しっかりと定着の確認を
倍数の学習から、→公倍数→最小公倍数→約数→公約数→最大公約数→約分→通分→分数のたし算ひき算という流れは、前の時間に学習したことを活用して新しい学習を進める必要があります。この一連の流れを教師が俯瞰して捉え、戦略的に学習を進められるか否かで大きく結果がちがってきます。習熟の時間を確保し、しっかりと定着を図り、結果を確認しながら進めるよう、実践することが必要です。
5年生分数のたし算とひき算 ~倍数・約数→通分・約分の指導【教材】
も、ご参照ください。
(約数を思い浮かべるために)覚えておくと役に立つ倍数
11・12・14・15・16・18・24・25の倍数(×10まで)を何度か練習させておくと、今後の約数の学習にもつながってきます。約数を頭に思い浮かべるには、倍数を覚えておく必要があります。完全に覚えておけとは言わないまでも、うっすらと84が14の倍数であることが分かると何かと約数を思い出すときに便利です。プリントを作ってみました↓ので、ご利用ください。
3回ぐらいやらしてあげると、なんとなく、頭に入ってくると思います。
小学校での最大公約数
最大公約数がある程度すぐに出てくるようでないと約分や通分をする時に時間がかかって仕方ありません。たとえば24/36を通分するのに24/36 → 12/18 → 6/9 → 2/3 と、2や3でわっているようでは、イライラして嫌気がさしてきます。24と36が12でわれることを知っていれば、すっきりとした計算になります。
最大公約数の習熟
約分の際に最大公約数がすっと頭に浮かぶように、「約数→公約数→最大公約数」の順に、しっかりと習熟をさせなくてはなりません。いきなり多くの問題を与えると、苦手な子供が拒絶反応を起こしますので、少ない問題数を何度も与えるようにします。授業の最後の10分や「さようなら」をした後の居残りでできる程度の量の問題を作りました。
この↑程度の問題数であれば、教師が一人ずつ丸つけをしても15分程度で片付きます。丁寧に、最後の子供ができるまで見てあげてください。
小学校の最大公約数は3パターン
2つの数の最大公約数は、3パターンに分けて教えるとよいでしょう。
2つの数の最大公約数の求め方は、3パターンあります。
① 「5と4」のような、公約数が「1」しかない2つの数。
たとえば、 5・4 → 1
② 一方がもう一方の倍数である場合・・・小さい方の数になります。
たとえば、 8・24 → 8
③ ①②以外の場合 ・・・・ 2つの数が、何の倍数か(九九の何の段か)を考える。
または、小さい方の数の約数を考えてみる。
たとえば、 12・18 → 6
3つのパターンの演習用のプリントを作りました↓ので、ご利用ください。
【教材】最大公約数3つのパターン.xlsx
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この中で面倒なのが③です。
覚えておくと役に立つ最大公約数(100以下の数の最小公倍数)
そこで、③のうち、小学校で出題される程度で最大公約数を求める2つの数が100以下になるパターンを抽出してみました。
A4で印刷できるファイル↓を添付しました。問題もついています。
上の↑ファイルの中で、まず習熟させたいのが下↓の「問題(1)」です。ハーフサイズなので、こちらから習熟させるとよいと思います。先に答プリントを配っておいて答えの部分を隠しながら記憶するように練習させておきます。宿題にしておいてもいいでしょう。その後、授業始めの3~4分で問題を解かせ、3分で答え合わせをします。これを3~5回繰り返してやれば、かなりの割合の児童が暗記できます。是非、トライしてみてください。
「問題(1)」が余裕でできるようになれば、「問題(2) 答」にトライさせるのもいいでしょう。だいたいこのプリントの範囲の最大公約数に慣れていれば、大丈夫でしょう。「問題(2) 答」をプリントして配って、答えの部分を隠しながら記憶するように練習させましょう。その後、問題プリントを何回かやらせてみましょう。
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