中学歴史〜産業革命〜(自主学習用教材「こころの窓」第38回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの日本史教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第38回「産業革命」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日もがんばりましょう。

今日のお題は、「産業革命(さんぎょうかくめい)」です。

18世紀(1700年代ですよ)になると、イギリスで産業革命が起こります。この産業革命というのは、簡単に言うと、今まで手作業でいろんな物を作っていたものを、機械で作るようになって一度にたくさんの物が作れるようになったという大きな変化のことをいうのです。

具体的に説明すると、イギリス人のジェームス・ワットという人が、蒸気機関(じょうききかん・・・蒸気の力を利用して物を動かす機械)を発明しました。この当時、ヨーロッパの国では綿織物(めんおりもの)が流行していましたが、すべて手作業で作っていたので、一度にたくさんの綿織物が作れませんでした。しかし、蒸気機関を利用した、綿織物の機械が発明されたために、一度にたくさんの綿織物をつくることができるようになったのです。

また、蒸気機関車(下の絵)や蒸気船(じょうきせん)もつくられ、このたくさんの綿織物を世界中に売ることができるようになったのです。このように、工業で急激に機械化が進んだ社会の変化を産業革命というのです。今日はちょっとむずかしい歴史ですね。でも、その後の歴史を勉強していくうちに、だんだんと分かってきますので心配しないでください。

このように、産業革命が起こると、大きな工場を経営する資本家(しほんか・・・社長のこと)が、たくさんの綿織物を世界中に売って、お金持ちになっていきました。しかし、その工場で働く人たちは、安いお給料で働かされたので、大金持ちの社長と貧しい労働者との、貧富の差(ひんぷのさ)が大きくなっていきました。このような社会のしくみを資本主義(しほんしゅぎ)といいます。資本主義の国では、自由に物を作って商売ができましたが、お金持ちと貧しい人の差も生まれたのです。

この資本主義に反対して、大工場を経営するのは国だけに限って、勝手に工場を作って自由に商売してはいけないという考え方が生まれました。この考え方を社会主義(しゃかいしゅぎ)といいます。社会主義の国では、自由に商売はできませんが、お金持ちと貧しい人との差はほとんどないのです。

今日の歴史は少し難しかったですか。

余談ですが、現在電気の単位にワットという単位があるでしょう。あれは、蒸気機関を発明したジェームス・ワットとからとったものだそうです。こんなふうに、蒸気機関車や蒸気船を調べると、おもしろいお話がたくさんありますので、調べてみてください。

では、復習問題にチャレンジしてください!

復習問題

1.イギリスに始まった産業革命について、説明してください。

イギリス人のワットという人が、蒸気機関を発明しました。この当時、ヨーロッパの国では綿織物が流行していましたが、すべて手作業で作っていたので、一度にたくさんの綿織物が作れませんでした。しかし、蒸気機関を利用した、綿織物の機械が発明されたために、一度にたくさんの綿織物をつくることができるようになったのです。また、蒸気機関車や蒸気船もつくられ、このたくさんの綿織物を世界中に売ることができるようになったのです。このように、工業で急激に機械化が進んだ社会の変化を産業革命というのです。

2.資本主義について説明してください。

産業革命が起こると、大きな工場を経営する資本家が、たくさんの綿織物を世界中に売って、お金持ちになっていきました。しかし、その工場で働く人たちは、安いお給料で働かされたので、大金持ちの社長と貧しい労働者との、貧富の差が大きくなっていきました。このような社会のしくみを資本主義といいます。資本主義の国では、自由に物を作って商売ができましたが、お金持ちと貧しい人の差も生まれたのです。

3.社会主義について説明してください。

資本主義に反対して、大工場を経営するのは国だけに限って、勝手に工場を作って自由に商売してはいけないという考え方が生まれました。この考え方を社会主義といいます。社会主義の国では、自由に商売はできませんが、お金持ちと貧しい人との差はほとんどないのです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第38回「産業革命」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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