「どうぶつの赤ちゃん」(光村図書1年国語)を3つに分けて読解

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単純な構成

どうぶつの赤ちゃんはライオン・シマウマ・カンガルーについて、独立して述べられた説明文で、「はじめ」に相当する文が短く、「おわり」に相当する文がないという、極めて単純な構成で書かれています。特に何か結論や主旨があるわけではありません。3種類の動物それぞれについて、楽しく読むことができればいいでしょう。3種類に動物に関して、それぞれに
① 生まれた時の大きさ(重さ)と目や耳の様子
② 移動の手段(歩けるかどうか)
③ 食べ物を得る方法(母の庇護から自立するまで)
についてが簡単に述べられています。

3匹にヒト(自分たち)も加え、比べながら読むことができればいいのですが、読む力が弱い1年生の子供たちにとって3匹の①②③について、全文を通して比較しながら読み取ることは難しいと思います。話が数ページにまたがっている事は、長文に慣れていない子供が読み取りを進めるに当たって妨げなります。授業では1種類ずつ順番に読み進める方法より、①②③の観点に絞って読解した方がいいかもしれません。

俯瞰して見る

そこで、全文を1つのペーパー(B4)にまとめて縦に段落(①②③)が並ぶ形にしてみました。3段組みにして、1段目にライオン、2段目にシマウマ、3段目にカンガルーという分かりやすい見た目を作ります。子供たちに①②③の切れ目(下図の縦青線)を引かせて、全文を俯瞰できる形を作ります。

こうして見てみると、
1(はじめの段落)+3×3=10段落
から構成されているのがよく分かります。

その上で、①②③を縦に読んで、まとめながら1枚ずつのペーパーに来書き込ませます。下図の3枚、B5の紙に書かせました。

非常にシンプルな授業でしたが、子供たちは文の内容もよく理解できたようです。
各段落で、3種類の動物を比べるとともに、人についても考えさせて、

「人間の赤ちゃんは生まれた時、どれくらい?目は見えている?耳は聞こえている?」・・・目はほぼ見えていない、耳もそれほど具体的な音を聞き分けてはいないそうです
「人間はいつごらから歩くのかな?」・・・1年3カ月ぐらいからだそうです
「人間が自分で食べ物を取ってこれるようになるのはいつ?」・・・これは、考え方によりますね。日本では15歳になった年度の次の年度初めから働けますので、16歳になる年度ということになるかな。小学生でも野菜ぐらいは育てられますけどね。

などという話を交えて3匹の動物を比べながら話を進められると楽しいですよ。
ヒトは、「長い保護の下で大きな脳を活かすことができるように成長する」という特殊性を持っていると言えそうですね(それは、1年生には難しい話ですが)。

余談ですが、シマウマはライオンに食べられる運命です。けっこう過酷で悲しい映像がYOUTUBEにアップされています。・・・ウマもシマウマも、そう変わらないのだから、何もシマウマをチョイスすることはなかったのではないかと思うのは私だけ?

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