『わたしたちの県のまちづくり』自然を生かしたまちづくり(教育出版4年社会科)~知識の構造図で単元を見てみよう3 ~

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※本記事は、単元『昔から今へと続くまちづくり』で紹介した「知識の構造図」について、より具体的に解説した記事となっています。

目次

本単元で身に付けたい資質・能力

県内の自然環境を保護・活用している地域について、人々の生活との関連を踏まえて理解させる。調査活動、地図帳や各種の具体的資料を通して、必要な情報を調べまとめる技能を身に付けさせる。また、自分たちの住む地域と比較し、その地域の特色を考え、白地図などにまとめたことをもとに説明したり話し合ったりする力を養う。そして、主体的に学習の問題を解決しようとし、地域社会に対する誇りと愛情、地域社会の一員としての自覚を養う。

単元の評価規準

知識・技能

自然環境を保護・活用している地域について地図帳や各種の資料で調べ、白地図などにまとめている

思考・判断・表現

自然環境を保護・活用している地域の位置や自然環境などに着目して、地域の様子を捉え、それらの特色を考え、表現している。

主体的に学習に取り組む態度

自然環境を保護・活用している地域について、予想や学習計画を立てたり、見直したりして、主体的に学習問題を追究し、解決しようとしている。

単元の展開【1~6時】

1時 海と山にかこまれた岡垣町

・県の中の岡垣町の位置や土地の様子、土地利用を地図や写真などを使って、個人で調べる。

・岡垣町はどのような所なのか、町役場の人に話を聞くなどして、個人で調べる。

・調べたことを班で共有する。

・疑問に思ったことや調べたいことをもとに、学習問題をつくり、学習計画を立てる。

・単元の学習問題(例:岡垣町は、なぜ、アカウミガメがやってきたり、びわづくりがさかんだったりするのだろう。)を問いかけ、個人で予想をする。

・個人で振り返りを行う。(振り返りシート)

2時 アカウミガメを守る地域の人々

・アカウミガメは、どのような場所で産卵するかを、個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・アカウミガメを守る人々の取り組みを、個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・調べてわかったことをノートにまとめる。

・個人で振り返りを行う。(振り返りシート)

3時 自然のよさを生かしたびわづくり

・岡垣町の自然環境とびわづくりとの関係を、個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・びわの生産量と畑の面積の変化を、個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・調べて分かったことをノートに書く。

・個人で振り返りを行う。(振り返りシート)

4時 「海がめもかえる町」のまちづくり

・岡垣町で暮らす人々の思いや願いについて、個人で考える。

・個人で考えたことを班で共有する。

・岡垣町で暮らす人々と、自然環境とのかかわりについて、個人で調べる。

・個人で調べたことを班で共有する。

・岡垣町のキャッチコピーにこめられた、人々の思いや願いについて班で考える。

・班で考えたことを全体で共有する。

・個人で振り返りを行う。(振り返りシート)

5・6時 岡垣町の発展を願って

・調べてきたことをふり返って、学習問題について班で話し合う。

・班で話し合ったことを模造紙、タブレット(チラシの原型)などに整理する。

・すべての班が整理した模造紙やタブレットなどを見て、各個人で岡垣町の自然環境の特色や人々の取り組みのよさを付箋に書き、地図の上に貼りつけていく。

・個人で振り返りを行う。(振り返りシート)

知識の構造図で単元を見てみよう

前記事でも述べたように「知識の構造図」とは、単元において3つの「何を」指導するのかを明確にしていくものです。その3つとは、

「具体的知識」:一時間毎に習得させる知識のこと

「概念的知識(中心概念)」:単元の終末に、調べて取得した具体的知識を活用して獲得させる知識のこと

「用語や語句」:都道府県の名称や地図記号などのような一般的な知識のこと

本単元の「知識の構造図」を以下のようにまとめてみました

以上のように、「知識の構造図」で単元を見てみると、単元の学習問題を前提として、単元の学習問題を解決していくために、毎時間の具体的知識や用語が明確になります

「知識の構造図」は、「単元構造図」や「教材構造図」などと呼ばれ、多くの教師用指導書に掲載されています。指導を考える前に、一度目を通してみてはどうでしょう。

 [参考出典]

・教育出版「令和6年度版『小学社会4』年間指導計画・評価計画」

・明治図書『社会科学力をつくる“知識の構造図”-“何が本質か”が見えてくる教材研究のヒント-』(北俊夫 著)

執筆者プロフィール

nanalalala

元小中学校教員。「思考を深める」(アクティブラーニング・思考回路図の活用など)、「安心して学ぶことができる」(ユニバーサルデザインを意識した授業計画・環境整備など)、「SST」「理解教育・インクルーシブ教育」などを意識し、教育活動・学習活動などに取り組んできた。現在は自身の経験を伝えるWebライターとして活動中。

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この記事を書いた人

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