小学2年 算数 「長方形と正方形」 ICTの活用法を紹介

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目次

本単元で身に着けたい資質・能力

本単元では、長方形と正方形の構成要素(辺や角、頂点など)に着目して図形をとらえることができる能力を養う。また、図形の性質や特徴を日常生活や学習に生かそうとする態度を育む。

単元の評価基準

  • 知識・技能:用語の意味や性質を理解するとともに、折り紙や方眼紙を利用して直角や長方形、正方形を作図することができる。
  • 思考・判断・表現:図形の構成要素に着目し、図形の特徴を見出し、説明することができる
  • 主体的に取り組む態度:身の回りにあるものの形の中から、長方形や正方形等を見つけ図形としてとらえ、数学的に表現・処理しようとしている。

ICT活用の具体例

直角、正方形や長方形の概要を学び終えたタイミングで利用可能。

1. 直角探し

指定された場所(教室等)にある直角を探し、写真を撮って共有するゲーム。

【ルール】

  • グループ対抗で、直角が映っていることが分かる写真の合計枚数が得点となる。
  • 撮影対象が同じ写真の場合は合わせて1枚分として計算される。

留意点

斜めに映した写真では、直角かどうかが判断できないことを共有し、三角定規や折り紙の角を合わせて直角が伝わるような写真にすることを強調する。

理解度に合わせた学習

1-1. 作戦タイムの導入

場所を体育館等教室以外の場所に指定し、撮影タイムを短くする。代わりに、直角が撮影会場のどこにありそうかを教室で話し合う「作戦タイム」を導入する
ゲーム終了後に直角があった場所を整理し、なぜそこに直角があるのかを考えてみると、教科横断型の深い学びにもつながる。この学びの細かい内容は重複するので「3.わくわくする課題」に記載する。

1-2. 表現の工夫

各グループでどうすれば写真でも「直角であること」が伝えられるのかを考えるところから始める。その場合には、表現の工夫ができずに0点になってしまうグループが出る可能性があるので要注意。方法が決まり次第教員に報告、見通しが立ったグループから写真撮影に移るという手順にするとよい。撮影タイムに差が出ること自体が先行グループにとっての大きな利点なので、一定時間経過後に撮影の工夫が思い浮かばないグループには教員がヒントを出しても良い。

2. 正方形と長方形の分類

補足:直角欄は1つでも直角があれば入れる

単元のつながりを意識し、三角形と四角形、直角の有無の分類から始めると良い。その後直角を持つ四角形の中から長方形や正方形を見つけて丸等で囲う。すべての角が直角であることから、正方形も長方形の一部であることを理解させる
上図にあとから長方形と正方形の枠をかき加え、児童が自ら「長方形の枠の中に正方形の枠をいれる必要がある」ことに気付くのが理想。しかし、指示が難解になるため、上記の指示で、長方形をすべて丸などで囲うタイミングに正方形も囲う必要があることが分かれば十分である。

理解度に合わせた学習

理解の進んでいる児童がいる場合には、あえて選択肢に直角三角形を用意しないで分類をさせる。その後、空いたグループにはどのような図形が入るのかを考えさせると良い。「答えを選ぶ」と「答えを作り出す」には大きな差がある。三角定規で見ているとはいえ、難易度は跳ね上がるだろう。難しい児童には、折り紙を渡して三角形を作るよう伝えると簡単に気付くことができる。

3. わくわくする課題

身の回りにある長方形や正方形のものを撮影する課題を出す。「直角探し」と同様にグループ対抗とし、グループ内で同じ写真をとってきた場合には加点の対象とはしない。すると児童は、普段以上に授業で学んだことを日常生活に結びつけようとするだろう。

理解度に合わせた学習

教科横断型の深い学びにつなげるためにも、集めた写真から考えられることを話し合っても良い。
例えば「レンガはなぜ四角なのだろう」と考えると、積み木遊び等で体感していたことが図形の特徴という知識と結びつく。以下の画像のような、枠で作った四角形は左右の揺れに弱いから対角線を結び、直角三角形の組み合わせにすることで強くなることなどを教えると、児童の興味関心につながるだろう。

この教授法は数学的にも重要である。実は長方形の定義を「向かい合う2組の辺の長さがそれぞれ等しい四角形」と勘違いしている児童は多くいる。この図を用いて、長方形になるのは直角である場合のみであるということを再確認することができる。
次に、「屋根の形はなぜ三角と四角があるのだろう。」と考えると、雪や風という地理的影響や、太陽電池等の環境エネルギーの話につなげることもできる。
探究学習、自由進度学習等に注目の集まる昨今では、教科書を詳しく学ぶのではなく、教科書を足掛かりにして学ぶことが求められる

執筆者

まき先生

中学高校で数学を教えている。体系的に教えるためには算数から学びなおす必要があると感じ、算数の授業案についても学習をすすめている。
実践的かつつながりを意識した授業案の作成に努める。

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