小学2年 算数 クイズで学ぶ「長いものの長さのたんい」

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目次

本単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、長さの測定活動などを通して単位の意味を理解し、単位を用いて的確に表現することができる能力を養う。また、長さについての量的感覚を身に付け、今後の生活や学習に活用しようとする態度を育む。

単元の評価基準

  • 知識・技能:長さについての単位を理解するとともに、量的感覚を身に付けることができる
  • 思考・判断・表現:上位単位の必要性に気付き、長さの単位を適切に選択して表現することができる。
  • 主体的に取り組む態度:身の回りにあるものの長さに関心を持ち、数卓的に表現・処理することの良さに気付き、今後の日常生活や学習に活用しようとする。

授業実践の意図

本時の授業実践では、「虫の目」と「鳥の目」という表現で視点の切り替え(数直線でいう一メモリの大きさの変化)を伝え、mm、cm、mそれぞれの違いを体感的に理解できるよう支援を促す。この話は「4けたの数」等でも使えるため、「虫の目」「鳥の目」という統一した表現で伝わるように工夫しておくことを勧める。

また、長さの単位を用いた計算の仕方は繰り上がりや繰り下がりだけでなく、単位の変換も同時に行わなければならないため、つまずく児童も多い。そこで、児童のレベルに合わせた演習案についても後ほど解説する

授業実践

1. 「虫の目(mm)」の振り返り

「2人でじゃがりこを食べていたところ、120本多く食べられた。」という雑談をして笑いを取りつつ、授業に入る。mmの復習をしたのち、鉛筆、筆箱、教室の机など、様々なものの長さを予想させながら測らせる。少しずつ測るもののサイズを大きくし、細かい単位で調べなければならないわずらわしさを感じさせる。「何でcmは使わないのか。」「cmを使った方が楽。」という発言が出てくるのが理想。

mmは「虫の目」の視点であり、細かく調べられるメリットはあるが、数字が大きくなってしまうデメリットがあることを振り返る。じゃがりこの話を持ち出し「120本分」という伝え方は明確な差を伝えられるが、「3箱分」と伝えたほうが想像しやすいと念押しする。

2. 「鳥の目(m)」の学習

100cm=1mと表すことができ、「虫の目」の反対で「鳥の目」の視点だと伝える。ここでは表記の学習とともに、感覚的な大きさが想像できるようになることが重要なので、以下3つのクイズ活動をすると良い。

  1. 1mの長さを予想するクイズ
  2. 1mの長さにもっとも近いものはどれかを予想するクイズ
  3. 指定されたものと数値から単位を予想するクイズ

1)1cmを100個分であることをヒントに、長さは測らず1mの大きさを予想する。そこから、2m、3mと派生し、クイズを通して1mの大きさの感覚を身に付けさせる

2)ある程度感覚が身に付いたところで、教室内にあるものや体育館内にあるもので1mに最も近いものは何かを考えさせる。身近なものの大きさに漠然とした興味関心を抱かせる

3)以下のような画像を提示し、当てはまる単位として最も適切なものを答えさせる活動である。細かい数値は分からなくても、単位ごとの大きさがイメージできていれば、なんなく答えられるだろう。

3. 長さの単位を含む計算演習

演習ではICTを用いた画像付き簡易計算ドリル(以下、めくりドリルと呼ぶ)を行うことが有効である。めくりドリルとは、問題カード(⇒解説カード)⇒答えカード⇒問題カード⇒……(以下繰り返し)となるように並べたICT上の計算ドリルのことである。問題ごとに答え合わせができるので、同じ失敗をすぐに振り返り正しい計算を実践することができる。

本実践では、以下の種類の問題がある。

  1. 「◎m△cm→□cm」や「□cm→◎m△cm」への単位変換
  2. 長さの和
    1. 「□cm+◇cm→◎m△cm」
    2. 「◎m△cm+◇cm→〇m□cm」
    3. 「◎m△cm+▽m◇cm→〇m□cm」
  3. 長さの差
    1. 「◎m△cm-◇cm→〇m□cm」
    2. 「◎m△cm-◇cm→□cm」
    3. 「◎m△cm-▽m◇cm→〇m□cm」
    4. 「◎m△cm-▽m◇cm→□cm」

特に和と差は、それぞれ繰り上がり、繰り下がりが単位の中だけで行われるか、単位に影響を及ぼすかによっても難易度に大きな差が生まれる。具体的には、1m50cm-15cm=1m35cmとなり、繰り下がりは起こるが単位上の影響はない。1m50cm-60cm=90cmとなり、繰り下がりによって1mを100cmに直して計算をする必要がある。

めくりドリルを作成する際には、問題を種類別に作成したものを基礎編、複数の種類を混ぜて順番もランダムにしたものを発展編として児童に配布するとよい。それにより児童が主体的に、自分の理解度に合わせた学習をすることができる

4. 理解度チェッククイズ

最後の理解度チェックとして以下のクイズを行うと良い。

  • 大きさのかかれた置物の写真を複数用意する。
  • 教室の指定した箇所の隙間(横幅のみ)にいくつかの置物を設置したい。
  • 指定した箇所の隙間が最も狭くなるように置物を設置するには、どの組み合わせが良いか。

複数のものを指定した箇所に収めるためには、長さの和や差を考える必要がある。考え方まで答えさせれば、児童の理解度を測ることができる。

執筆者

まき先生

中学高校で数学を教えている。体系的に教えるためには算数から学びなおす必要があると感じ、算数の授業案についても学習をすすめている。
実践的かつつながりを意識した授業案の作成に努める。

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この記事を書いた人

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