中学地理〜東南アジア〜(自主学習用教材「こころの窓」第11回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第11回「東南アジア」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。よくがんばってますね~。では、今日も一緒に勉強しましょう!

今日のお題は「東南アジア」です。

下の地図にある地域が東南アジアです。タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ブルネイの10この国があります。

長い間、シンガポール以外のほとんどの国は、発達が遅れていました。そこで、東南アジアの国々は、アメリカや日本のように工業を発達させるために、東南アジア諸国連合(ASEAN・・・アセアン)という経済協力のためのグループをつくったのです。このアセアンは、ただグループをつくったのではなく、アメリカや日本の企業を自分の国に受け入れて工場を建ててもらい、工業を発展させていったのです。現在はこのアセアンに、東南アジアのほとんどの国が加盟しています。

それでは、アセアンのなかの国から、まずタイを紹介します。タイは昔から二期作(にきさく・・一年で同じ田んぼから二回米を作ること)を行い、たくさんの米を世界中に輸出していました。しかし、現在ではアメリカや日本の企業を受け入れ、機械や自動車が輸出の中心になり、輸出額も昔と比べると何十倍にも増えたのです。うまく工業を発展させたのですね。

次にマレーシアを紹介します。マレーシアは昔から天然ボムの生産で有名でした。しかし、現在はタイと同じように輸出の半分近くは機械類にかわり、輸出額も増えました。もうひとつ、石油の輸出がさかんだったインドネシアも、現在では機械類の輸出に変わっていったのです。

このように、アセアン諸国は、アメリカや日本の力を借りてうまく発展していきました。しかし、よいことばかりではなく、いくつかの問題もあります。それは、急激な工業の発達で、今まで農家で働いていた人々が、仕事を求めて都市に移り住むようになりました。しかし、人口もたくさん増えたため、仕事がなくなってしまった人たちはホームレス(家や仕事をなくした人たち)となり、環境の悪いところに集まって住んだため、その地域がスラム(貧しい人たちが住む地域で、病気や犯罪が多いところ)となっていったのです。アセアンのこれからの大きな課題ですね。

は~い。お疲れ様。では、復習問題へ進んでください。

復習問題

1.ASEAN(アセアン)について、説明してください。

東南アジアの国々は、自分の国をアメリカや日本のように工業を発達させるために、東南アジア諸国連合(ASEAN・・・アセアン)という経済協力のためのグループをつくったのです。このアセアンはただグループをつくったのではなく、アメリカや日本の企業を自分の国に受け入れて工場を建ててもらい、工業を発展させていったのです。現在はこのアセアンにほとんどの国が加盟しています。

2.タイやマレーシアの発達の様子についてまとめてください。

タイは昔から二期作を行い、たくさんの米を世界中に輸出していました。しかし、現在ではアメリカや日本の企業を受け入れ、機械や自動車が輸出の中心になり、輸出額も昔と比べると何十倍にも増えているのです。

また、マレーシアは昔から天然ボムの生産で有名でした。しかし、現在はタイと同じように輸出の半分近くは機械類にかわりました。

3.東南アジアがかかえる問題についてまとめてください。

急激な工業の発達で、今まで農家で働いていた人々が、仕事を求めて都市に移り住むようになりました。しかし、人口もたくさん増えたため、仕事がなくなってしまった人たちはホームレスとなり、環境の悪いところに集まって住み、その地域がスラムとなっていったのです。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第11回「東南アジア」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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