貼るように」といったことを言われて、決めるには決めていました。ただ、決めるときには色々考えてもしばらくすると忘れてしまい、そのままということがほとんどでした。学級目標なんか、決めなくてもやることは決まってる」とも思っていました。

毎年、「みんなが伸びる」

毎年、「みんなが伸びる」にしていたときもあります。本当にそれが大事だと思っていました。読み書き計算をベースとした自分の実践にも合っているとも思っていました。それはそれで間違っていないとも思います。ただ、今は変わりました。ある先生と同じ学年になって学級目標の活用の仕方を目の当たりにしたからです。

全てを学級目標につなげる

その先生は、じっくり学級目標を考え、決めたらとことん活用していました。学級通信のテーマ、掲示物、そして普段の指導。何かと学級目標につなげるのです。ということは、それにふさわしいものを決めておく必要があります。そのためには、子ども理解が基礎にならなくてはなりません。

子どもを知る

普段の指導で、活用できる学級目標にするためには、そのときのクラスの実態を把握しておく必要があります。

例えば、すでにみんなが仲のよいクラスで「仲良くしよう」という目標を決めても普段の指導で活用する場面はないはずです。

もしかしたら、「書く力を伸ばそう」といった学習の具体的なものの方が役にたつかもしれません。

アンケート

子どもを理解するという場合、基本は観察になります。

授業中、休み時間や、教師の前と、子どもだけのときなど、教師が直接目にしたことが重要なのは当然です。

他に、アンケートを取るということもできます。

どんなことが楽しいですか。
どんなことが嫌ですか。

などという問いに対する答えである程度分かる部分もあります。「ある程度」というのは、学年にもよるでしょうし、書かれたことが必ずしも本音だとは限らないということもあります。

読み書き計算の力を知る

漢字や計算、音読といった基礎的な学力を確認しておくことも重要です。

授業をしていれば、「この子は音読が上手だな」「漢字が全然書けないんだな」ということくらいは分かります。

そこをできれば、1年生の漢字・計算の力から調べておくと指導の際にとても参考になります。やったことのある方にはこの意義が分かっていただけると思います。前の学年だけでなく、1年生から、というところがポイントです。

学級目標を実質的なものに

学級目標にもどります。

書いてきたように、正直なところ学級目標は書類上のものでしかありませんでした。

しかし、今は違います。学級目標を上手に活用することで実践が効果的、効率的に進められることがわかったからです。

教師の思い

私の職では、担当学年がわかるのは4月1日の職員会です。

まだ何年生の担当かもわかってい状態ではイメージを持つのは難しいです。

やはり、クラスが決まらないまでも学年がわかっていると何かとイメージしやすくなります。

決まっていない時点で考えていることは、作文力を育てたいということです。

語としての作文だけではありません。学習のまとめや機会ごとの振り返りなどにフル活用したいと思うからです。

子供の思い

これも4月になってみないとわからないことですが、子どもの実態と、子どもの思い(高学年)も合わせて考えられたらと思っています。

今までの学級目標の例で説明してみます。

6年生で

学級目標とテーマの例を挙げて説明します。

6年生を担任した年のことです。この年、私自身の課題として書く活動を重視しようと考えていました。

その思いがあったので、できれば学級目標にも書く活動に関わるようなものを入れたいと考えていました。

子どもから

その一方、高学年なので、子どもの思いも聞き出したいとも考えました。

「どんなクラスにしたい?」と尋ねたところ「楽しいクラス」「仲のいいクラス」といった意見が出ました。

これはこれで本当の意見だとは思います。しかし、一年間を通じて、学級目標を目指し、活用していくには、もっとリアルで、本音に近い部分があった方がいいはずです。

「楽しいクラス」「仲のいいクラス」というのは、やや一般的・抽象的過ぎるように思いました。

学級目標といわれたら、こういうことを答えるものだと思っていたのではないでしょうか。

時間をかけて

そこで、もうしばらく時間をかけることにしました。

私も子どもたちのことをもう少し理解する必要もあります。それから、週に1回程度、クラスへの思いを聞く時間をとるようにしました。そんなときに、一人の女の子から「みんなで遊びたい」という希望が出ました。私は、子どもから意見が出たことがうれしかったので、「それはいいね。」と、時間をとることにしました。

「何をするの?」
「みんなで円陣バレーがいいと思います」
「じゃあ、そうしようか」

他の子たちにも話したところ、賛成しました。

「先生は後で行くから、先に始めといて」

私は、職員室によってから運動場へ出ました。
思ったより職員室での用事に時間がかかり、子どもたちが出てから10分くらい経って運動場に出ました。

いきなり意外な場面に出くわしました。

学級目標を象徴するテーマ

伝えよう
受け止めよう
残そう

という3つの学級目標が決まりました。そこから、これらの学級目標をイメージ化し、象徴化するようなテーマを考えました。

この年は、6年生の担任だったので卒業ということも想定しながら考えました。結論からいうと、この年のテーマは、『メッセージ』となりました。同僚がやっていたことを思いだし、黒板の上に、手紙の絵を貼り付けました。

「卒業式前日の自分へ」という手紙を書かせ、その手紙の掲示の中に一年間入れておきました。

テーマを活用

そこから、様々なことを『メッセージ』とつなげて位置づけました。

元々、書く力を育てたいと思っていたので、ゲストティーチャーや見学などの後に、できるだけ礼状を書かせました。その日付と内容も、『メッセージ』として掲示して残していきました。もちろん、学級通信のタイトルも何かあるごとに使う言葉も『メッセージ』でした。

頭の片隅に常駐している学級目標

3つの学級目標も、子どもの希望や実態、自分の思いから出たものです。

そして、ことあるごとに活用しているとなると、さすがに記憶力の悪い私でも忘れることはありませんでした。もう、5年以上たっている今でもさっと思い出せるくらいです。

テーマと学級目標のおかげでクラスがうまくいったとまでは言う自信があるわけでなないです。ただ、自分なりにテーマと学級目標の活用の仕方は経験できたと感じました。

3 執筆者プロフィール

岡 篤(おか あつし)先生

1964年生まれ。元神戸市立小学校教諭。「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会(略称学力研)」会員。硬筆書写と漢字、俳句の実践に力を入れている。

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