中学地理〜アフリカ合衆国の工業〜(自主学習用教材「こころの窓」第23回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第23回「アメリカ合衆国の工業」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

元気にしていましたか。

今日も一緒に勉強をがんばりましょう。

今日のお題は「アメリカ合衆国の工業」です。

アメリカ合衆国が建国したのが1775年ですから、国ができて、まだ250年ほどしかたっていません。でも、アメリカにはたくさんの鉄鉱石や石炭や石油があったので、これらの資源を利用して世界一の工業国に成長したのです。下の地図を見てもらうと分かりますが、五大湖の近くのデトロイトでは自動車の製造業が急速に発展しました。またその南のピッツバーグでは鉄鋼業が発展したのです。その後、20世紀後半になると少しずつおとろえていきました。しかし、北緯37度より南のサンベルトと呼ばれる地域で新しい産業が発達していきました。さらに現在では、コンピューターやインターネット関連のIT産業が発達しています。特にアメリカ西側のシリコンバレーという地域には、アップル、インテル、グーグル、フェイスブック、ヤフーなどのソフトフェア関連の会社がたくさんあります。また、このような大企業は、いろんな国で会社を経営しているので、そのような企業(会社)を多国籍企業(たこくせききぎょう)と言うのですよ。

次に、下の「世界の大企業番付」を見てください。これは世界で活躍している大企業の世界ランキングです。一位はアメリカのスーパーマーケットのウオルマートという会社です。さすがはアメリカですね。しかし、2位から4位までは中国が入っています。かつて世界のトップを走っていたアメリカの石油会社や自動車会社は、5位以下になってしまいました。また、日本の最高は10位のトヨタ自動車です。この他、アマゾンやアップルといった、コンピューター関連のIT産業が間もなくトップ10に入ってきそうですね。

今日の勉強はどうでしたか。最近は若い人たちが、たくさん起業(きぎょう・・・新しい自分の会社をつくること)しています。あなたも将来の社長を夢見て、新しいアイデアをいかして起業してみてはどうですか。

お疲れ様。では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.サンベルトと呼ばれる地域のことについて説明してください。

20世紀後半になると、デトロイトの自動車産業などにかわって、北緯37度より南のサンベルトと呼ばれる地域で新しい産業が発達してきました。この地域では現在、コンピューターやインターネット関連のIT産業が発達しています。

2.シリコンバレーについて簡単にまとめてください。

アメリカ西側のシリコンバレーという地域には、アップル、インテル、グーグル、フェイスブック、ヤフーなどのソフトフェア関連の会社がたくさんあります。

3.もしあなたが起業するなら、どんな会社をつくりたいか、あなたの考えをまとめてください。

将来はどんな会社を経営しようかな、なんて考えるのも夢があっていいですね。でも、他の人と同じモノを作っていては、なかなか成功しないかもしれませんので、自分のアイデアをいかして考えをまとめてください。

<もし私なら>
水と空気だけで走る環境にやさしい、小型の自家用飛行機を制作して販売してみたいなあと思います。道路はもう車でいっぱいです。これからはコンピューターで操作できる、5人乗りくらいの小型飛行機の時代が来ると思います。そんな会社をつくってみたいと思います。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第23回「アメリカ合衆国の工業」

ほかの単元の記事もご覧になりたい方はこちら

4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

0
23-1.png

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA