比例と反比例(小学6年算数)授業案|比例の式の立て方

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、比例や反比例の関係について理解し、伴って変わる2つの数量の関係を表や式、グラフを用いて考察することができる能力を養う。また、比例や反比例の関係を数学的表現を用いて考えた過程を振り返り、今後の生活や学習に活用しようとする態度を育む。

単元の評価基準

  • 知識・技能:伴って変わる2つの数量の関係を表や式、グラフで表すことができる。
  • 思考・判断・表現:伴って変わる2つの数量を見いだして、それらの関係を目的に応じて表や式、グラフを用いて表現し、説明することができる。
  • 主体的に取り組む態度:比例や反比例の関係を数学的表現を用いて考えた過程を振り返り、今後の生活や学習に活用しようとする。

【ポイント】比例の式を立てるときにつまずく理由と改善法

立式でつまずく理由は「読み取り」と「整理」

比例の式を立てる際、児童がつまずく主な理由は「比例の関係について理解不足」の他に以下の2つがあげられる。

  1. 数量の関係性を適切に読み取ることができないから
  2. 比例の定義と「きまった数」を区別して整理できていないから

比例の学習では、次の2つが混同されやすい。

  • 「xが2倍、3倍になると、yも2倍、3倍になる」という比例の定義
  • 「y=axのa」にあたるきまった数(比例定数)

この2つを区別せずに扱うと、立式の際に本来注目する必要のない不要な数量まで考えてしまい、情報過多で手が止まってしまう。

式を立てるポイントは「横の動き」と「縦の動き」の区別

これらのつまずきは、場面理解に表を用いることに加え、目の動かし方まで意識すると比較的簡単に乗り越えられる
比例関係を見つける際には「xが2倍、3倍のとき、yも2倍、3倍」であることを確認するため、目の動きは「横の動き」になる。 一方で、比例の式を立てるときに重要なのは「きまった数」であり、xとyの対応を1つのペアとして捉えるため、目の動きは「たての動き」になる

例えば、以下の表について考える。

x123・・・10・・・
y369・・・30・・・

このときの目の動きは次の通りだ。

  • 横:x=1を基準にxが2倍、3倍になると、y=3を基準にyも2倍(6)、3倍(9)になる
  • たて:「x=1のときy=3」「x=2のときy=6」でそれぞれxを3倍するとyになる

このように、比例の定義を確認するための横の動きと、きまった数を見つけて式を立てるためのたての動きを明確に区別して扱うと、数量が多く登場する「比例と反比例」も整理してとられる。

授業では、表を活用して「比例の定義を確認するときは横の動き、式を立てるときはたての動き」 と視点を繰り返し意識づけることが、比例定数の理解と立式の定着につながる。

【授業案】比例の式の立てやすさは目の動きで変わる

導入|比例を用いた場面の理解

以下の場面を提示する。

「お風呂にお湯をいれています。1分後に2L、2分後に4L、3分後に6Lたまりました。」

児童には湯量が時間に伴って増える様子をイメージさせつつ、4分後、5分後、最後に23分後はどうなるのかを問いかける

数量の変化から、比例であることや2Lずつ増えている「横の動き」に気付き、回答していた児童も、23分後という大きい数には戸惑い、回答に時間がかかるだろう。一度児童からの回答は保留とし、比例であることや立式ができれば簡単に求められることを確認して、比例の立式を本時の目標に設定する

このとき、小学4年生「変わり方調べ」で学んだ式・表の特徴が活きてくるので、小学4年生では、式・表について以下のようにまとめることを勧める。

  • 式:規則を短く表せる、大きい数量でも計算できる
  • 表:規則性に気づきやすくなる

これらが定着していると、児童は以下の思考プロセスをたどり、スムーズに表づくりへと移行できる。

  1. 大きい数量でも簡単に求めるために、伴って変わる2つの数量を式で表したい。
  2. 式を求めるために、これら2つの数量の規則性を知りたい
  3. 規則性を見つけるために、表でまとめることが有効

展開|比例の立式へのつなぎ方

比例の式を立てることや23分後の湯量について、ペアワークで考えさせる。

わり算での立式を引き出す可能性を高めたいので、グループワークではなくペアワークの方が望ましい。反面、難易度が高くて思考が止まってしまうペアが出ると想定される。
そのようなペアには次のような問いかけを行うと良い。

  1. 「何から何を求めたいですか?」
    →x(時間)からy(湯量)を求めたい。
    →式にxとyが入ることを意識づけることに加え、目の動きを「横の動き」から「たての動き」に変えさせる
  2. 「この問題の登場人物は、xとy以外に誰がいるでしょうか?」
    →「きまった数」の存在に気付かせる。
    →登場人物を四則演算でつなげれば良いことに気付かせる。

ペアワーク終了後、全体で意見を共有する。

まとめ|比例の型と立式に必要な「縦の動き」について

まとめとして、次の3点を整理する。

  1. y が x に比例するとき、y ÷ x の商は一定である。(きまった数が存在する)
  2. 「きまった数」を使って、数量の関係y=axを式で表せる。
  3. 比例を見つけるときには横の動き、式を立てるときには縦の動きが重要である。

執筆者

まき先生

中学高校で数学を教えている。体系的に教えるためには算数から学びなおす必要があると感じ、算数の授業案についても学習をすすめている。
実践的かつつながりを意識した授業案の作成に努める。

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この記事を書いた人

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