「こまを楽しむ」(光村図書3年国語)の授業の流れと全板書 ~テキストオンリーでなく

2つの問いかけが提示される

小学校の説明文で、はじめのうちに「問いかけ」(疑問や課題)が示され、後の意味段落でそれに答えていくという流れは、スタンダードな形です。
光村図書の3年生で「こまを楽しむ」は最初に出てくる説明文。
最初の段落に
A1「どんなこまがあるのでしょう。」
A2「また、どんな楽しみ方ができるのでしょう。」
という2つの問いかけが書かれています。
この問いかけに対して、各段落の頭で次のように答えが書いています。
Q2「色がわりごま」Q2「回っているときの色を楽しむ」
Q2「鳴りごま」Q2「回っているときの音を楽しむ」
Q2「さか立ちごま」Q2「とちゅうから回り方がかわり、その動きを楽しむ」
Q2「たたきごま」Q2「たたいて回しつづけることを楽しむ」
Q2「曲ごま」Q2「曲芸で使われ、おどろくような所で回して、見る人を楽しませる」
Q2「ずぐり」Q2「雪の上で回して楽しむ」
と書かれていますので、A→Qの対応がとても分かりやすいです。

実際に作らせてみる

では、A→Qの対応が分かったところで「おしまい」でいいのかというと、そんなことはありません。
「色がわりごま」「鳴りごま」「さか立ちごま」「たたきごま」「曲ごま」「ずぐり」という6つのこまがそれぞれどんなこまなのかをもう少し詳しく文面に照らし合わせて理解できるようになれば、この説明文がもう少し面白くなると思います。
そこで、ぜひ「色がわりごま」を子供に作らせてあげてください。実際に作ってみることで、より説明文を理解できるようになるり、説明文に興味を持てるようにもなると思います。ただ好きに色を塗るだけではきれいに色が混ざりあわないので、いくつかの模様のテンプレートを用意して塗らせるのもいいかもしれないですね。ちょっと時間がかかってしまうのがたまにきずなので、時間の余裕を見て作ったものを回させるだけにするとか、適宜アレンジしてください。下記リンク先に、いろごま作りの簡単な方法が載っています。

【自由研究】虹色コマをつくろう(小学生向け)

「同じこまでも、回すはやさによって、見える色がかわってきます」と書かれていることが自分の目の前で確かめられることは、子供が説明文に興味を持つきっかけになると思います。
また、実際にやってみることで説明文に書かれている内容以上の発見があるかもしれません。
国語では説明文を教材とした授業が多いので、ただの読解に終わらせないで、実際に試してみることは大切だと思います。

全てを実際に作らせることはできない

ところが残念なことに、そこそこ気軽に作ることができるのは最初に出てくる「色がわりゴマ」ぐらいです。その後の5つのこまを作るのはかなりハードルが高いです。いちいち作っていたのでは時間がいくらあっても足りません。
であれば、実物に触らせてあげればよいのですが、用意してあげられそうなのは「さか立ちごま」ぐらいです。(それも、うちの学校にはありませんでした)
こんなふうにテキストそのものをヒントにして読解する以外の方法が不足しがちです。それは、説明文が面白くないと感じてしまう原因ではないでしょうか。文面だけで理解できる子供にとっては面白いのですが、読解力に乏しい子供は頭の中だけでこまを回すのは難しいかもしれません。できるだけ、テキスト以外の情報からのアプローチができるようにしてあげるべきだと思います。(そんなに面白くもない)説明文を学習する際には、教科書の挿絵や実物、ネット画像・映像を利用しながら授業を進めてあげたいです。下記↓リンク先の記事をご覧ください。2年生で説明文を元に、実際におもちゃを作ったときの記録です。こうした活動で少しは子供の気持ちもアガります。

順序に沿って作文を書く ~「馬のおもちゃの作り方」(光村図書国語2年) | EDUPEDIA

説明文に限らず、物語文でも教科書の挿絵があると授業が華やぎます。この記事の最後には、実際に授業の流れを書き込ませたワークシートの様子を画像にて添付しておきます。
挿絵を中心にまとめてゆく方法は、下記リンク先をご参照ください。

国語のノートを絵を中心にしてまとめさせる | EDUPEDIA

映像の利用

GIGAスクールのおかげで教室のICT環境が整ってきていますので、それぞれのこまに該当する映像を子供たちに探させるのも面白いと思います。ただ、GIGA端末で子供が自由にYOUTUBE等の動画を検索できないように設定されている自治体も結構あると思いますので、そこは教師側の端末で見せてあげるようにしないと仕方ないですね。「色がわりゴマ」は、かなりわかりやすい映像がありました。

「同じこまでも、回すはやさによって、見える色がかわってきます」という本文がありますので、子供たちには、「最初に回したこまは、いつ、どんなふうに変わった?」と、聞いてみるといいですね。

その他のこまについてはあまり分かりやすい映像は見つかりませんでした。特に「たたきごま」がどういったものなのかは謎です。それでも、テキスト以外の情報を授業の中に取り入れてあげることは大事だと思います。教師用デジタル教科書だけでもよいので、YOUTUBE動画を探さなくてももう少し役に立つ動画や画像を揃えておいてほしいものです。

ワークシートの様子

2つの「問いかけ」があります。

色がわわりゴマは「回すはやさによって見える色がかわります」

「鳴りごま」の仕組みについて考えました。

回りごまは「とちゅうから回り方がかわるそのうごき」が、どんな動きなのかを考えました。

たたきごまは、教科書の写真以外の情報があまりなくて残念でした。何故、叩いて回るのか、確かめたいです。

曲ゴマは、YOUTUBE動画にたくさんの名人芸があって面白かったです。でも、だらだら見ていると時間的に苦しくなってきます。

ずぐりは雪が降ってもこまを回したいという昔の人の執着が生み出したこまのようなのですが、今の子供たちにとって、「何でそんなにこまに執着するのか」ということに対する答えは考えつきにくかったようです。貧しくて素朴な遊びが楽しかった頃(昭和前期~中期)は遠い昔です。

本当は、教科書で紹介されている以外の様々な種類のこまについて調べたり遊んだりさせてあげたかったのですが、時間切れで力尽きました。残念。

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