太陽とかげ(3年生理科) ~楽しい理科実験 vol.11

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長い棒があれば・・・

3年生理科の実験の中で太陽の動きを影で追う実験は、上手に行うとけっこう美しい結果を得ることができます。自然の規則性に出会うよい機会ではないかと思います。

まずは難しい実験をする前に、何も持たずに影遊びをするといいですね。10人ぐらいで影が一直線になるように「前へならえ」「大の字」で並んでみたり、前の人の頭のてっぺんに立って影をつないでみたり、影ふみをしたり…。

その後でもし学校に長い棒があれば、それを使って様々な形を作らせてみるのもいいですね。アルファベットの影、頭から角が3本、上向きで棒を飲む影・・・

棒が筒状ならば、上手に日光と平行に棒を傾けると、影の円い輪ができます。棒が長いほど難しいです。例えば拡大複写機のロールの芯棒があれば、チャレンジのしがいがあります。長い筒では無理な子供には、サランラップ程度の長さの芯棒を渡してあげるといいです。

太陽の高さとかげの関係

小学校3年生の段階で、朝・昼・夕方の影の長さの違いをそんなに意識して見ている子供はあまりいないです。夕方の影は夕方の影は自分の背の高さより長い場合があります。ただ、都会ではビルに太陽が高いうちに沈んでしまう上に、長い影は広くて平坦な場所でないと見つけにくいです。夕方に大きな広場や運動場の真ん中に立つと、影がとても長いことに気が付くと思います。(本当は朝方だって太陽高度が低いから、朝方の影も長いはずですね。)

夕方に3年生を見かけたので、運動場の真ん中まで連れて行ったら、あまりの長さに驚いていました。3年生が5時頃まで学校に残っていることはあまりないと思いますので、

「夕方に太陽が沈みかけた時に、広い場所で自分の影を見てごらん。たとえば、公園なら公園の真ん中に立って見てみるといいよ」

と、声掛けしておくといいですね。

鉄棒の影や人影をなぞっておく

運動場の鉄棒など、影の形が分かりやすいものを見つけて、その形をなぞっておくのも影の動きがよくわかります。2時間ぐらい経ったら、影の位置が変わっていることに気が付きます。ポールの影や校舎の影のはしっこをなぞっておくのもいいでしょう。コンクリートなどチョークが使える場所であれば、わかりやすいですね。班にl人ぐらい、大の字とかで立たせて人の影をかたどるのもいいでしょう。2時間目のはじめと6時間目の終わりぐらいを比べると方向・形が大きく変わるので面白いです。

「太陽の動きとかげ」の実験

前述のような経験をさせていくと「影は時間がたつと向きや長さが変わること」がわかってくるので、その動き方に規則性があることまで実験をやってみると本格的な理科になってゆきます。

学習指導要領では、以下のように示されています。

ア 日陰は太陽の光を遮るとでき,日陰の位置は太陽の動きによって変わること。

紙の真ん中に、十字に線を引いて交点に棒を立てる実験が一般的です。真ん中に立てる物を何にするかが問題です。教科書ではストローを立てるように例示をしていることが多いようです。

ところが、子供にとってにとってストローをまっすぐ(紙に垂直)に立てるのがけっこう難しいです。そして、ストローが長いとB4の紙であれば太陽高度が低い時間帯の影がはみ出してしまうことにも要注意です。ストローよりも短い鉛筆を立てる方がいいです。鉛筆はけっこう垂直に立ちます。粘土板に立てるとよりまっすぐになります(下写真)。長時間置いておかねばならないので、先が尖っていると危険です。鉛筆キャップをつけて、必ず安全対策をとりましょう。鉛筆キャップそのものを立てるのもいいかも知れません。これなら安心です。鉛筆も鉛筆キャップもボンドでくっつくので、手軽です。

模造紙を使ってクラスで1つの実験

模造紙を使って、クラスで一つの実験をするのもありかもしれません。「一人一実験」も魅力なのですが、模造紙だと影がダイナミックに動いている様子が分かるし、それをそのまま黒板に貼ってみんなで共有することもできます。

模造紙の真ん中の下側に鉛筆を立てるといいです。下の図では新しい鉛筆を立てています。鉛筆に木工用ボンドをつけて粘土板に立てると垂直になりやすいです。その上から模造紙の真ん中に鉛筆の太さの穴を空けてかぶせます。朝礼台の上など、日当たりのいい場所に置いて養生テープで紙を固定しておきます。

夕刻まで実験を続けるのであれば、5時には影がかなり伸びますので注意してください。鉛筆を削って短くするか(削った後は事故防止のためにキャップを)、模造紙をもう半分ぐらい継ぎ足さないと影が模造紙からはみ出すかもしれません。夕刻にどれくらい影が伸びるのか、予備実験をしておきましょう。

影の先端に×印をつけて、1m定規で棒の根元まで線を引きます。×印の横には時刻を記録。朝8時スタートとして、1時間ごとに影を鉛筆でなぞっていくと15時が8回目になります。4人班を交代させながら8回行かせれば32人が関わることができます。4人程度なら授業の途中でも線を引きに行かしてもいいと思います。役割としては

①影の先端に×印をつける人②影と棒の根元を定規で結ぶ人③時刻を記入する人④メンバーの名前を記入する人。

一人一実験にすると、全員が16時や17時まで実験を続けることは難しいです。全員で一つの実験にすれば、16時・17時を教師がフォローしてあげることができます。

下の写真が模造紙に記録された鉛筆の影の1時間ごとの様子です。子供たちが鉛筆でなぞった影の線は、教師の方でハッキリとマジックで引き直しました。けっこういい感じに、成功しました。この模造紙を黒板に貼ってみんなで共有しました。また、模造紙を撮影してB5のプリントに印刷して配りました。「太陽はどう動いたのか」「影の長さはどう変化したかな」どについて話し合いました。

南中時刻は地域や時期によって違うらしいですが、それにしてもずれてしまいました。11:30より前に南中しています。方位磁針を使って方位は合わせたつもりなのに・・・。また、15:30ですでに模造紙をはみ出してしまったので、16:30と17:30は諦めました。もっと鉛筆を短くするか、模造紙の横幅を長くすればよかったです。予備実験を怠った悪い例です。

暗幕があれば、懐中電灯を使って影づくり

もし、理科室などで暗幕があるなら、懐中電灯を使って影づくりをさせるのも面白いです。紙で作った小さい人の形または円柱で、机や床に置いた物に光を当てると反対側に影ができます。懐中電灯の光を横から当てると影は長くなるし、上から当てると短くなります。懐中電灯の数が足りないのであれば、教師のデモ実験でもいいと思います。太陽が東から出てきて、西に沈む様子をやってみると、日光でやってみた実験と同じような影の動きを再現して見せることもできます。

理科の時間なので科学的なアプローチが主であるべきかもしれませんが、この単元では「影」の持つ不思議なイメージも同時に感じ取ってくれるといいかなと思います。物理現象とはまた違った「光と影」の存在もまた興味深いです。

下記関連記事も是非ご参照ください。

3年理科「太陽と地面の様子」観察して実感できる授業レシピ | EDUPEDIA

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