1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
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2 実践内容
火山活動による大地の変化
大地の変化には、主に火山活動による変化と地震による変化がある。ここでも実物を用いた実験をおこなった。
まず火山活動とはどのようなものか、教科書の写真などを使って押さえた。富士山を例に、火山が噴火すると熱い溶岩が流れ山を形成することを確かめた。

次にこのことを実感を伴って理解できるモデル実験を行った。
マグマの実験
準備物
火山模型 薬品を入れる容器
マグマA 重曹、バーミキュライト、焼石膏、PVAのり、食紅
マグマB 重曹、クエン酸、ココアパウダー
マグマA
(1)薬品を全て入れて、お湯を注ぐ。
(2)しばらくすると重曹の働きで泡が膨らみ、火口部からあふれ出す。
(3)時間が経つと焼き石膏が固くなる。
※マグマの粘度はPVAのりで調整する。
マグマB
(1)薬品を全て入れてよく混ぜる。
(2)お湯を注ぎ、竹串でつつく。

実験をして思ったこと
- 火山が噴火すると、溶岩が流れ火山灰が降って山や湖もできて、新しくできるものがあることがわかった。溶岩や火山灰は人にとって大変かもしれないけれど、山や湖はできると自然が増えるからいいなと思った。
- 富士山は4回の噴火でできていることを初めて知った。それに2回目は山?って感じだったけれど、3,4回目は山の感じになったなぁ、と思った。実験では、本当のマグマではないけれど、こんな風にマグマは出てくるんだと思いました。マグマが固まったら大変なことになるなと思った。
- これが本当の富士山にあったなんて。あんなのが噴火したら、ものすごく恐ろしいなと思った。火山の噴火で山が大きくなるのはすごいと思った。1回につき結構大きくなるんだな。
- 山は噴火してできていた。長い時間をかけて作られていることがわかった。富士山も同じようにできていたのは初めて知った。とても長い時間がかかっていることもわかった。
地震による大地の変化
地震による大地の変化について、教科書やビデオを見て理解を深めたあとにモデル実験をおこなった。
地震の起こる仕組みの実験
地震が起きるしくみについて、モデル実験をしよう
写真のように、スポンジと手でモデル実験を行った。スポンジの断層が手によって下に潜り込み、ある程度潜ったところで、スポンジが上に跳ね上がる。
スポンジの上には消しゴムの家を乗せて、跳ね上がる様子を観察した。スポンジの代わりにこんにゃくを使うとよりリアルである。

次に、地震を起こす原因であるプレートに教えた。大陸プレートは、世界に13プレートあり、うち駿河湾沖に4プレートが集中している。駿河湾沖にある4つのプレートを図で見せると、陸地が押し合いひしめき合っているのがわかる。
実際に4枚のスポンジを押し合ってみると、きしみが生じ、力に耐えきれなくなったスポンジは跳ね上がる。地震が起きないわけがない。
こうして大陸はプレートの上に乗っているという話をした後、プレートテクトニクスについても触れた。以前、国語の教科書(教育図書)に取り上げられていた 大竹政和著「大陸は動く」を配付して読み聞かせたり、NHK for school の番組を見せたりすることで、大陸は、離合集散を繰り返して形を変えていることを押さえた。
大陸が動いていたことを学んだあとに、プレートテクニクスのパズルをおこなった。
パンゲア大陸を現在の世界地図の形になるように動かそう。
パズル感覚で、元図を動かしながらプレートテクトニクスを体感することができた。

子どもたちがわかりにくかったのは、インドでずいぶん長い距離を移動してきたことがわかる。インドがユーラシアプレートにぶつかって、ヒマラヤ山脈やエベレストができたことを教えると、一様に驚いていた。
断層のできかた
地震によって断層ができることをモデル実験をして理解を深めた。
断層の違い
まずは、断層のある写真を見せて、地層の模様は平らになっているものばかりですか、と尋ねると
〈平らなものばかりではない〉
・掛川の写真は、地層がきれいに斜めになっている。
・大島の写真は地層がぐにゃっと曲がっている。
どうして模様が斜めになったり、曲がったりしたのだと思いますか
大地が変化する理由を考えさせたのだが、いきなりこの質問は難しかったようで、子どもたちは「うーん」と頭を抱え込んでしまった。
そこで断層ができるしくみについて教えたあと実験をして確かめた。
断層の実験
石灰やきな粉を使って、断層を作ってみよう。

【用意するモノ】
・透明なケース…ペン立て、コレクションボックス
・粉状の食品 …石灰、きな粉
【やり方】
(1)透明ケースに石灰を数mm入れて、均一になるようにならす。
(2)同様にきな粉を上に入れて、ならす。
(3)石灰、きな粉を交互に入れて5層程度にする。
(4)ケース側面幅に食品トレーを切り、横から押す
(5)断層や褶曲ができる。
【研究】
・粉の粒が大きいと褶曲、粒が小さいと断層ができる。
・層を押し固めると広い範囲で変化が現れる。押し固めが弱いと範囲が狭い。
このように大地に大きな力がかかると、地層が切れたり(断層)、曲がったり(褶曲)することがわかった。
3 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。

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