中学地理〜南アメリカの国と自然〜(自主学習用教材「こころの窓」第25回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第25回「南アメリカの国と自然」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日も「こころの窓」を開けてくれてありがとう。
では一緒にがんばりましょう。

今日のお題は「南アメリカの国と自然」です。

南アメリカは、日本から見るとちょうど反対側にある大きな大陸です。下の地図を見てください。西側にアンデス山脈が走り、アンデス山脈から東側に向かって、流域面積が世界1位のアマゾン川が流れています。また、アマゾン川の中心に赤道が走っているため、アマゾン川にはたくさんのジャングルがあります。

また、南アメリカにはもともと先住民が住んでいました。有名な「マチュピチュ」という遺跡(いせき)も、15世紀頃に先住民達がアンデス山脈につくられたインカ帝国の遺跡なのです。しかし、16世紀になる、スペイン人とポルトガル人によってこの文明は滅ぼされ、植民地にされてしまったのです。現在、南アメリカにはいくつかの国がありますが、ほとんどがスペイン人やポルトガル人によってつくられた国なのです。だから、ブラジルではポルトガル語が公用語として使われていますし、ペルーではスペイン語が公用語として使われているのです。

それから、このスペイン人やポルトガル人と、南アメリカの先住民との間に生まれた混血の人たちをメスチソと呼びます。また、アフリカから連れてこられた黒人と先住民との間にも混血が進みました。しかし、スペイン人やポルトガル人や先住民や黒人との間には、人種差別という考えがほとんどなかったために、いろんな人種が平和に共存しているのです。これはすばらしいことです。ここがアメリカ合衆国と決定的に違うところだと思います。

話は変わりますが、南アメリカにも美しい自然がいっぱいあります。たとえばエクアドルにあるガラパゴス諸島というところがあります。ここは周りが海に囲まれているので、世界からの影響をあまり受けずに独自の進化をとげてきたところです。だから、昔の携帯を「ガラケイ」とよんだこのガラはここから来ているのです。他にも、ブラジルのイグアスの滝、ペルーのチチカカ湖、アルゼンチンで見られるパタゴニアの氷河などは世界的に有名な観光地がたくさんあります。

それから、ブラジルには、有名なリオのカーニバルという世界3大祭りのひとつがあります。この世界3大祭りは、あとスペインのバーゼルと、イタリアのベネチアカーニバルです。日本でもそうですが、お祭りは世界中どこでも大人気ですね。

は~い。ご苦労様でした。では、復習問題に進んでください。

復習問題

1.なぜ、南アメリカでの国々では、スペイン語やポルトガル後が使われているのですか。

16世紀になる、ともともと住んでいた先住民の国が、スペイン人とポルトガル人によって滅ぼされてしまったのです。現在、南アメリカにはいくつかの国がありますが、ほとんどがスペイン人やポルトガル人によってつくられた国なのです。だから、ブラジルではポルトガル語が公用語として使われ、ペルーではスペイン語が公用語として使われているのです。

2.メスチソについて、説明してください。

このスペイン人やポルトガル人と、南アメリカの先住民との間に生まれた混血の人たちをメスチソと呼びます。また、アフリカから連れてこられた黒人と先住民との間にも混血が進みました。しかし、スペイン人やポルトガル人や先住民や黒人との間には、人種差別という考えがほとんどなかったために、いろんな人種が平和に共存しているのです。

3.南アメリカにも、マチュピチュの遺跡をはじめ、たくさんの観光地があります。あなたが行ってみたい観光地をひとつ選んで、調べて紹介してください。

行ってみたいところを調べてまとめてください。

<ちなみに私は>
ペルーのナスカの地上絵を一度見たいと思っています。何のために、誰がどうやってつくったのか、謎に包まれているところが魅力的です。行けるかなー?

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第25回「南アメリカの国と自然」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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