中学地理〜近畿地方の農林水産業〜(自主学習用教材「こころの窓」第48回)

1 はじめに

本記事は、東近江市の元中学校校長で現在は小学校講師を務める雁瀬徳彦さんが作成した「こころの窓」の内容を引用・加筆させていただいたものです。「こころの窓」は中学生向けの地理教材で、不登校の生徒や、学校に登校できても教室に居られず別室で過ごす生徒が一人で勉強できるように作られています。雁瀬さんの取り組みに関しては、こちらの記事もご参照ください。

本記事では、第48回「近畿地方の農林水産業」の内容について紹介しています(教材の本文は編集せずに掲載しております)。ほかの単元の記事をご覧になりたい方はこちら

2 「こころの窓」について

教材の一枚目を見ていただくと分かりますが、教材の文章を読むと歴史の流れがよく分かります。現在使用されている学校の教科書は写真も多くとても見やすいように思いますが、初めて歴史を学ぶ子どもたちにとって、とても難しい写真や資料です。また、教科書の文章には事実が羅列されているだけなので、歴史の事象がドラマティックであることや、当時の武将がどんな思いで戦いや政治を行っていたかという感動が伝わってきません。だから、不登校の子どもたちが学校の教科書だけを使って一人で勉強しようと思ってもなかなか続かないのです。

そこで、子どもたちが一人で楽しく歴史の勉強ができるようにプリントを作成しました。また、次のページには復習問題があります。ほかの教材だと、「794年に何がありましたか」という語句を答えさせる問題が主流です。このプリントには語句を答えさせる問題ではなく、「なぜ、都を奈良から京都に移したのですか」という問題が載っており、起こった事実に対して、その原因や結果について子どもたちに考えさせる問いになっています。

解説編

こんにちは。今日も一緒に勉強しましょう。

今日のお題は「近畿地方の農林水産業」です。

近畿地方にも特長のある農業や漁業が昔からさかんです。まずはなんと言っても、日本一の生産量をほこる和歌山のみかんですね。その中でも特に400年以上の歴史を持っている有田(ありた)みかんが有名です。私の友達が毎年、有田みかんを送ってくれますが、本当においしいです。和歌山のみかんを食べたら他のみかんが食べられなくなるくらいおいしいですヨ。

次は、三重県の志摩半島のリアス式海岸では、これも昔から真珠(しんじゅ)の養殖が盛んです。真珠ってどうやってできるのか知っていますか。実は真珠は貝の中でできるのです。自然にできることもありますが、売られている真珠はすべて養殖です。日本ではアコヤガイを使って養殖しています。
次は、日本海で冬に捕れるカニです。特にたくさん捕れるのがズワイガニです。しかし、このカニはずいぶん前から、たくさん捕りすぎたために減ってきたのです。そこで、漁をする人たちは、捕るカニの大きさや漁の期間を制限して、昔のようにたくさんカニが捕れるように考えながら漁をしています。あなたは、ほんもののカニを食べたことはありますか。私は大好きです。日本海に行けば生のカニが食べられます。一度食べるとやみつきになるくらいおいしいですヨ。

さて、次は、琵琶湖の鮎(アユ)です。鮎は美しい川なら日本中どこにでもいます。川で生まれた鮎は一度海に出て大きくなり、また川に戻ってきて秋に産卵します。でも、琵琶湖の鮎は琵琶湖で大きくなって滋賀県のいろいろな川を上ってきます。愛知川にもたくさんの鮎がいます。6月の梅雨の時期に川にたくさんの水が出ると、琵琶湖から鮎が上がってきます。塩焼きにしたりアメ炊きにすると、とてもおいしい魚です。

では、最後に林業について説明します。近畿地方には、京都の北山杉(きたやますぎ)や奈良の吉野杉(よしのすぎ)などの有名な木材があります。色が美しく香りもいいので、家の建築材料や家具などに加工されます。しかし、安い外国の木材がたくさん輸入されるようになったのであまり売れなくなり、林業で働く人も少なくなってきました。ただ、森林は二酸化炭素を吸収し、地球の温暖化の防止に役立つということで、少しずつ林業が見直されはじめ、植林(しょくりん・・人工的に木を植えること)も進められています。やっぱり、環境に優しい取り組みが大切ですね。

はーい!今日もよく頑張りました。では復習問題に進んでください。

復習問題

1.近畿の農業の特色についてまとめてください。

近畿を代表する農作物と言えば、日本一の生産量をほこる和歌山のみかんです。その中でも特に400年以上の歴史を持っている有田みかんが有名です。和歌山のみかんを食べたら他のみかんが食べられなくなるくらいにおいしいです。

2.近畿の漁業について特長をまとめてください。

三重県の志摩半島のリアス式海岸では、昔から真珠の養殖が盛んです。真珠は貝の中でできるのです。自然にできることもありますが、売られている真珠はすべて養殖です。日本ではアコヤガイを使って養殖しています。それから、日本海で冬に捕れるカニが有名です。特にたくさん捕れるのがズワイガニです。しかし、ずいぶん前からカニをたくさん捕りすぎたために減ってきたのです。そこで、漁をする人たちは、捕るカニの大きさや漁の期間を制限して、昔のようにたくさんカニが捕れるように考えながら漁をしています。最後に、琵琶湖の鮎漁です。鮎は美しい川なら日本中どこにでもいます。川で生まれた鮎は一度海に出て大きくなり、また川に戻ってきて秋に産卵します。でも、琵琶湖の鮎は琵琶湖で大きくなって滋賀県のいろいろな川を上ってきます。

3.近畿の林業について特長をまとめてください。

近畿地方には、京都の北山杉や奈良の吉野杉などの有名な木材があります。色が美しく香りもいいので、家の建築材料や家具などに加工されます。しかし、安い外国の木材がたくさん輸入されるようになったのであまり売れなくなり、林業で働く人も少なくなってきました。ただ、森林は二酸化炭素を吸収し地球の温暖化の防止に役立つということで、少しずつ林業が見直されはじめ植林も進められています。

3 ダウンロードはこちらから

こころの窓 第48回「近畿地方の農林水産業」

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4 おわりに

不登校の子どもたちにとって一番大切なことは、何が何でも学校に登校させることではなく、家であろうが別室であろうが自立の力をつけてあげることだと考えます。誰かに言われて取り組む学習を重ねるのではなく、自分で考えて自分で学習できる力をつけることが大切です。その上で、学力をつけていくことが「生きる力」につながっていくと思います。

この「こころの窓」は、一人で勉強するために作ったプリントです。閉ざした『こころの窓』を開けて、社会に出て行くための勉強をがんばってほしいと考えてこの題名をつけました。

不登校に悩む子ども達の力になることを祈っております。

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