『はたらく人とわたしたちのくらし』工場ではたらく人と仕事(教育出版3年社会科)~社会科見学を活用し、学習問題の解決を目指す~

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、地域の産業の様子を、人々の生活との関連を踏まえて理解するとともに、調査活動、地図帳などの資料を通して、必要な情報を調べまとめる技能を身につけるようにする。また、地域の産業の特色や意味、人々の生活との関連を考える力や、考えたことを表現するために、地域の産業の様子について意欲的に調べ、特色や相互の関連、意味について粘り強く考えていく主体的な学習態度を養う。

単元の評価規準

知識・技能

生産の仕事の種類や工場がある場所の分布、仕事の工程などについて見学、調査したり地図などで調べたりして、必要な情報をノートなどに集め、読み取り、生産に携わっている人々の仕事は地域の人々の生活と密接な関わりをもって行われていることを理解している。

思考・判断・表現

生産の仕事の種類や工場がある場所の分布、仕事の工程、地域の人々の生活との関連などに着目して、問いを見いだし、生産に携わっている人々の仕事の様子について考え、表現している。また、学習したことをもとに自身と社会への関わり方を選択・判断して、適切に表現している。

主体的に学習に取り組む態度

地域に見られる生産の仕事について、予想や学習計画を立てたり、見直したりして、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。

単元の展開【1~8時】

1時(第1次) 学習の見通しをもつ

・「わたしの町の有名なものは何?」と問いかけ、これから調べる教材への興味を高める。実物を用意して、児童に提示するとその有名なものに必要な材料やそれを作っている場所などのイメージが湧きやすくなる。

・「有名なものを作るのに必要なものはなんだろう?」と問いかけ、予想をする。児童が予想した物を発表し、カテゴリー分けする。(例、材料・工場・人・機械・お店など)

・工場見学に行って確かめるという意欲を高め、社会科見学の計画を立てる。

2時(第2次) 学習問題をつくり、社会科見学の計画を立てる

・学校区、または社会科見学へ行ける工場周辺の地図から、工場の分布を調べる。実際の地図を使い、工場と思われる場所と何の工場か予想する。(社会科見学へ行ける工場周辺の地図を使う場合、工場の地図記号の確認などをする。)

・工場の位置や予想したことをもとに、学習問題をつくる。(学習問題の例「工場の仕事にはどのような工夫があり、わたしたちのくらしにどのようなつながりがあるのだろう。」)

・学習問題の答えを予想し、班で共有する。

・班で共有した答えが合っているかどうか、工場見学に行って確かめようと意欲をより高めさせる。

3・4時(第3・4次) 工場見学をする

・工場を見学して、分かったこと・工場ではたらく人の説明をメモする。

・工場見学を終えての感想を書く。

事前に工場側と打ち合わせをし、今後の学習計画につながるような話をしていただくようにお願いをしておく。(例:服装・製造以外の仕事の紹介・製品はどこへ・原料はどこからなど)

5時(第5次) はたらく人が気をつけていること

・個人で工場の設備やはたらく人の服装に着目し、気づいたことをまとめる。

・班で気づいたことを共有する。

・班で「工場ではたらく人が気をつけていること」を予想する。

・班で予想したことを、クラス全体に発表する。

・個人で分かったことや、考えたことをまとめる。

6時(第6次) 工場ではたらく人たち

・個人で製造以外の工場ではたらいている人の仕事に着目し、気づいたことをまとめる。

・班で気づいたことを共有する。

・班で「工場ではたらく人たちが協力して仕事をしていること」を予想する。

・班で予想したことを、クラス全体に発表する。

・個人で分かったことや、考えたことをまとめる。

7時(第7次) 製品はどこへ、原料はどこから

・個人で「①工場でつくられた製品は、どこへ運ばれるのか」を予想する。

・①について、班で予想したことを共有する。

・①について、班で予想したことを、クラス全体に発表する。

・個人で「②工場で利用される原料は、どこから運ばれてくるのか」を予想する。

・②について、班で予想したことを共有する。

・②について、班で予想したことを、クラス全体に発表する。

・班で地域との関わりについて話し合う。

・個人で分かったことや、考えたことをまとめる。

8時(第8次) まとめる

・個人で学習問題(学習問題の例「工場の仕事にはどのような工夫があり、わたしたちのくらしにどのようなつながりがあるのだろう。」)について考える。

・班で学習問題に対する自分の考えを発表する。

・クラス全体に発表する。

子どもの意欲を引き出すには

社会科見学と言えば、学びの意欲づけに効果的である。しかし、目的や学んだことの実感、学んだことを活かす機会などにしていかないと効果は薄くなる。本実践では、導入で地域の工場へ社会科見学をしていく。まずは身近な工場から見学することができると地域とのつながりも感じやすくなる。そして、学習問題の答えを予想する。「予想→見学→まとめ」の一連の流れを確立し、社会科見学の目的を持たせたい。さらに、見学して終わりではなく、見学後、新たに疑問を持つこともあるだろう。そのためにその後の授業がある。「予想→見学→まとめ→新たな疑問→予想→授業(見学)→まとめ…」。社会科の授業は一連の流れを大切にし、思考を深めていくことが子どもの意欲に繋がっていく。

[参考出典]

・教育出版「令和6年度版『小学社会3』年間指導計画・評価計画」 

執筆者プロフィール

nanalalala

元小中学校教員。「思考を深める」(アクティブラーニング・思考回路図の活用など)、「安心して学ぶことができる」(ユニバーサルデザインを意識した授業計画・環境整備など)、「SST」「理解教育・インクルーシブ教育」などを意識し、教育活動・学習活動などに取り組んできた。現在は自身の経験を伝えるWebライターとして活動中。

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この記事を書いた人

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