帯分数の指導への取り組み ~「帯仮分数?」への対応【教材】

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しっかりと定着の確認を

倍数の学習から、→公倍数→最小公倍数→約数→公約数→最大公約数→約分→通分→分数のたし算ひき算という流れは、前の時間に学習したことを活用して新しい学習を進める必要があります。この一連の流れを教師が俯瞰して捉え、戦略的に学習を進められるか否かで大きく結果がちがってきます。習熟の時間を確保し、しっかりと定着を図り、結果を確認しながら進めるよう、実践することが必要です。

5年生分数のたし算とひき算 ~倍数・約数→通分・約分の指導【教材】
も、ご参照ください。

帯分数は難関

小学校算数において、帯分数は難関です。分数の学習の中でも、帯分数の異分母の足し算ひき算は通分と整数部分からの繰り下がり・整数部分への繰り上がりを理解するにはかなりの習熟を要します。中学校より後は、あまり帯分数を使うことはないのに、小学生にはちょっと荷が重いように思います。

帯分数を習熟するためのミニプリントを作ってみましたのでご活用ください。


【教材】帯分数ミニプリント 問題.xlsx
【教材】帯分数ミニプリント 答.xlsx

帯仮分数

4年生で帯分数の学習をする時に躓くのがたし算の時に「4と5/4」のように、帯分数と仮分数が混ざってしまう答になるパターンです。私はこれを「帯仮分数」と勝手に名前をつけて、教えています。「あー、帯仮分数になっちゃったね。帯分数に直そうか」と言って、「4と5/4」を「5と1/4」に直すようにします。
上記ミニプリント教材に帯仮分数を帯分数に直すプリントが含まれているので、ご活用ください。
ひき算の時は、分数部分でのひき算ができないパターンがあります。例えば、「3と1/3」から「1と2/3」を引く場合です。この場合、被減数「3と1/3」の整数部分「3」から「1」を分数部分に繰り下げ(?)て、「2と4/3」という帯仮分数を作らなくてはなりません。この時にも、「帯仮分数」という言葉を使うと便利です。
私の自治体が使っている東京書籍の算数教科書(5年生)では帯仮分数を必要とする問題は掲載されていませんが、業者から購入しているテストには帯仮分数の理解が必要な計算が出題されていたので、やむを得ず教えました。
添付ファイルのプリントは、ひき算で整数部分からの繰り下がりをする必要がある計算(帯仮分数を生成してひき算をする計算)は、作りませんでした。私は原則、仮分数にしてから計算をするように指導します。その方が合理的に思えるからです。しかし、塾等で先行して学習している子供に対しては、「慣れている人は帯仮分数を作って計算してもいいよ」と言っています。この辺りの取り扱いは難しいですね。

5年生での帯分数の指導

5年生で帯分数の指導をする際には、上記ミニプリントを4年生の内容から復習するところから始めるといいと思います。分数が苦手な子供は、5年生になったら4年生の帯分数を忘れてしまっていることが多いからです。
倍数→約数→異分母分数のたし算ひき算→異分母帯分数のたし算ひき算
と、一連の分数に関わってくる内容をのフィニッシュとしては、5年生での帯分数の時間配当はたったの1時間です。1時間では到底できる問題ではありませんので、この1時間を見越した指導戦略を立てる必要があります。スモールステップを準備してコツコツと繰り返して指導するのが一番だと思います。じっくり取り組んでいきましょう。

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