5年生分数のたし算とひき算 ~倍数・約数→通分・約分の指導【教材】

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作成者:matui hiroshi (Edupedia編集部)さん

多い手順

5年生は異分母の分数のたし算とひき算を学習します。これは、6年生のかけ算とわり算より難しいかもしれません。確かにかけ算とわり算の理屈(どうして分母分子をかけ合わせるのか)は難しいですが、手順さえ覚えれば後は約分の知識だけで解くことができます。それに比べ、たし算とひき算をする場合は複雑な手順が要求されます。下の①~⑩の項目をきっちりと理解・習熟しながら進めていかないと多くの落ちこぼしを生み出してしまいます。算数の躓き始めが分数であるのはこの手順の難しさからくるのではないかと思われます。

① 倍数
② 公倍数(①の理解が必要)
③ 最小公倍数(②の理解が必要)
④ 約数
⑤ 公約数(④の理解が必要)
⑥ 最大公約数(⑤の理解が必要)
⑦ 約分(⑥の理解が必要)
⑧ 通分(③の理解が必要)
⑨ 分数のたし算ひき算(⑦⑧の理解が必要)
⑩ 帯分数のたし算ひき算(⑨の知識を踏まえた上で、4年生での帯分数の理解の上に成り立つ)

異分母の帯分数のたし算ひき算の問題を解くには手数が多く、一連の学習内容①~⑩をやり抜くにはかなり多くの問題をこなさねばなりません。これらの習熟には十分な時間をかける必要があるのに、配当時間はあまり多くありません。途中のどこかで習熟を怠ると、⑨や⑩で行き詰ってしまいます。

異分母のたし算ひき算(通分・約分)の手順の難しさ

例えば、3/20 + 4/15 は、かなり複雑です。

(1) 最小公倍数を60と見抜かなければ20×15で分母が300となり、苦しい計算を強いられます。
(2) (最小公倍数を60と見抜けたとして、) 60÷20=3を計算した後3×3=9
(3) 60÷15=4を計算した後4×4=16
ここまでが通分で、この後、
(4) 9+16=25
(5) 25/60の公約数を5と見抜く。
(6) 25÷5=5
(7) 60÷5=12

です。計算の苦手な子供は躓いてしまって当然でしょう。通分の習熟が重要となってきます。

短い時間の繰り返しの習熟を

教師が一連の学習内容(①~⑩)をきちんと見越して習熟を図る必要があります。手順が多いわりに配当時間が少ないので、習熟の機会を作るのが難しいです。そこで、子供たちには少しの問題を繰り返し与えます。
まず、異分母の分数のたし算・ひき算の計算をする際に、通分が必要となり、通分を行う時に最小公倍数がすぐに頭に浮かぶように習熟しておかないと、計算の精度が上がらず、もたつきます。

習熟のために、小学校で出題される程度で最小公倍数が100以下になるパターンを抽出してみました。
A4で印刷できるファイル↓を添付しました。問題もついています。

【教材】100までの最小公倍数A.xlsx

上の↑ファイルの中でも、必ず覚えさせたいのが下↓の「問題(1)」です。まず、こちらから覚えさせるとよいと思います。先に答プリントを配っておいて答えの部分を隠しながら記憶するように練習させておきます。宿題にしておいてもいいでしょう。その後、授業始めの3~4分で問題を解かせ、3分で答え合わせをします。これを3~5回繰り返してやれば、かなりの割合の児童が暗記できます。是非、トライしてみてください。

これ↑をしっかりと習熟したうえで、下図↓のような「ミニプリント」を作成しましたので、ご活用ください。

ダウンロードはこちら↓です。
5年分数 問題 【教材】.xlsx
5年分数 答 【教材】.xlsx

これぐらいの問題数であれば、理解が難しい子供でも、それほど長い時間はかかりませんので、短時間で答え合わせまでたどり着きます。

教師にも子供にも達成感を

私も何度も5年生を担当しましたが、5度目に担当した辺りでこの①~⑩の過程を強く意識し、できるだけきちんと積み上げながら習熟をさせるように努めました。結果、ほとんどの子供たちが力をつけることができ、テストの平均点が12点ほど上りました(同じ子供に同じテストをさせたわけではないのであくまで参考記録ですが)。
下記はEDUPEDIAでご提供している異分母の分数のたし算ひき算に関連する記事と(ミニ)プリント類です。ご参照、ご利用ください。

倍数・公倍数・最小公倍数 →通分・分数のたし算ひき算の授業【教材】
→ 【教材】知っておくと便利な倍数.xlsx
→ 【教材】100までの最小公倍数A.xlsx
→ 【教材】5年算数分数・倍数・約数.xlsx 
→ 【教材】5年算数分数・倍数・約数 答.xlsx 
→ 【教材】最小公倍数3つのパターン.xlsx

約数の授業 ~100までの約数【教材】
→ 【教材】100までの数の約数.xlsx

約数・公約数・最大公約数 →約分・分数のたし算ひき算の授業【教材】
→ 【教材】最大公約数3つのパターン.xlsx
→ 【教材】100までの数の最大公約数.xlsx

帯分数の指導への取り組み ~「帯仮分数?」への対応【教材】
【教材】帯分数ミニプリント 問題.xlsx
【教材】帯分数ミニプリント 答.xlsx

全部のプリントを印刷し、やり通す覚悟で臨んでみてください。

さらに、清風堂書店がシリーズで出版する下のプリントも有効なので是非ご購入してご活用ください。


このシリーズは初級・中級・上級とありますので、子供たちの様子を見た上で印刷して与えるとよいと思います。たくさん量がありますので、一度に与えず、こまめにプリントを渡して解かせてください。宿題にしてしまっては力がつきません。できる限り答え合わせは教師が一人一人、対面でやります。列に並ばせて○×をつけ、何度でも並び直して全問正解になるまで頑張らせます。

答え合わせをスピーディーに

予定通り(配当時間通り)のペースで分数の授業をやりながらこれだけのプリントをこなすのはたいへんなので、他の教科の授業を少し早めに切り上げて「ミニプリント」をし、授業中にできなければ休み時間や朝や放課後の時間に根気よくやり残した問題を解かせました。「時間」も「期間」もかけて、次の単元に入ってもまだ授業を早く終わることができる時には分数のプリントを解かせ続けました。①~⑩まで、約2ヶ月の時間配当のところを、約3カ月の期間をとって習熟させました。「時間」と「期間」を十分に確保し、たくさんの問題を解かせることがポイントです。異分母の帯分数のたし算ひき算まで走り抜けるのはたいへんでしたが、充実感がありました。
若い時代には「何人かは理解できなくても仕方ないか」と、やや諦めがあったのですが、諦めてはいけないことに気が付きました。教師も子供も「積み上げの先にある達成」を経験することが必要であると思います。

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