1 はじめに
こちらの記事は、静岡県で30年間以上続く教員サークル、シリウスのホームページに掲載されている教育実践法の一つをご紹介しています。
シリウスHP
2 チョークを使って定義を導き出す
ものがとける、とはどういう現象なのか、実験を通して自分たちで定義づける授業をおこなった。
実験1 理科室にあるものを水にとかしてみよう。
実験には下の7つのものを用意した。手当たり次第といった感じでかき混ぜている。とけた・ とけないを訊ねてみるとばらつきが見られた。
< チョークの粉 > < でんぷん > < 砂糖 > < 塩 > < インスタントコーヒー > < しょう油 > < 土 >
・
・・・・・・とけた・・・とけない
チョーク・・18 人・・・15 人
でんぷん・・18・・・・15
砂糖・・・・32・・・・1
塩・・・・・28・・・・5
コーヒー・・33・・・・2
しょう油・・33・・・・2
土・・・・・1・・・・32
とけたか・とけないかの議論があちこちで起こっている。耳を傾けてみると、こんなことを話していた。チョークについてもめているところが多かった。
・チョークは、混ざったんだよ。水に色が混ざったのだと思う。溶けたんじゃあない。
・そうそう。チョークの粉の粒がしたの方に残っているから。
・塩とか砂糖は、蒸発して水の中になくなった。
さて、それから一週間後、理科室に様子を見に行ってみると・・・・、とけていたもの・とけていないものがはっきりと分かれていた。とかしたときと同じように、そのままの状態を保ってい るものもあれば、下に沈殿してしまっているものもあった。これで一目瞭然である。
発問1 班ごと、とけたか・とけないかを決めて下さい
・
・・・・・・1 2 3 4 5 6
砂糖・・・・○ ○ ○ ○ ○ ○
塩・・・・・○ ○ ○ ○ ○ ○
コーヒー・・○ ○ ○ ○ ○ ○
しょう油・・○ ○ ○ ○ ○ ○
チョーク・・× × × × × ×
でんぷん・・× × × × × ×
土・・・・・× × × × × ×
全ての班が一致した答えになった。
発問2 「ものがとけた」とは、どんなときのことを言うのか班ごときまりを決めよう。
子どもたちは、「とける」と「混じる」の違いについて正しく把握していた。実験結果をもとにし て、自分たちの定義を作ることができた。
・下にたまっているものが、水と完全に混ざったとき
・溶かすということは、水と一体化したのがずっと続くということで、混ぜるは一時的に水 と混じること
・ものが溶けて、水と一体化したとき
・ものが溶けて、物でなく水になったとき「とけた」という
・一日二日たたないと答えが出ないもの。しばらくしてから下に沈んでいた 物がなくなった とき
・水と全ていっしょになることを「とけた」という。
3 書籍のご紹介
「教室掲示 レイアウトアイデア事典」(明治図書2014/2/21発売)
「学級&授業ゲームアイデア事典」(2014/7/25発売)
「係活動システム&アイデア事典」(2015/2/27発売)
「学級開きルール&アイデア事典」(2015/3/12発売)
4 プロフィール
静岡県教育サークル シリウス
1984年創立。
「理論より実践を語る」「子どもの事実で語る」「小さな事実から大きな結論を導かない」これがサークルの主な柱です。
最近では、技術だけではない理論の大切さも感じています。それは「子どもをよくみる」という誰もがしている当たり前のことでした。思想、信条関係なし。
「子どもにとってより価値ある教師になりたい」という願いだけを共有しています。
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