1 はじめに
今回のインタビュー記事は、教育系の学部を卒業し、当時社会人3年目の岡田さんに取材したものです(取材日は2021年10月9日)。岡田さんは新卒で地域活性化を目指す会社に入社したのち、障害者向け就労支援事業や子どもの可能性を拡げる教育事業等、障害福祉領域において複数の事業を展開している株式会社LITALICOに転職を経験されました。
2 ボランティアの経験が教育に興味を持つきっかけに
高校生の時に行った東北でのボランティアの経験で、誰かの役に立とうと思って行動したことが、結果的に自分の学びにもなるという学びの相互性に気づいて、教え育てる側の成長について勉強してみたいと思い、教育学の勉強をしたいと考えました。
そして、お茶の水女子大学の文教育学部に推薦入試で合格しました。
3 学生から社会人へ
せっかく文教育学部に入ったので、教育を色んな観点から見てみる4年間を過ごしたいと思い、塾講師のアルバイトや、株式会社LITALICOのインターンシップを経験しました。また、小学校でのボランティアや、世界の教育を学ぶためのフィンランドへのツアー参加、ROJEでの五月祭教育フォーラムの活動にも携わりました。
就活の時には、学生の間も一貫して教育に興味を持ち、仕事としても教育に関わっていきたいと考えるなかで、特に子育て支援の分野に興味を持ち、子どもを育てやすい地域づくりに関われたらと、地域活性化の事業を展開する企業を志望しました。
そのなかでも、学生時代の色々な経験から、自分自身で手を動かして仕事を覚えていく方が向いていると感じていたので、ベンチャー風土のある企業を選びました。会社の理念、事業に自分が共感できるのかどうか、入社後の仕事の仕方が自分に合っていそうかが職業選択の軸だったように思います。
仕事内容は地域情報サイトの営業で、個人店への訪問と掲載依頼をしていました。地域住民の思いや地域の魅力を発信する仕事です。今まで関わることのなかった地域の人々との関わりを持つなかで仕事としての最大のやりがいを感じました。
しかし、若いうちに他の仕事にもチャレンジしたいと思うようになり、転職を決意します。
4 セカンドキャリア
大学生時代にインターン経験があった株式会社LITALICOでセカンドキャリアをスタートさせます。株式会社LITALICOは就労支援事業や児童教育を行っている会社です。 障害者の就労移行支援事業から始まり、発達障害児の支援事業、幼児の教育事業と展開しており、「 障害のない社会をつくる 」というビジョンを掲げています。
この企業では、大手企業への法人営業やイベント開催等、幅広い仕事を経験しています。同じ営業職といっても、営業する先や商材が全く異なるので、ファーストキャリアとは仕事は大きく変化しました。向き合う相手が増え、クライアントとその先にいる障害児とその親御さんによいコンテンツを届けたいと思うようになりました。発達障害や育児の情報はまだまだ少ない中で、そのニーズを調査し、形にする……そうしてお客様に感謝されること、世にないコンテンツ、唯一無二のものを社会に生み出すことにはやりがいを感じます。
今後も、自分がその仕事に対して誠実であるか、自分の仕事が周りの関わる人に感謝されているものか、自分の力が社会に還元できているかを確認しながら、仕事を続けたいです。
5 この記事を読む皆様へ
学生時代には悩んだらまずは行動を起こすようにし、少しでもいいので経験をしてみるというのをおすすめします。ボランティアやインターンなど、学生は経験を積む機会に恵まれているので、機会を逃さないようにするためにも日ごろからアンテナを張っておきましょう。
また学生が悩んでいることは、今の大人たちが学生時代に同じように悩んでいたことが多いと思うので、人生の先輩に話を聞いてもらうとよいと思います。
6 編集後記
岡田さんは常に上昇志向があり、積極的に挑戦できる方だと感じました。岡田さんのように自分の経験が自分の価値観や進路、キャリアを導いてくれるケースは多くあるものだと共感し、自分が本当はどうありたいのかを見つめなおさなければと考えさせられました。
(文責、編集:EDUPEDIA編集部 般若莉子)
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